俺が魔王になるまで

ビッグバン

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全ては食の為に

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人類の味方?敵?何を言ってるんです。どう言うつもりかって見ての通りです。
目の前に最高の食材とお腹を空かしてそうな人がいたから料理を作っただけです。

賢者達はまだ警戒した様子で出された料理に一切手を付けなかった。

これじゃあ満足出来ませんか。
ああっ。そうか。立ったままじゃ食べづらいね。ちょっと待ってな。

そう言うと手を叩いた。すると地面から大理石の椅子とテーブルが音もなく現れた。

さあ座って下さい。立ち話もあれですから。

逃げる事も戦う事も出来ない程の実力を感じ賢者達は大人しく席に座った。

すると、勇者は話し始めた。私の目的は世界いやまだ足りないそう宇宙異世界あらゆる物を食い尽くし全ての味を知り、全ての物を最高の料理に調理したいのです。

食べる。それはすなわち命に意味を与える行為。何の意味もなく悲しい死という行為を。生者の糧にし意味のある物に変える慈悲深くこの世の何よりも尊い行為。全ての物は死に無となるだが食べればその死は無駄ではない。だから、調理して最高に美味しい料理に変えて全ての生物に意味を与えたいんです。

私はそうですね。言うなれば食の味方です。
これで良いですか。さあ食べ下さい。さっかくの肉がさめる前に。

気がつけば目の前には料理が置かれ、ナイフやフォークまでもがきれいに並べられていた。

勇者は全身鳥肌が立つ様な声でこう言った。
食を無駄にする言葉許しませんよ。

賢者達もろくに食べ物がなくて飢えているとは言え流石に魔物は食べたく無かったがあの勇者にはとても逆らえなかった。

賢者達は震えながら肉にかぶりついた。
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