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5話
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サツキサイド
ただ、抱いて欲しかった。
目の前にいるメイタという男に…
誰でもよかった訳じゃない。
メイタの澄んだ瞳は私を真っ直ぐ見つめ、心穏やかにしてくれることにこの数時間で私は気付いたから。
その目でじっと見つめられた時、私の心の芯が久しぶりに疼き…叫んだ…
それはまるで初めて恋を知った幼き頃のように…
M「…ならさ?俺と…不倫しない?」
S「………する…」
奥深くまで塞がれた唇は少し苦しくて荒々しい。
なのにしがみ付くようにメイタの唇に自ら吸い付くのはもう…自分でもこの欲求を止められないから。
キスの合間に漏れるメイタの吐息が私をさらに女させ夢中にさせる。
早く…早くメイタと一つになりたい。
早く繋がりたい。
頭の中は不思議とそればかりがぐるぐると回り、慌ただしく私たちは服を脱ぎ捨てた。
S「メイタ…」
私がそう名前を呼べばメイタは優しく微笑んで私の身体を撫でる。
M「可愛い…」
お互いの身体をお互いに愛撫で合うその行為は今までに感じたことのないほどの快感で次第に私たちは夢中になっていく。
まだ1つになっていないのにこんなにも快楽が襲うのだろうか?
その指で…
その舌で…
その唇で…
弄ばれるたびに身体が赤く染まり本能のまま乱れ、私たちは一つに繋がった。
M「ねぇ……」
S「ん?」
ベッドの上で抱き合い月明かりに照らされいるメイタの顔を覗き込む。
M「後悔…してない?」
私のこめかみにチュッと口付けを落とし、指先で肩を撫でながらそう問いかけたメイタ。
S「なにが?」
M「俺に抱かれたこと…」
S「…してる…って言ったらどうする?」
M「ん…ホッとするかな…」
S「え?」
私は予想外の言葉に思わず起き上がり、メイタは笑いながら寝そべったままで私はその胸にイタズラにパチンっと叩く。
M「俺が好きになった人はちゃんと旦那さんに愛されてるんだなっと思ってホッとする。だってさ、好きになった人が旦那さんに愛されてないとか…悲しすぎるでしょ?だから、俺とは血迷っただけなんだなって……諦め?みたいなのがつくじゃん?」
S「そんな簡単に私のこと諦められるんだ?」
M「不倫するなんて言ってもさ…実際、俺が諦めるしかないじゃん?…サツキさんは俺が旦那と別れてって言ったら別れてくれる?それとも、サツキさんは東京に戻っても俺と不倫…続けてくれんの?」
メイタのその言葉を聞いて私は思わず唇を噛む。
…メイタ…私…本当は結婚なんてしてないんだよ?
なんて言ったらメイタはどんな顔するのかな?
S「あのね…メイタ…私ね?じ…実は…」
M「誰かのモノだからこんなにサツキさんに惹かれたのかな?もし、サツキさんが独身だったら…ここまで惹かれてなかったのかな…?正直、俺…分からないんだ…なんで今日出会ったばかりの人に夢を捨てても良いって思えるほど惹かれるのか…」
メイタは私の言葉を遮るようにそう言った。
誰かのモノだから…惹かれた…か…
そんな私なんかのために夢を捨ててもいいなんて簡単に言わないで…
S「……夢を叶える為に頑張りすぎて急に目の前にあらわれた私と出会って惹かれてるって…勘違いしてるだけかもしれないよ…落ち着いて考えたら夢を取るよ…私なんかより。」
私はきっとメイタの言葉に少し傷ついた。
結婚してるなんてくだらない嘘をついたのは私の方なのに。
なのにその傷ついた心が皮肉にもメイタへの想いを私に気づかせた。
M「なんでそんな事いうの……?今の俺はサツキさんが関係続けてくれるって言うなら…そんな叶うかどうかも分からない夢…諦めてサツキさんと一緒にいたい……」
そして、夢心地だった私はメイタのその苦しい言葉を聞いて現実に引き戻されていく。
キミはその夢のために今まで頑張ってきたんでしょ?
メイタの正直すぎる目を見れば私には分かる…
本当は夢を諦めるなんてしたくないと心の中では思っている事を…
私なんかのためにその大切な夢…
そんな簡単に諦めるなんて言っちゃダメだよ…
今日出会ったばかりの私なんかのために…
バカな私はすぐ勘違いして本気にしちゃうんだから。
S「もう~そういうの重いって~!!せっかく楽しむために小豆島に旅行きたのに?」
だから、わざと戯けてそう言った…
まるで、メイタとは身体だけ交わればいい軽い女かのように…
そうすればメイタは私なんかのために夢を諦めたりしないでしょ?
M「……だよね…ごめん…」
そう言ってぎこちなく笑うメイタを見てまた、私の胸がギュッと縮こまる。
S「私が小豆島にいる間だけ楽しめばいいじゃん?不倫…ごっこ…」
自分の心がメイタに惹かれていると気付いておきながらこんな心にもない事を平気で言う私はほんと…
ウソツキ。
M「はぁ…マジで最低な女…」
S「…ふふふ…嫌いになった…?」
私は余裕があるなのように嘘くさい笑顔を見せてそういう。
M「最低って言っただけで嫌いなんてひと言とも言ってない。」
メイタは私の顎をクイッと持ち上げ、私の唇を塞ぐ。
たった1日で愛しくなってしまったこの唇を私は彼の夢のためとはいえ、1週間後に手放すことが出来るのだろうか?
