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角田智史

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 DNA

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  少し風が吹くと、DNAの螺旋模様を連想させた。

  これは幼い頃からそう思っていて、玄関先から眺めるこの景色は何十年経っても変わらなかった。

  真上から漏れ出て来る煙突からの煙が鼻をつんと刺した。
  
  「おはよう菊、雪が降ってるよ。」

  目が覚めて間もなく寝室から居間へやってきた息子に僕は言った。
  「降る」というよりは「舞う」の方がしっくりくる言葉ではあったが、まずはその事実を認識させようという頭の方が勝っていた。

  「ゆき?」

  まだボーっとした頭なんだろうなと思わせる態度で僕にそう聞き返した。

  日頃からスマホか、ゲームの画面から抜け出せず、僕が何を言ったとしてもいつだってすぐに「うん」と頷く事もなく、「え~」だとか「いや」と否定的な言葉から入る息子が、この僕の言葉に対してどういった反応が返ってくるのか、少しの不安があったものの、

  「外に出てみよっか」

  という僕の言葉に素直に応じて、息子はガラガラと昔ながらの玄関の扉を開けた。

  成長したのか、本人のこだわりがそうさせているのか、靴下とズボンの間には5センチ程の素肌が見えた状態で息子は外へ出た。

  「ほんとだ~、ゆきだ~」

  画面越し以外の世界を見せたいと常々思っている僕からしたら、この息子の反応は値千金のものであった。しかしながらそれも束の間で、

  「寒い」

  と言い出した息子に僕は「何を言ってるんだ、子供は風の子だろ?」という言葉を出す事もなく、


  「寒いね、中に入ろうか」

 
  そう言って、炎がちらつく薪ストーブに暖められた家の中に入っていった。
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