ぼくはキミの守護霊さま。

樺純

文字の大きさ
24 / 39

第二十四話

山城コトハサイド

K「幽霊でも……お腹すくんだね…」

真中さんがお腹をすかせていると知った私は緑と紫の水晶が入ったブレスレットを外しテーブルに置くと、手を洗い仕方なくラーメンを作ってあげた。

てっきり、幽霊になったらお供えする事はあってもご飯を食べることなんて出来ないと思っていたが真中さんはモリモリとそのラーメンを食べていて、私は真中さんが食べている姿を見つめながらスマホで動画を撮影しながら考える。

ジョウには全く見えなくて、昔から霊感の強かったニジスケくんとヨウアちゃんは真中さんを見て幽霊だと言った。

しかし、真中さんは昨日まで元気に生きていて私も真中さんと会っていた。

真中さんにもしもの事があったとしたなら私と会ったその後で…

この数時間で一体、真中さんの身に何が起きたというのだろう?

真中さんの家に行っても誰も出てくる気配はないし、真中さんの魂は私の横にいるとしても真中さんの体は今、一体どこにあるのだろ?

家?病院?警察?それともまだ誰にも気づかれていない場所?

そう思ったらなんとしても私が真中さんを見つけてあげなきゃと思った。

そして、私は真中さんがラーメンを啜っている動画をニジスケくんとヨウアちゃん、そしてジョウのグループトークに送る。

K「幽霊だから供えるだけでいいと思っていたらご飯食べるみたいなんだけど」

J「え…なんも見えないけど…」

N「何言ってんの美味しそうに食べてるじゃん」

Y「ほっぺにネギ付けて食べてる」

J「え…全く見えない」

K「美味しそうにハフハフ言って食べてるよ」

J「なんで俺だけ見えないの!?」

いつの間にかスマホの中のみんなの反応を見ながら微笑む余裕が私の中にできてきた。

H「なに笑ってるんですか…?」

真中さんは自分だけが仲間外れになっているのが少し気に入らないのか、前でラーメンを啜りながら少し不満そうな顔をしている。

K「ジョウだけが真中さんのこと見えないって騒いでるからつい面白くて。」

そう言うと真中さんは食べるのをやめ下を向く。

H「でもなんで俺…死んじゃったんだろ…しかもこうやって彷徨って山城さんに迷惑かけて…なんで成仏できないんだろ…俺がやり残したことってなんだろ……いや、沢山あるっちゃあるけど……」

真中さんがそう話しているとニジスケくんから電話が掛かってきたが、目の前でそう塞ぎ込む真中さんを放っておく事ができず、私はニジスケくんの着信を取らないでいた。

すると、真中さんはその電話に気づいた。

H「出て…電話……」

消えてしまいそうな声でそう言う真中さんにごめんねと言いながら私はスマホを取る。

K「もしもし?」

N「さっきの動画…ツカサに見せたんだけどさ……とりあえず明日、寺に行こう。」

K「え?」

N「ツカサ曰く…悪いモノをあの動画から感じたって…このまま放っておいたらコトハの身まで危なくなる悪霊かもしれないって…俺にはそう感じなかったけど住職のツカサが言うなら間違いないと思うよ。」

スマホから聞こえるニジスケくんのゾッとする言葉を聞きながら、私は真中さんを見ると真中さんは少し落ち込んだ顔をしてラーメンを啜っている。

この真中さんが悪霊…?

そんなわけない……そんなはずがないじゃん。

確かに幽霊になってしまったのには何か理由がある。

でも…だからって…

不審者から私を守って警察まで一緒に行ってくれた優しい真中さんが悪霊になって私の身を危うくするなんてありえない。

真中さんをじっと見つめているとゾッと背筋が凍り私は咄嗟に後ろを振り返った。

しかし、そこには何もなくてホッと真中さんの方を向き直すと、真中さんは呆然とした顔をして私が見ていた同じ所を見ていた。

N「コトハ?コトハ!聞こえてる?」

スマホの向こうからニジスケくんに呼びかけられた私は電話に意識を戻した。

K「ニジスケくんごめん…寺には…行かない…」

私はそう言うとニジスケくんからの着信を切り、未だ呆然としている真中さんの前に手を出し左右に振る。

K「真中さん?ぼーっとしてどうしたの?」

私の呼びかけによって真中さんは我に変えると微かに震えていた。

K「真中さん?本当にどうしたの?」

私は真中さんの元に近寄り、咄嗟に真中さんの肩に触れようとすると…

バチンッ!!!!!!

