ぼくはキミの守護霊さま。

樺純

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第三話

事務所を出て周りをキョロキョロと見渡すと所属しているアイドルたちの出待ちファンがいて私は下を向き足早に駅へと向かう。

幸いなことに事務所も自宅も駅が近いというのがありがたい。

人の多い改札をくぐり電車に乗って最寄駅へと私は向かった。

慣れない挨拶周りで疲れていたのか私は電車の中でウトウトしてしまい、あっという間に最寄駅につき乗り過ごしてしまいそうになりながら慌てて電車を降りた。

人並みに沿って歩き改札を出るとまた、背筋がゾっとした。

沢山の人が行き交うなか私はその不気味な雰囲気をどこから感じているのか分からない。

あぁ…やっぱりなんかヤだな…

そう思った私が小走りで改札から走っているとドタドタと後ろからまた、何者かがついてくる足音が聞こえて私は血の気が引く。

やっぱり…やっぱり…勘違いなんかじゃなかった。

曲がり角にあるカーブミラー越しに後ろを確認するとフードを被った黒尽くめの男がいて、それを見てしまった私はハッとし息が止まりそうになりながら走る。

どうしよう…

そう気持ちばかりが焦り足が絡まって上手く走れない。

怖い…怖いよ…

あまりの恐怖から普段なら躓かないはずの小さな段差に躓き、私はバランスを崩して跪くようにして転んだ。

やばい……

そう思いながら震える足で立ちあがろうとすると、後ろから思いっきり肩を掴まれた私は思わずその場で叫んだ。

K「ぎゃぁぁぁぁあーーーー!!」

どうしよう…

後ろには絶対にあの鏡に映っていたあいつがいる…

もうマジでなんなのよ…

怖いよ…誰か助けて…

目をぎゅっとつむりそう頭の中で唱えていると…

私の叫び声に対してなんの反応もない事に気付いた私はゆっくりと後ろを振り返った。

K「あれ…?」

すると、そこには驚いた顔をした真中さんがポカンとした顔で私を見ていて、私はホッと胸を撫でおろす。

H「だ…大丈夫ですか?定期…駅で落とされたんで…追いかけてきたんですけど…」

真中さんはそう言いながら私の腕を手に取りゆっくりと立ち上がらせてくれ、転んだ弾みで散らばってしまった鞄の中身を一緒に片付けてくれた。

K「あ…ありがとうございます。」

H「なにか…ありました?すごく怯えてるように見えたんですけど…」

そう言った真中さんの背後が気になりチラッとそちらに目をやると、そこには鏡に写っていた黒尽くめの男が私に向かってレンズを向けている。

K「実は…盗撮被害に遭ってて…今も真中さんの後ろで私にレンズ向けてます…」

H「えぇ!?……分かりました…行きましょう。」

K「え?」

真中さんは戸惑う私をよそに私の背中にそっと手を回し寄り添うように歩き出す。

K「あの…」

H「大丈夫…俺に任せて。」

そう言って向かった先は初めて生で見たラブホテル街で、自分の家の近くにこんな所があるなんて知らなかった私は驚きキョロキョロと見渡しながら歩く。

K「ちょ…ちょっとここ…」

H「まだ付いてきてるな…諦めの悪いストーカーですね。ちょっと失礼しますね?」

そう言って真中さんは私の手に指を絡めて私は思わず…ひゃ…っとまるで少女みたいな声を出した。

すると、真中さんはクルッと方向転換をし私の手を引いて歩きはじめ、私も真中さんに黙ってついていくとなんと、真中さんは男の前に立ち止まった。

H「あの…さっきから俺たちに付いてきてますよね?何かご用ですか?」

真中さんは冷静な声で男にそう言うと男はオドオドと焦りだし手に持っているカメラがガタガタと震えていた。

「え…ぁ…いや…その…付いてきてなんかないです!たまたまここを通りかかっただけです…」

H「1人でラブホテル街に?」

「そ…そんなの俺の自由だろうが!?」

男が私たちの前から立ち去ろうとしたその時…

男のカメラの紐が横にある枝に引っかかりカメラが地面にガチャンと音を立てて落ちた。

「ぁ…」

男が慌てて拾い上げようとするカメラを先にスッと簡単に拾い上げた真中さんはカメラの液晶モニターを見るとみるみるうちに顔色が変わり怒りに満ちた顔になった。

H「これ…どういうことですか?」

そう言って真中さんは男にモニターを見せると男は焦った顔してその場から逃げ去ろうとし、真中さんは手慣れた動作でその男を後ろから羽交い締めにして捕まえた。

H「逃げるなんて俺が許さない。」

「すいません…た…頼まれたんです…」

H「頼まれた…?とりあえず行くぞ。」

頼まれた…その言葉がさらに私を恐怖という闇へと引きずり落とす。

私を盗撮するように第三者がこの男に依頼したってこと…?

真中さんは男の首根っこを掴み引きずるようにして歩き出すが私は呆然として動けない。

H「山城さん、大丈夫ですよ…行きましょう…」

あまりの恐怖で動けなくなってしまった私に真中さんは優しく微笑みかけてくれると不思議と俺は落ち着きを取り戻し、私は真中さんの後ろについて行った。

つづく
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