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第二十六話
真中ハヤテサイド
山城さんが俺に告り逃げして俺も好き!!と言おうとしたのに山城さんは部屋に閉じこもり出てきてはくれなかった。
近所の目もあるし明日また、ケーキでも買って行って山城さんのお家を訪れてみよう。
そう思っていたがふと、手首を見るといつもお守りとしてつけていた紫色と緑色の水晶がついたブレスレットがなくなっている事に気づいた。
そのブレスレットは俺がボディーガードという仕事を始める時に田舎にいる祖母が俺の身を心配して寺でお守りとして買ってきてくれた大切なブレスレット。
家の中を探してもそのブレスレットは見当たらず、ずっと家にいた俺が落とすとしたらさっき山城さんを追いかけた時だと思い、玄関を出て廊下を探していると…
ガチャっと山城さんのお向かいさんの部屋の扉が開き、俺は邪魔にならないように少し廊下の横に寄ってお向かいさんに頭を下げた。
はず……
なのに次に気がついた時には俺はなぜか自分のマンションの前に立っていて、俺はなぜここにいるのか何も覚えてなかった。
動こうとしても俺は動く事ができず、何がどうなってるのかさっぱり分からない。
必死になって俺は目の前を通る人たちに声をかけて動けずにいる事を必死に伝えるが、まるで俺のことが見えないかのように通り過ぎていく。
どんなに大声で呼びかけても誰一人として俺に気づいてくれる人はいなくて…
半分心が折れかかった時。
俺はダメ元で声をかけた…それが山城さんだった。
なぜ自分がこんな事になっているのか?状況を把握するのだけでも精一杯なのに俺はなぜか自分の意思とは関係なく山城さんの元に身体が勝手に付いていってしまう。
そんな現象からもしかして…と思ってはいたが認める事が出来ずにいた俺はそんな事あるはずがないと自分を言い聞かせていた。
しかし、ニジスケさんという山城さんの友人から死んだそう言われた時、やはり、この不思議な現象は俺が死んだから起きていることなんだと妙に納得している自分もいた。
ドキドキと動き出す俺の心臓はまだ生きてるんじゃないかと思うほどリアルで自分の体温さえ感じたがそれも思い違い。
しかし、山城さんは俺をお祓いするという手もあるはずなのにみんなの反対を押しきり俺をそばに置いてくれた。
その心地よさを俺はずっと前から知ってるかのようで、俺に優しく微笑む山城さんを見たらホッとしたのか俺は空腹に襲わられた。
山城さんは今回は逆だねなんて言いながら初めて会った日の話をしながら立ち上がり、手首に付けていた俺のブレスレットを外しテーブルに置くとラーメンを作りにいってくれた。
そのあたりからだろうか?
この部屋の中で違和感あるとてつもない重い空気を感じ始めたのは。
俺はその空気の正体が分からず気にしないようにしていた。
山城さんは笑顔でラーメンを俺の前に出してくれ、俺は熱々のラーメンを啜る。
山城さんはさっき来ていたニジスケさんという人と電話をしていて俺がラーメンを啜っていると、山城さんの背後に苦しいほどの殺気を感じ、視線を上げるとそこにはどこか見覚えのある男が立っていて俺はゾッとした。
K「ニジスケくんごめん…寺には…行かない…」
山城さんはニジスケさんに寺に行く事を勧められたのかそれを断り俺の前に手を出し左右に振る。
K「真中さん?ぼーっとしてどうしたの?体調悪い?」
山城さんはそう言って俺の元に近寄り俺の肩に触れようとすると…
バチンッ!!!!!!
