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第一話:異世界転生する
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「ああ、俺は死ぬのか」
そう呟く青年が一人いた。
彼の名前は上田、どこにでもいる男子大学生だ。
「まあ、後悔は・・・あると言えばあるな」
暴漢に襲われていた少女を守るため、俺は男を殴った。
もちろん、結果は分かっていた。
喧嘩に自信があるわけでもないし、格闘技をやっているわけでもない。
ただ、そのときは身体が勝手に動いたのだ。
「しっかりしてください!」
そう呼びかけるのは黒髪の綺麗な女の子だった。
そう、さっきまで暴漢に襲われていた。
「もうすぐ、救急車が来ますから!」
ああ、俺なんかのためにここまでやってくれるんだ。
それだけで何か報われた気がする。
あれ、意識が・・・遠のいて・・・いく。
「おめでとうございます!!!!」
はぁ!?
気が付くと、真っ白なだだっ広い空間にいた。
いや、さっきまで道端で倒れていたはずだが。
「あの、ここは?」
「ここは天国!って言いたいですが、まあ違いますね」
と曖昧な答えを出す謎の美女。
目の前にいるのは白いワンピースを着た女性。
正直、今まで会ったことはないはずだ。
「あの?もしもし?」
「おっと、いけない。君の気持ちは確かに受け取りましたよ」
言い終えると同時にウィンクをする。
「どういうことですか?」
「先ほど、暴漢に襲われていた少女を助けましたよね?」
「それはそうですが、あの子は無事ですか?」
「ええ、もちろん。だって・・・」
「え!?」
さっきまでいた美女が俺が助けた美少女に変わっていた。
いや、マジックにしてもできすぎだろ。
「私が本人ですから!!」
「はぁ!?どういうことですか?」
あまりにも謎の行為に怒りと戸惑いが生じる。
訳が分からない。
「あの、ですね」
—----------------------------------
「で、あってるんだよな?」
「はい、ごめんなさい」
そこには仁王立ちで威張る俺と正座をしている美女。
傍から見れば、俺が怒鳴りつけているようだ。
実際、そうであることには間違いないのだが。
説明するとこうだ。
俺が助けた美少女は目の前の美女。
で、暴漢に襲われていたのは演技だそうだ。
魔法か演者か分からないが、そういうやつらしい。
誰かが助けに来るかを待っていて、そこに来たのが俺だ。
人の善意を踏みにじられた思いだ。
それで終わればいい。
しかもこいつら、倒れて気を失っている俺を笑っていたそうだ。
聞けば、こいつ女神だそうだが、こんな奴が?
「あの、元の世界に戻りたいんですが?」
「それはできません」
「なんでですか!?」
「あなたは仮にもこの世界に来ています。ということは異世界転生してもらう決まりになっているのです」
「ふざけるなよ!それはてめぇのしわざだろ!」
「きゃあああ、襲われる!」
「えっ・・・うぅう・・・」
美女にそう言われると、思わずビビってしまう。
まるで、俺が悪いみたいだ。
「てなわけで、いってらっしゃいませ!」
「はぁぁぁぁ!!!!ふざけるな!まだ見てないアニメだって!!!!」
俺は謎の光に飲み込まれ、意識を失う。
こうして、強制イベントに巻きこまれた俺の異世界転生生活の始まり始まり。
そう呟く青年が一人いた。
彼の名前は上田、どこにでもいる男子大学生だ。
「まあ、後悔は・・・あると言えばあるな」
暴漢に襲われていた少女を守るため、俺は男を殴った。
もちろん、結果は分かっていた。
喧嘩に自信があるわけでもないし、格闘技をやっているわけでもない。
ただ、そのときは身体が勝手に動いたのだ。
「しっかりしてください!」
そう呼びかけるのは黒髪の綺麗な女の子だった。
そう、さっきまで暴漢に襲われていた。
「もうすぐ、救急車が来ますから!」
ああ、俺なんかのためにここまでやってくれるんだ。
それだけで何か報われた気がする。
あれ、意識が・・・遠のいて・・・いく。
「おめでとうございます!!!!」
はぁ!?
気が付くと、真っ白なだだっ広い空間にいた。
いや、さっきまで道端で倒れていたはずだが。
「あの、ここは?」
「ここは天国!って言いたいですが、まあ違いますね」
と曖昧な答えを出す謎の美女。
目の前にいるのは白いワンピースを着た女性。
正直、今まで会ったことはないはずだ。
「あの?もしもし?」
「おっと、いけない。君の気持ちは確かに受け取りましたよ」
言い終えると同時にウィンクをする。
「どういうことですか?」
「先ほど、暴漢に襲われていた少女を助けましたよね?」
「それはそうですが、あの子は無事ですか?」
「ええ、もちろん。だって・・・」
「え!?」
さっきまでいた美女が俺が助けた美少女に変わっていた。
いや、マジックにしてもできすぎだろ。
「私が本人ですから!!」
「はぁ!?どういうことですか?」
あまりにも謎の行為に怒りと戸惑いが生じる。
訳が分からない。
「あの、ですね」
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「で、あってるんだよな?」
「はい、ごめんなさい」
そこには仁王立ちで威張る俺と正座をしている美女。
傍から見れば、俺が怒鳴りつけているようだ。
実際、そうであることには間違いないのだが。
説明するとこうだ。
俺が助けた美少女は目の前の美女。
で、暴漢に襲われていたのは演技だそうだ。
魔法か演者か分からないが、そういうやつらしい。
誰かが助けに来るかを待っていて、そこに来たのが俺だ。
人の善意を踏みにじられた思いだ。
それで終わればいい。
しかもこいつら、倒れて気を失っている俺を笑っていたそうだ。
聞けば、こいつ女神だそうだが、こんな奴が?
「あの、元の世界に戻りたいんですが?」
「それはできません」
「なんでですか!?」
「あなたは仮にもこの世界に来ています。ということは異世界転生してもらう決まりになっているのです」
「ふざけるなよ!それはてめぇのしわざだろ!」
「きゃあああ、襲われる!」
「えっ・・・うぅう・・・」
美女にそう言われると、思わずビビってしまう。
まるで、俺が悪いみたいだ。
「てなわけで、いってらっしゃいませ!」
「はぁぁぁぁ!!!!ふざけるな!まだ見てないアニメだって!!!!」
俺は謎の光に飲み込まれ、意識を失う。
こうして、強制イベントに巻きこまれた俺の異世界転生生活の始まり始まり。
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