そんな事を思いながらもメイタにしがみ付くのは…もう…メイタを心から愛してしまったからなのかもしれない。
つづく
ただ、抱いて欲しかった。
目の前にいるメイタという男に…
誰でもよかった訳じゃない。
メイタの澄んだ瞳は私を真っ直ぐ見つめ、心穏やかにしてくれることにこの数時間で私は気付いたから。
その目でじっと見つめられた時、私の心の芯が久しぶりに疼き…叫んだ…
それはまるで初めて恋を知った幼き頃のように…
M「…ならさ?俺と…不倫しない?」
S「………する…」
奥深くまで塞がれた唇は少し苦しくて荒々しい。
なのにしがみ付くようにメイタの唇に自ら吸い付くのはもう…自分でもこの欲求を止められないから。
キスの合間に漏れるメイタの吐息が私をさらに女させ夢中にさせる。
早く…早くメイタと一つになりたい。
早く繋がりたい。
頭の中は不思議とそればかりがぐるぐると回り、慌ただしく私たちは服を脱ぎ捨てた。
S「メイタ…」
私がそう名前を呼べばメイタは優しく微笑んで私の身体を撫でる。
M「可愛い…」
お互いの身体をお互いに愛撫で合うその行為は今までに感じたことのないほどの快感で次第に私たちは夢中になっていく。
まだ1つになっていないのにこんなにも快楽が襲うのだろうか?
その指で…
その舌で…
その唇で…
弄ばれるたびに身体が赤く染まり本能のまま乱れ、私たちは一つに繋がった。
M「ねぇ……」
S「ん?」
ベッドの上で抱き合い月明かりに照らされいるメイタの顔を覗き込む。
M「後悔…してない?」
私のこめかみにチュッと口付けを落とし、指先で肩を撫でながらそう問いかけたメイタ。
S「なにが?」
M「俺に抱かれたこと…」
S「…してる…って言ったらどうする?」
M「ん…ホッとするかな…」
S「え?」
私は予想外の言葉に思わず起き上がり、メイタは笑いながら寝そべったままで私はその胸にイタズラにパチンっと叩く。
M「俺が好きになった人はちゃんと旦那さんに愛されてるんだなっと思ってホッとする。だってさ、好きになった人が旦那さんに愛されてないとか…悲しすぎるでしょ?だから、俺とは血迷っただけなんだなって……諦め?みたいなのがつくじゃん?」
S「そんな簡単に私のこと諦められるんだ?」
M「不倫するなんて言ってもさ…実際、俺が諦めるしかないじゃん?…サツキさんは俺が旦那と別れてって言ったら別れてくれる?それとも、サツキさんは東京に戻っても俺と不倫…続けてくれんの?」
メイタのその言葉を聞いて私は思わず唇を噛む。
…メイタ…私…本当は結婚なんてしてないんだよ?
なんて言ったらメイタはどんな顔するのかな?
S「あのね…メイタ…私ね?じ…実は…」
M「誰かのモノだからこんなにサツキさんに惹かれたのかな?もし、サツキさんが独身だったら…ここまで惹かれてなかったのかな…?正直、俺…分からないんだ…なんで今日出会ったばかりの人に夢を捨てても良いって思えるほど惹かれるのか…」
メイタは私の言葉を遮るようにそう言った。
誰かのモノだから…惹かれた…か…
そんな私なんかのために夢を捨ててもいいなんて簡単に言わないで…
S「……夢を叶える為に頑張りすぎて急に目の前にあらわれた私と出会って惹かれてるって…勘違いしてるだけかもしれないよ…落ち着いて考えたら夢を取るよ…私なんかより。」
私はきっとメイタの言葉に少し傷ついた。
結婚してるなんてくだらない嘘をついたのは私の方なのに。
なのにその傷ついた心が皮肉にもメイタへの想いを私に気づかせた。
M「なんでそんな事いうの……?今の俺はサツキさんが関係続けてくれるって言うなら…そんな叶うかどうかも分からない夢…諦めてサツキさんと一緒にいたい……」
そして、夢心地だった私はメイタのその苦しい言葉を聞いて現実に引き戻されていく。
キミはその夢のために今まで頑張ってきたんでしょ?
メイタの正直すぎる目を見れば私には分かる…
本当は夢を諦めるなんてしたくないと心の中では思っている事を…
私なんかのためにその大切な夢…
そんな簡単に諦めるなんて言っちゃダメだよ…
今日出会ったばかりの私なんかのために…
バカな私はすぐ勘違いして本気にしちゃうんだから。
S「もう~そういうの重いって~!!せっかく楽しむために小豆島に旅行きたのに?」
だから、わざと戯けてそう言った…
まるで、メイタとは身体だけ交わればいい軽い女かのように…
そうすればメイタは私なんかのために夢を諦めたりしないでしょ?
M「……だよね…ごめん…」
そう言ってぎこちなく笑うメイタを見てまた、私の胸がギュッと縮こまる。
S「私が小豆島にいる間だけ楽しめばいいじゃん?不倫…ごっこ…」
自分の心がメイタに惹かれていると気付いておきながらこんな心にもない事を平気で言う私はほんと…
ウソツキ。
M「はぁ…マジで最低な女…」
S「…ふふふ…嫌いになった…?」
私は余裕があるなのように嘘くさい笑顔を見せてそういう。
M「最低って言っただけで嫌いなんてひと言とも言ってない。」
メイタは私の顎をクイッと持ち上げ、私の唇を塞ぐ。
たった1日で愛しくなってしまったこの唇を私は彼の夢のためとはいえ、1週間後に手放すことが出来るのだろうか?
そんな事を思いながらもメイタにしがみ付くのは…もう…メイタを心から愛してしまったからなのかもしれない。
つづく
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