目が覚めるとアンドロイドになってました。

ゆきつき

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1話

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「……、…えるか?」
「反応なし。聴覚機能の異常は?」
「問題ない、はず。単純に設定が間違えていて、音を拾えていない可能性の方が高いっすね」
「よし、聴覚機能の感度を上げろ」
「了解」

「聞こえるか?」

 うるさい!さっきから聞こえてるよ!んだよもう、人の耳元で叫びやがって。耳が聞こえなくなったらどうしてくれるんだよ。

「微かに反応あり。しかし、声が聞こえてるかは……」
「当該機の返答があってようやく認められる。だが、それが無い以上、聞こえていないと判断する他ない」
「……やべっ」
「どうした?」
「いやあの、聴覚機能は問題ないはずなんすけど、言語機能、というよりかは発声機能?がやられてるっぽい、かな~。多分今のこの会話、めっちゃ五月蝿く聞こえてるよこれ」

 うるさい。うるさ過ぎて頭が痛む。しかも耳鳴りかな?ずっと変な、嫌な音が聞こえる。ノイズというか、とにかくうるさい。

「調整完了。恐らく問題無し。あとは、こいつが喋ってくれるかどうか」
「さっきからうるさいんだよ!あとここどこだ!拘束はずせ」

 急に頭のノイズから解放されて、思ってることを口に出せた。
 あとなんで俺は拘束なんてされてるの?

「よし、成功だな」

 いや何も良くないだろ。何が成功だよ、びっくりするぐらいの大声で喋りあって、人をイライラさせただけじゃないか。いや、それが目的なら成功だけどな?
 あとなんで拘束されてる?

「これが何かわかるか?」
「なにって、」

 地球と、太陽が写った写真?を見せられた。画角的に月から撮ってる感じか?どこかで見たことがあるような、ないような、そんな感じの写真が出てきた。

「地球と、太陽が写った写真だろ」

 というか、何の質問なんだ?これに一体、どんな意味があるって言うんだよ。
 あと拘束を外してくれ。

「うーむ。認識能力の一部がおかしいが、概ね問題無しだな」

 いや今の何処におかしいと言われる所があった?

「意思疎通も問題なさそうだし、成功って事でいいんじゃないの?」
「その程度で成功扱いするな。これには、もっと大きな、全人類の希望となってもらわないといけないのだから」

 ちょっとどころじゃなく話がわからないのだか、俺は一体どうすれば良いのだろう?
 というか拘束を外してくれ。

「では、予定通り」
「ああ。地球へ送り届ける。あとはそっちの仕事だ」
「は?地球へ送るって、じゃあここはどこだよ」
「対象をシャットダウンしろ」
「了解」
「了解じゃねえよそっちの質問に答えてたんだから、こっちの質問にも答えろよ。一体なに、」










「目が覚めたか」
「ここは?」

 なんか、疲れてるのかな。立ちくらみと言いますか、視界が全体的に暗い。というか、ほぼ見えない。
 にもかかわらず、ふらつくとか、そういったのは特にない。その事実のせいで気持ち悪くなる。
 俺は目の病気とかもってなかったはずだけどな。

「あ、すみません。どうも視覚機能の不具合があるみたいです」
「そうか。どのぐらいで治る?」
「……、もう大丈夫かと。流石は最新機。私、ほとんど弄ってないのに。すぐに治りましたよ」

 なんだか、よく分からん会話が繰り広げられてる。
 けどどういう訳か、声の主が言った、もう大丈夫に合わせて、俺の視界が復活した。視界良好。

「さて、改めて。目が覚めた様だな」
「は、はい」

 どういう状況か一切わからないけども。目の前の女性の圧に負けて、しっかりと敬語になった。綺麗な人だなぁ。きっとお優しいんだぁ。

「早速だが、当該機のテストを兼ねて、前線に出てもらう。武器はこれを使うといい」

 前言撤回。とてもお厳しい。でも美人!

