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10話
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メイタサイド
翌日
俺はありがたいことに無事に写真展の初日を迎えた。
今日はメディア関係者と知り合いのみの招待だったが、沢山の人たちで会場内は賑わい俺は挨拶周りをしていた。
「メイタ~!」
そう名前を呼ばれ振り返ると、そこにはジンさんと少しお腹がふっくらとし始めたユウキさんが手を繋いで立っていた。
M「2人とも来てくれたんですね!」
J「ありまえだろ~メイタの晴れ舞台を見ないわけにはいかない!!」
M「遠いのに…ユウキさん体調大丈夫だった?」
Y「綺麗なモノみたら胎教にいいってこの人がうるさいから…おめでとうメイタ。」
ユウキさんはそう言ってお腹を撫でて笑っていた。
M「ゆっくり見ていってよ?」
J「あぁ、じゃまた後でね。」
そして、俺はまた関係者方々に挨拶をして回る。
沢山の人たちが笑顔で俺の作品をみている。
俺が望んだ夢はこれだった。
いつか俺の写真をみた誰かが嬉しくなったり楽しくなったりするような写真を撮ること。
…サツキさん…俺…夢叶えたよ…
本当はあなたに1番見て欲しかった。
大きく引き延ばされて壁一面に飾られた俺の代表作の写真に俺は語りかける。
その写真はあの日
サツキさんと行った小豆島の海で撮ったサツキさんの写真。
作品名を「幸福のシルエット」にしたのは俺の素直なサツキさんへの気持ちだったから。
本当は太陽に向かって咲く向日葵のように笑うサツキさんの写真もあったけど、わざとシルエットの写真にしたのは素敵なサツキさんの笑顔を誰にも見せたくなくて、俺の中に閉じ込めて置きたかったから。
すると、その写真をみて俯いている人がいた。
周りのみんなはとても楽しそうで幸せそうなのに…
その人の周りだけ空気が違った。
俺は人混みをかき分けながらその人の元へ向かう。
まるで引力で引き寄せられるかのように…
そして後ろ姿でも気付くんだ…
その人は俺が心から愛してやまない人だって…
M「…サツキさん?」
俺の呼びかけにビクッと肩を振るわけゆっくりと顔を上げる人…
その人は振り返ることなくただその写真を眺めていた。
M「…サツキさんだよね…」
俺はその人の肩を持つと…
S「おめでとう……メイタ…」
目を真っ赤にして涙を潤ませているサツキさんがそこにいた。
M「……サツキさん…」
S「ごめんね…呼ばれてもないのに勝手に来て…」
M「ううん。来てくれて嬉しい…花も送ってくれたでしょ?このサツキ…ありがとう。」
S「へへへ…バレちゃったか…ジンさんがね写真展のこと教えてくれたんだ…」
M「ジンさんとは連絡取ってたんだね?」
S「うん……実はね…メイタ…私……………」
K「先生!!ちょっとよろしいですか!!」
サツキさんの言葉を遮るようにカナタさんが俺の元へ走ってきた。
K「ぁ…お話の途中でしたか…大変申し訳ございません…」
S「いえ、大丈夫です。ごめん忙しいのに…行って…」
M「…サツキさん…あとでゆっくり話せない?」
S「…人…待たせてるから…」
そう言ってサツキさんは俺の前から立ち去っていく。
俺はまた、あの時のように何もできずその後ろ姿をじっと見ていると…
K「先生!!何やってるんですか!!早く!!」
M「あぁごめん…じゃ行こうか…」
K「何言ってるんですか!!違いますよ!!あの人を追いかけるんですよ!!あの人でしょ!?先生が忘れられない人!!ほら、早く!!!」
そう言ってカナタさんは俺の背中を思いっきり押した。
M「…ぇ…あぁうん!!…ごめん……すぐ戻るから!!」