また、手が弾き飛ばされるように激痛が走った。

つづく
感想 0

あなたにおすすめの小説

<完結>金貨5000枚で売られた王太子妃

ぜらちん黒糖
恋愛
​「愛している。必ず迎えに行くから待っていてくれ」 ​甘い言葉を信じて、隣国へ「人質」となった王太子妃イザベラ。 旅立ちの前の晩、二人は愛し合い、イザベラのお腹には新しい命が宿った。すぐに夫に知らせた イザベラだったが、夫から届いた返信は、信じられない内容だった。 「それは本当に私の子供なのか?」

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

将来の嫁ぎ先は確保済みです……が?!

翠月 瑠々奈
恋愛
ある日階段から落ちて、とある物語を思い出した。 侯爵令息と男爵令嬢の秘密の恋…みたいな。 そしてここが、その話を基にした世界に酷似していることに気づく。 私は主人公の婚約者。話の流れからすれば破棄されることになる。 この歳で婚約破棄なんてされたら、名に傷が付く。 それでは次の結婚は望めない。 その前に、同じ前世の記憶がある男性との婚姻話を水面下で進めましょうか。

復讐のための五つの方法

炭田おと
恋愛
 皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。  それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。  グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。  72話で完結です。

都合のいい女をやめた日、私は空へ戻る

凪ノ
恋愛
自他ともに認める禁欲主義の御曹司と付き合って四年目、彼は今もなお、彼女を拒んでいた。 そこで小林時絵(こばやし ときえ)は母親に電話をかけた。 「お母さん、前に言ってたパイロットの面接、もう手配してもらえる?」 電話の向こうで、時絵の母は驚きを隠せなかった。 「本当なの?でも、海浜市に残って結婚するって言ってたじゃない……あんなに好きだったパイロットの仕事も全部諦めたんじゃなかったの?」 薄暗い光の中、彼が夢中でその女に手を伸ばし、理性を失っていく彼の姿を眺めながら── 時絵は自嘲的に笑った。 ──H市に戻れば、また自分のキャリアを取り戻せる。 これからはまた、大空を自由に飛ぶパイロット、小林時絵として生きていく。 不倫に溺れた……惨めな女なんかじゃなくて……

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

偽りの愛の終焉〜サレ妻アイナの冷徹な断罪〜

紅葉山参
恋愛
貧しいけれど、愛と笑顔に満ちた生活。それが、私(アイナ)が夫と築き上げた全てだと思っていた。築40年のボロアパートの一室。安いスーパーの食材。それでも、あの人の「愛してる」の言葉一つで、アイナは満たされていた。 しかし、些細な変化が、穏やかな日々にヒビを入れる。 私の配偶者の帰宅時間が遅くなった。仕事のメールだと誤魔化す、頻繁に確認されるスマートフォン。その違和感の正体が、アイナのすぐそばにいた。 近所に住むシンママのユリエ。彼女の愛らしい笑顔の裏に、私の全てを奪う魔女の顔が隠されていた。夫とユリエの、不貞の証拠を握ったアイナの心は、凍てつく怒りに支配される。 泣き崩れるだけの弱々しい妻は、もういない。 私は、彼と彼女が築いた「偽りの愛」を、社会的な地獄へと突き落とす、冷徹な復讐を誓う。一歩ずつ、緻密に、二人からすべてを奪い尽くす、断罪の物語。

触れられないはずの私が、ただ一人の彼にだけ心も体も許してしまいました

由香
恋愛
男性に触れられると体調を崩す令嬢リリア。 そんな彼女にとって唯一“触れられる”存在は――幼なじみの公爵令息レオンだけだった。 手を取られ、抱き寄せられ、当たり前のように触れられる日々。 それがどれほど特別なことなのか、彼女はまだ知らない。 やがて政略結婚の話が持ち上がり、“触れられない相手との結婚”か、“彼に触れられる人生”かを選ぶことに。 「お前に触れていいのは俺だけだ」 逃げ場のない独占と、甘すぎる溺愛。 これは、触れられないはずの少女が、ただ一人にだけすべてを許していく物語。