二人の王子様はどっちが私の王様？

46話

アナside

私とユナは決定した衣装を脱いで私服に着替えた。

Y「ねぇ？あのセナって子さ？ジョウキの彼女かな？」

私もそう感じたようにユナも私と同じ事を考えていたようだ。

A「私も思ってた…なんかあの雰囲気そんな感じだったよね？ってかさ？セナさん…初対面なのに私へのあたりちょっとキツくない？勘違いかな？」

私の言葉を聞いたユナは人差し指を顎に付けて考え始めた。 

Y「確かに…アナの事を知ってたとか？」

A「いや、そんなはずはないよ…」

Y「会ったのは初対面でも…もし、ジョウキがアナの話をあの子にしてたら…？もし本当にあの子が彼女だったらアナに妬くんじゃない？自分の彼氏が目の前でその女の子を必死に庇ってら……ねぇ？」

A「…そうだけどさ…」

私がユナの推理に対して若干、口籠るとユナはいつもの笑顔に戻り私の肩を叩いた。

Y「女の恨みは怖いよ！！」

私はユナのその言葉に苦笑いしか返せなかった。

私たちは支度を終え、隣の部屋に行きメンバー達に挨拶しようと扉の前に立つと中から微かに声が聞こえてきてノックする手を止めた。

M「うん…俺さ見てられなかった…アナちゃんの事…」

やっぱりそうだよね。

あんなアザ見せちゃってマハロに気まずい思いさせちゃったな…？そう思うと私の胸がチクリと痛んだ。

すると中からトウヤの怒鳴り声が響き渡り私とユナは顔を見合わせる。

T「それどういう意味だ？こらぁ！？」

H「やめろ！」

M「だってそうだろ？アザを見られる事よりも見た相手が不愉快な気持ちなるんじゃないかって思ってたって！そんな事言われたら俺がした表情もアナちゃんを傷付けしまったんじゃねぇかと思って…申し訳なくて顔もアナちゃんのみれなかったよ…」

私はマハロのその言葉を聞いて少しほっとしと同時に温かい気持ちになり小声でユナに伝えた。

A「マハロってさ…本当に優しくていい男だね？」

私がそう言いながらユナを肘で突っつく。

Y「あ…当たり前じゃん！？今更気づいたわけ？」

ユナは少し照れた様子で勢いよく扉をノックした。

トントン！

Y「失礼しま～す！」

ユナは中から返事が聞こえる前にそう言いながら扉を開けて中へ入って言った。

ユナも動揺してたのかな？そう思いながら私もユナの後に続いて部屋の中へと入る。

J「返事聞いてから入れよな。」

Y「いちいちジョウキはうるさい！」

J「はぁん！？おい！ユナ！俺とやんのか…！」

ジョウキの本気なのか冗談なのか分からない絡み方をユナは完全に無視をしてマハロのそばに行った。

すると、マハロは私の顔を見るなり突然、立ち上がり言った。

M「アナちゃん…もし、俺がした表情でアナちゃんを傷付けてしまったのなら本当にごめんね…」

そう言ってマハロは頭を下げ、私はそんな気持ちにさせてしまった事がまた、申し訳なく感じる。　

A「そんな風に思ってくれてありがとう…傷ついてないよ…私こそ色々とごめんね…？」

私もそう言って頭を下げた。


つづく