「安心してください。今回は私がオペレートしますから」

 うん。確かにね。声とかは優しそうな感じだけどね?普通の人にとって、いくら優しい人だったとしても、戦場をナビゲートしてくれるとしても、それは安心出来る要素にはなんないのよ。出来るなら、戦場に行かなくても、みたいな感じで、引き止めて欲しいのよ、安心させようとするなら。うん。

「まずは現地の部隊と合流。その後、その部隊の方針に合わせて行動せよ」

 ……。これはあれだ。俺の意見なんて、無いと一緒なんだな。悲しい。










 さっきまでいたのは地下だったらしく、エレベーターで地上に出てきた。
 するとびっくり。俺の知ってる、現代日本とはかけ離れた景色が出迎えてくれた。近代的になったんじゃなく、昔に戻った感じだ。
 簡単なテントが複数と、壊れた、ビルか?そんなのを活用したエリアが所々と言った、キャンプ?があった。

「ここどこだよ」

 しかも、このキャンプから見えるところに限るけども。見渡す限りの平原。木とかも生えてるけども、森とか山とか、そのレベルじゃない。多分、平原って表現が正しい、そんな、なにもない場所だった。

「お前が、司令が言っていた新型か」
「えっと、」

 今更ながら。
 人間ってさ。自分が宇宙人じゃないと証明するのが無理だったり、誰かの夢の登場人物の1人、みたいなさ。オカルト話が大好きだけどさ。それでも言える、俺は人間、のはずだ。
 にもかかわらず、さっきからずっと、機械みたいな扱いを受けてるんだけど、え?俺、人間だよね?機械になるなら、俺は美女になりたい。

「多分?」
「また随分とおかしなものを創ったな」
「?」
「いや、なんでもない。私はオペレーター511号。本来なら、本部で現地調査員の支援が仕事だが、例外的にここのキャンプのリーダーと、ここの部隊の隊長を兼任している」
「どうも」

 どっからどう見ても美人で綺麗なお姉さんって感じなのに、その自己紹介は、まるでロボットみたいじゃないか。……。自制心、大事。

「それで?お前の役職は?」
「ん?」
「いや、役職だよ。私はオペレーターだが、戦場で戦う訳じゃない。そういうのは、ガンナーとかアタッカーがやるもんだ。んで、お前を何処に配属すればいいかわからんから、役職を聞いてるんだ」

 なるほどね。司令官が前線にいるとかおかしいもんね。
 でもね。俺は俺の役職なんて知らん。

『あ、すみません。こちらオペレーター753号です。伝え忘れてました』
「……大方、司令がやたらと急かして送ったから、説明の時間が無かったというところか」
『あはは、。とにかく。当該機はオールラウンダーとして製造されました。番号はたしか、10001号、だったはずです!』
「不明瞭な発言をよくもまあ、自信ありげに言えるな」
『えへへ』
「褒めてないぞ」

 なんかさ。もう話についていけない。

「にしても、おかしなものだとは思っていたが、色々とヘンテコな事をしているな」
『そーなんです。実験段階で使い物にならないと判断されたオールラウンダーが、まさか新型になって出てくるなんて。私、仕事奪われたりしないですよね?』
「それを確かめる為の、実践テストだろ?」
『ひぃー!10001号さん、くれぐれも、くれぐれも!テキトーにお願いしますね?』
「あ、はい」

 これは言うまでもないが、俺は手を抜かなくても、恐らく使い物にはならない。俺は俺にそれほど自信がないからな。

「それとだ。現状の情報の同期は済んでいるか?」
「……、?」

 まあ、さっきからの扱い的に、俺が俺の知っている俺じゃないとは思っているけど。
 えっと。今現在の状況を見れば、初見のゲーム、チュートリアルなしでいきなりスタートレベルで、なにも分かってないよね。

「おい、マジか、マジなのか?……、ここまで自我を確立しているにも関わらず、ネットワークとの同期がうまくいっていない?いや、それは有り得ない。私たちの自我はあくまでもネットワークにある数多の情報を元に構成されているにすぎない。同期が不完全なら、ここまでしっかりとした自我は得られないはず。だが、どういう事だ?」

 まあ、その「どういう事だ?」って疑問は俺も思ってるけど、何故か今まで1度も口に出せなかったんだよね。なぜだか知らんけど、みんな俺に知ってるよね、みたいな当たり前みたいな感じで話が進んでたせいで、俺はなにも言えなかった。

「まあいい」
「よくないでしょ」
「とりあえず、現地まで行ってくれ。あとはそこで説明をして貰え」
「あとでもなにも、一切説明ないよ?」
「では、健闘を祈る」
「祈らないで、まず説明して!」
『張り切っていきましょう、10001号さん!』
「張り切るのもいいけど、まず説明をくれ!」
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