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12.告白
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しばらく歩いて見つけた公園のベンチに私を座らせると、しょーたは入口にあった自販機で紅茶を買ってきてくれた。
「ほれ、飲んで落ち着け。」
私は加藤さんのことより、しょーたが私を抱きしめたことで落ち着かないなんて気付いていないだろうなと思いながら、紅茶を一口飲む。
「歌音、あのさ…月曜日のことなんだけど…
彼女面してって言ったのは、歌音が俺の彼女のつもりでいたってこと…なのか?」
いきなりしょーたが、そんな事を言い出すので、飲み切れてなかった紅茶に思い切りむせる。
「な、何言ってるのよ。」
そう言いながらも顔が赤くなったことは自覚している。
「俺は高校の入学式から、ずっと歌音が俺の嫁に来いって言ってたのを本気にしてないと思ってたから、バレンタインにチョコももらえなかったし、一番近い友達でもいいと思ってた。
一人暮らしの部屋に入り浸って、なんとなくなし崩しに俺のこと好きになんないかなとかずるい事考えてた。
でもよその男に連れてかれるのを見たら、許せなくて…
歌音、俺はお前が好きだ。
友達じゃなく彼女だってみんなに言いたい。ダメか?
歌音?」
しょーたが心配そうに私の顔を覗き込むから、涙が溢れて止まらない。
「っくっ。しょーたぁ。…ゔれしいっ」
しょーたは、泣いてうまく話せない私を抱きしめて優しく背中を撫でてくれる。
「歌音、落ち着け。」
「落ち着かないよ。だってしょーたが…」
「俺?」
「…好きなんだもん…」
「歌音…」
しょーたの身体が近いと気付いたら、唇に柔らかな感触がした。
「しょーた?」
びっくりして顔を上げると、耳たぶが赤くなったしょーたがいた。
「帰るぞ。」
ひょいと私を軽く抱き上げて、お姫様抱っこするから、慌てる。
「し、しょーた。ここ、外だよ。」
「いい。これで大学内で有名になれば、歌音に虫がつかなくなる。」
しょーたは、私を軽々と抱いてアパートまで連れて帰ってくれた。
「もう…明日からみんなになんて言われるか…」
なんとなく嬉しいけど、恥ずかしくてしょーたに当たると
「俺は彼女を甘やかして何が悪い?って言うぞ。」
開き直られた…
「しょーた…なんであそこにいたの?」
合コンに行くとは言ったけど、場所も時間も知らないはず。
「美月ちゃんだっけ?歌音の仲良しの。あの子が火曜日に俺んとこ来て『歌音をしっかり捕まえとかないとダメだ』って怒られた。
ついでに合コンの日程も教えて、『必ず迎えに来い。来なきゃ歌音は渡さない。』って…」
「美月ちゃんが?」
ちょうどスマホが鳴ったので、見ると美月ちゃんからで、私はとりあえず電話に出た。
「歌音?歌音ちゃん、大丈夫?」
「美月ちゃん、ありがとう…いま、しょーたといるから…」
電話の向こうからホッとする空気が伝わってきた。
「吉田君、ちゃんと迎えに来てくれたんだ。良かったぁ。」
「ありがとうね。」
「それじゃ、あとはごゆっくり。邪魔してごめんね。」
それだけ言って、電話が切れてしまった。
「ちょ、ちょっと…」
「どうした?」
いつのまにかラグマットに座る私を後ろのベッドに座ってバックハグしていたしょーたが、いつもより10倍増しの甘い優しい声で聞いてくる。
「み、美月ちゃん、心配して電話くれたみたい。」
「そっか。あのさ、歌音。
ごめんな。日曜日、勝手に予定入れて。俺、自分の誕生日なの、すっかり忘れてた。
歌音は、俺のために色々考えてくれてたんだよな。」
「うん…」
「日曜日、3時くらいには帰る予定だから、それから一緒に出かけないか?」
「いいの?」
「もちろん。」
しょーたは、私にそっとキスをすると明日の出発時間が早いからとバイクで帰っていった。
そのままお泊まり?と思っていた私は、ちょっと拍子抜けしたけど、恋愛初心者の私は、ほんの少しホッとしていたからこれで良かったんだと思う。
「ほれ、飲んで落ち着け。」
私は加藤さんのことより、しょーたが私を抱きしめたことで落ち着かないなんて気付いていないだろうなと思いながら、紅茶を一口飲む。
「歌音、あのさ…月曜日のことなんだけど…
彼女面してって言ったのは、歌音が俺の彼女のつもりでいたってこと…なのか?」
いきなりしょーたが、そんな事を言い出すので、飲み切れてなかった紅茶に思い切りむせる。
「な、何言ってるのよ。」
そう言いながらも顔が赤くなったことは自覚している。
「俺は高校の入学式から、ずっと歌音が俺の嫁に来いって言ってたのを本気にしてないと思ってたから、バレンタインにチョコももらえなかったし、一番近い友達でもいいと思ってた。
一人暮らしの部屋に入り浸って、なんとなくなし崩しに俺のこと好きになんないかなとかずるい事考えてた。
でもよその男に連れてかれるのを見たら、許せなくて…
歌音、俺はお前が好きだ。
友達じゃなく彼女だってみんなに言いたい。ダメか?
