白い男1人、人間4人、ギタリスト5人

正君

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三部

Interlude:Darling



「望!お待たせ!」
「アヤ~!全然待ってないよ!早く座って座って!」
アヤと初めて長いこと会話をした公園。
仕事終わりとか、暇な時とかに集まってお話をするようになった。

「で、今日は何のお話?」
僕がアヤにそう問いかけると、アヤは嬉しそうに、でもどこか照れ臭そうに話し始めた。

「望は、俺の大切な友達だから…紹介、したい人がいて」
大切な人、その言葉を聞いてピンと来た。

「うん、あ!前言ってた彼氏さんのこと?」
「……そう」
「いいよいいよ!いつ会える?」
「……今」
「…え、き、来てるってこと!?別に全然いいけど…」
「違、あ、あの…今から見るものは、他言無用で…あと、逃げないで欲しい、俺の大切な人だから…」
「……大切な人、なんか、怖いことしてたりするの?それとも見た目が怖い人?」
「違う…見た目は普通だと思う…い、いや、見せた方が…早いか…」
「?」
「待ってて、呼ぶから」
「よ、呼ぶ……?」


アヤはぐっと瞳を閉じた。
その後、彼の纏う雰囲気が…じんわりと変化して見えた。

髪を分ける彼、彼は目を開くと、顔を上げ、見たことの無い笑顔で微笑んだ。

「初めまして、義文の、アヤの彼氏の…比喩です」

……そう、いうことか。

見た目はアヤのはずなのに、仕草が違うくて…。
髪を耳にかけて、ピンと背筋を伸ばして、照れた時は口を押さえてクスクスと笑う人。

「…比喩さん、ですか?」
そう話しかけると、僕が年下だということを分かっているのか、どこか甘やかすような声色で「はい」と返事をしてくれた。

「…優しそうな人で安心しました」
そう言うと、彼は口を押さえ、クスクスと笑ってから一度大きく頷いた。

「ありがとうございます…貴方の事はいつもアヤから聞いていて…いい友達だと何度も繰り返すように言っていたから、いつかお会いできたらいいなと思ってたんです」

優しい声色。
アヤの喉から出てるとは思えないくらい、声の温度や湿度、雰囲気が違う。

この人は…アヤじゃない。
アヤの側にずっといた…アヤの彼氏なんだ。


「……アヤは、いつも…彼氏彼氏言ってましたよ」
「ふふ、本当に?なんだか…アヤに言わされてる感じ?ふふ、なんて」

こんな冗談言える人なんだ…。
アヤが彼氏になりきってるのか、とかバカな事考えてたけど…アヤがこんな事言えるわけ無いもんな。

本当に、別の人なんだ…。


「あ、比喩さんは…好きな食べ物とかありますか?」
そう尋ねると、彼は首を縦に振り、こう言った。

「僕もアヤも…焼き鳥が好きで」
「!好きな部位どこですか?」
「レバーとかの内臓系が好きで…でも部位よりかは味付けの方が、大事で」
「そうなんだ…タレ派?塩派?僕は塩派!」
「おお、一緒だ!」
「ごめん本当はタレが好きなんだけどカロリー高いから塩って言ってる」
「あらま…聞いちゃいけないこと聞いちゃった感……」
「……塩美味しいよね~」
「うん、おいしいね~」




『Darling.
Don't cry my darling.
足をついてDaring.
人らしくDaring.


ねえ、Darling.


貴方の為なら望んで奴隷になりましょう。


Darling.
Don't cry my darling.
足をついてDaring.
人らしくDaring.


ねえ、Darling.』
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