そう言うとカナタさんは親指を立てて微笑んだ。
つづく
翌日
俺はありがたいことに無事に写真展の初日を迎えた。
今日はメディア関係者と知り合いのみの招待だったが、沢山の人たちで会場内は賑わい俺は挨拶周りをしていた。
「メイタ~!」
そう名前を呼ばれ振り返ると、そこにはジンさんと少しお腹がふっくらとし始めたユウキさんが手を繋いで立っていた。
M「2人とも来てくれたんですね!」
J「ありまえだろ~メイタの晴れ舞台を見ないわけにはいかない!!」
M「遠いのに…ユウキさん体調大丈夫だった?」
Y「綺麗なモノみたら胎教にいいってこの人がうるさいから…おめでとうメイタ。」
ユウキさんはそう言ってお腹を撫でて笑っていた。
M「ゆっくり見ていってよ?」
J「あぁ、じゃまた後でね。」
そして、俺はまた関係者方々に挨拶をして回る。
沢山の人たちが笑顔で俺の作品をみている。
俺が望んだ夢はこれだった。
いつか俺の写真をみた誰かが嬉しくなったり楽しくなったりするような写真を撮ること。
…サツキさん…俺…夢叶えたよ…
本当はあなたに1番見て欲しかった。
大きく引き延ばされて壁一面に飾られた俺の代表作の写真に俺は語りかける。
その写真はあの日
サツキさんと行った小豆島の海で撮ったサツキさんの写真。
作品名を「幸福のシルエット」にしたのは俺の素直なサツキさんへの気持ちだったから。
本当は太陽に向かって咲く向日葵のように笑うサツキさんの写真もあったけど、わざとシルエットの写真にしたのは素敵なサツキさんの笑顔を誰にも見せたくなくて、俺の中に閉じ込めて置きたかったから。
すると、その写真をみて俯いている人がいた。
周りのみんなはとても楽しそうで幸せそうなのに…
その人の周りだけ空気が違った。
俺は人混みをかき分けながらその人の元へ向かう。
まるで引力で引き寄せられるかのように…
そして後ろ姿でも気付くんだ…
その人は俺が心から愛してやまない人だって…
M「…サツキさん?」
俺の呼びかけにビクッと肩を振るわけゆっくりと顔を上げる人…
その人は振り返ることなくただその写真を眺めていた。
M「…サツキさんだよね…」
俺はその人の肩を持つと…
S「おめでとう……メイタ…」
目を真っ赤にして涙を潤ませているサツキさんがそこにいた。
M「……サツキさん…」
S「ごめんね…呼ばれてもないのに勝手に来て…」
M「ううん。来てくれて嬉しい…花も送ってくれたでしょ?このサツキ…ありがとう。」
S「へへへ…バレちゃったか…ジンさんがね写真展のこと教えてくれたんだ…」
M「ジンさんとは連絡取ってたんだね?」
S「うん……実はね…メイタ…私……………」
K「先生!!ちょっとよろしいですか!!」
サツキさんの言葉を遮るようにカナタさんが俺の元へ走ってきた。
K「ぁ…お話の途中でしたか…大変申し訳ございません…」
S「いえ、大丈夫です。ごめん忙しいのに…行って…」
M「…サツキさん…あとでゆっくり話せない?」
S「…人…待たせてるから…」
そう言ってサツキさんは俺の前から立ち去っていく。
俺はまた、あの時のように何もできずその後ろ姿をじっと見ていると…
K「先生!!何やってるんですか!!早く!!」
M「あぁごめん…じゃ行こうか…」
K「何言ってるんですか!!違いますよ!!あの人を追いかけるんですよ!!あの人でしょ!?先生が忘れられない人!!ほら、早く!!!」
そう言ってカナタさんは俺の背中を思いっきり押した。
M「…ぇ…あぁうん!!…ごめん……すぐ戻るから!!」
そう言うとカナタさんは親指を立てて微笑んだ。
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