歌音?」
しょーたが心配そうに私の顔を覗き込むから、涙が溢れて止まらない。
「っくっ。しょーたぁ。…ゔれしいっ」
しょーたは、泣いてうまく話せない私を抱きしめて優しく背中を撫でてくれる。
「歌音、落ち着け。」
「落ち着かないよ。だってしょーたが…」
「俺?」
「…好きなんだもん…」
「歌音…」
しょーたの身体が近いと気付いたら、唇に柔らかな感触がした。
「しょーた?」
びっくりして顔を上げると、耳たぶが赤くなったしょーたがいた。
「帰るぞ。」
ひょいと私を軽く抱き上げて、お姫様抱っこするから、慌てる。
「し、しょーた。ここ、外だよ。」
「いい。これで大学内で有名になれば、歌音に虫がつかなくなる。」
しょーたは、私を軽々と抱いてアパートまで連れて帰ってくれた。
「もう…明日からみんなになんて言われるか…」
なんとなく嬉しいけど、恥ずかしくてしょーたに当たると
「俺は彼女を甘やかして何が悪い?って言うぞ。」
開き直られた…
「しょーた…なんであそこにいたの?」
合コンに行くとは言ったけど、場所も時間も知らないはず。
「美月ちゃんだっけ?歌音の仲良しの。あの子が火曜日に俺んとこ来て『歌音をしっかり捕まえとかないとダメだ』って怒られた。
ついでに合コンの日程も教えて、『必ず迎えに来い。来なきゃ歌音は渡さない。』って…」
「美月ちゃんが?」
ちょうどスマホが鳴ったので、見ると美月ちゃんからで、私はとりあえず電話に出た。
「歌音?歌音ちゃん、大丈夫?」
「美月ちゃん、ありがとう…いま、しょーたといるから…」
電話の向こうからホッとする空気が伝わってきた。
「吉田君、ちゃんと迎えに来てくれたんだ。良かったぁ。」
「ありがとうね。」
「それじゃ、あとはごゆっくり。邪魔してごめんね。」
それだけ言って、電話が切れてしまった。
「ちょ、ちょっと…」
「どうした?」
いつのまにかラグマットに座る私を後ろのベッドに座ってバックハグしていたしょーたが、いつもより10倍増しの甘い優しい声で聞いてくる。
「み、美月ちゃん、心配して電話くれたみたい。」
「そっか。あのさ、歌音。
ごめんな。日曜日、勝手に予定入れて。俺、自分の誕生日なの、すっかり忘れてた。
歌音は、俺のために色々考えてくれてたんだよな。」
「うん…」
「日曜日、3時くらいには帰る予定だから、それから一緒に出かけないか?」
「いいの?」
「もちろん。」
しょーたは、私にそっとキスをすると明日の出発時間が早いからとバイクで帰っていった。
そのままお泊まり?と思っていた私は、ちょっと拍子抜けしたけど、恋愛初心者の私は、ほんの少しホッとしていたからこれで良かったんだと思う。
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