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15話
しおりを挟むテリが目を覚ますと見覚えのある真っ白な天井が見え、視線を下ろすと腕には点滴の針が通されていました。
「目覚めたんだね…もう、3日間も眠ってたんだよ…?」
そう声のする方をみるとそこにはジノが白衣を来て座っていました。
T「カイが…!!」
テリはまた、取り乱しジノがテリを優しく抱きしめて落ち着かせます。
JN「カイは大丈夫…怪我したみたいだけど命に別状はないから…安心しな。」
ジノのその言葉によってテリは落ち着きを取り戻しました。
T「な…なんで私はここに…」
JN「うん…テリを連れ去るよう命令した人がここに連れて来るよう言ったんだって。俺とユキにテリが逃げ出さないよう見張るよう…指示を出して行ったよ…」
T「もしかして…指示を出したのって…ジヨ…?」
JN「うん……ジヨは俺たちとテリが知り合いだと気づいてない。だから今ならまだ間に合うよ?」
T「え?」
JN「なぁ…テリ…どうしたい?ここのまま知らない顔をしてテリを連れ去るよう命令を出したジヨと一緒にいるのか…地位も名誉も全てを失ったカイの元に行くか…どちらを選んでもテリにとっては辛い選択になるだろうけど…」
T「私はカイのそばにいたい…けど…こんな事になって私がカイのそばにいるとやっぱり、カイは不幸になるのかもしれない…」
テリがそういうと壁にもたれ掛かるようにして立っていたユキがテリに言いました。
Y「不幸かどうかは本人が決めることでしょ?周りから見れば不幸でも、本人にとってみればそれが幸せかもしれない…」
T「……会いたい…けど…」
JN「けどなんて言ってたらね…本当に幸せ…逃してしまうんだよ?テリも覚悟決めてカイと海外に逃げるつもりだったんだろ?なら、行こう?カイに会いに…」
T「でも…もし…私を逃した事がジヨにバレたらジノさんとユキさんは…どうなるの?」
JN「それは…その時考えよ?俺たちはテリが心配するほど弱くないよ?」
そうして、テリはジノとユキと一緒にカイのいる病院に向かいます。
以前、ここに勤務していたジノとユキは周りの医師たちから一目を置かれ、深々と頭を下げられるほどのキャリアでした。
そして、ふたりはそれを軽く交わしながらカイのいる特別室へと向かいました。
JN「ここにカイがいるってさ…俺たち外で待ってようか?」
T「一緒に…来てもらえますか…?」
テリのその言葉によりジノとユキも一緒にカイの部屋に入りました。
カラカラと音を鳴らしゆっくりと扉を開けると、そこには笑顔で出迎える元気そうなカイの姿がありました。
テリはカイのそんな姿にほっと胸を撫で下ろしらカイのそばに駆け寄ります。
K「ジノ兄さん達来てくれたんだ~心配かけてごめん!!」
JN「ほんと、心配かけすぎたぞ。」
Y「あと面倒もね。」
T「良かった…カイの怪我が大した事なくて…」
テリがそう言ってカイの手を握るとカイは驚いた顔の後に眉間にシワを作り、テリのその手を不愉快そうに強く振り払いました。
K「誰?この人…」
カイのその言葉に3人は固まり、テリの手がプルプルと震えます。
JN「な…何言ってんだよテリだろ!!」
K「いや、俺知らないし…こんな人…初めましてだよ?」
カイはそう言って下を向くテリの顔を覗き込みます。
すると、そこにアヨが扉を開けて入ってきました。
アヨはハッとした顔をしてテリから目を逸らしました。
K「アヨ~!遅いな!婚約者なのに俺のこと心配じゃないのかよお前は!」
カイはそう言ってアヨの腰に巻きつきアヨに甘えて微笑みます。
A「ごめんね…ちょっとバタバタしてて…」
K「許さん。今日、病室に泊まれよ…1人じゃ寂しくて眠れない…いつもお前がギュって俺のこと抱きしめて眠るからそれに慣れちゃったのかな?」
A「ぇ…?あぁ…そうだったかな?」
テリはそんなふたりのやり取りに耐えられず、涙をこぼしながら病室を飛び出しユキがそのあとをすぐに追いかけました。
K「あの人なんなんだよ…勝手に人の病室に来て手握ってきて帰るなんて…失礼な女。」
JN「俺たちやっぱり帰るね?」
A「あ…外までお見送りしてくるからカイ…大人しくここで待ってて。」
ジノはその場を誤魔化すようにして部屋を出ようとするとアヨもジノの後を追いかけました。
つづく
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