鬼のような顔をしたその男がいつの間にか山城さんの横に来ていて、山城さんの腕をギュッと握っていた。
K「い…痛ぃ……」
H「山城さん!!」
咄嗟にその男の手から山城さんの腕を離させようと手を伸ばしかけたが、俺の様子をみたその男がさらに山城さんの腕を強く握り潰しそうな勢いだったので俺は伸ばしかけた手をやめ、拳をギュッと握った。
どうすることもできない俺に山城さんは心配させまいと笑顔を見せる。
K「だ…大丈夫だよ…」
H「大丈夫なわけ…ないじゃん…色変わってるのに…」
男に握られている腕は益々色が変色していく。
K「なに…これ…もしかして…真中さんは…俺には見えない何かが…見えてる…?」
俺がいるだけでも恐怖と不安を与えているというのに、得体の知らない強い殺気を持つ男が側にいるなんて山城さんに伝えてしまえば、さらに山城さんを恐怖へと引きずり込んでしまうに違いない。
K「ねぇ…真中さん…?」
そんな現実を言えずにいるとリビングのスタンドライトがパリンッ!!と音を立てて割れキッチンの照明がピカピカと点滅する。
K「…ぇ!なに…怖い…!!」
山城さんはパニックになり泣きそうになりながらテーブルの上に置いていた俺のブレスレットを手に取ると、不思議とその男はスッと消え、俺は部屋中を見渡し影を探した。
つづく
山城さんが俺に告り逃げして俺も好き!!と言おうとしたのに山城さんは部屋に閉じこもり出てきてはくれなかった。
近所の目もあるし明日また、ケーキでも買って行って山城さんのお家を訪れてみよう。
そう思っていたがふと、手首を見るといつもお守りとしてつけていた紫色と緑色の水晶がついたブレスレットがなくなっている事に気づいた。
そのブレスレットは俺がボディーガードという仕事を始める時に田舎にいる祖母が俺の身を心配して寺でお守りとして買ってきてくれた大切なブレスレット。
家の中を探してもそのブレスレットは見当たらず、ずっと家にいた俺が落とすとしたらさっき山城さんを追いかけた時だと思い、玄関を出て廊下を探していると…
ガチャっと山城さんのお向かいさんの部屋の扉が開き、俺は邪魔にならないように少し廊下の横に寄ってお向かいさんに頭を下げた。
はず……
なのに次に気がついた時には俺はなぜか自分のマンションの前に立っていて、俺はなぜここにいるのか何も覚えてなかった。
動こうとしても俺は動く事ができず、何がどうなってるのかさっぱり分からない。
必死になって俺は目の前を通る人たちに声をかけて動けずにいる事を必死に伝えるが、まるで俺のことが見えないかのように通り過ぎていく。
どんなに大声で呼びかけても誰一人として俺に気づいてくれる人はいなくて…
半分心が折れかかった時。
俺はダメ元で声をかけた…それが山城さんだった。
なぜ自分がこんな事になっているのか?状況を把握するのだけでも精一杯なのに俺はなぜか自分の意思とは関係なく山城さんの元に身体が勝手に付いていってしまう。
そんな現象からもしかして…と思ってはいたが認める事が出来ずにいた俺はそんな事あるはずがないと自分を言い聞かせていた。
しかし、ニジスケさんという山城さんの友人から死んだそう言われた時、やはり、この不思議な現象は俺が死んだから起きていることなんだと妙に納得している自分もいた。
ドキドキと動き出す俺の心臓はまだ生きてるんじゃないかと思うほどリアルで自分の体温さえ感じたがそれも思い違い。
しかし、山城さんは俺をお祓いするという手もあるはずなのにみんなの反対を押しきり俺をそばに置いてくれた。
その心地よさを俺はずっと前から知ってるかのようで、俺に優しく微笑む山城さんを見たらホッとしたのか俺は空腹に襲わられた。
山城さんは今回は逆だねなんて言いながら初めて会った日の話をしながら立ち上がり、手首に付けていた俺のブレスレットを外しテーブルに置くとラーメンを作りにいってくれた。
そのあたりからだろうか?
この部屋の中で違和感あるとてつもない重い空気を感じ始めたのは。
俺はその空気の正体が分からず気にしないようにしていた。
山城さんは笑顔でラーメンを俺の前に出してくれ、俺は熱々のラーメンを啜る。
山城さんはさっき来ていたニジスケさんという人と電話をしていて俺がラーメンを啜っていると、山城さんの背後に苦しいほどの殺気を感じ、視線を上げるとそこにはどこか見覚えのある男が立っていて俺はゾッとした。
K「ニジスケくんごめん…寺には…行かない…」
山城さんはニジスケさんに寺に行く事を勧められたのかそれを断り俺の前に手を出し左右に振る。
K「真中さん?ぼーっとしてどうしたの?体調悪い?」
山城さんはそう言って俺の元に近寄り俺の肩に触れようとすると…
バチンッ!!!!!!
鬼のような顔をしたその男がいつの間にか山城さんの横に来ていて、山城さんの腕をギュッと握っていた。
K「い…痛ぃ……」
H「山城さん!!」
咄嗟にその男の手から山城さんの腕を離させようと手を伸ばしかけたが、俺の様子をみたその男がさらに山城さんの腕を強く握り潰しそうな勢いだったので俺は伸ばしかけた手をやめ、拳をギュッと握った。
どうすることもできない俺に山城さんは心配させまいと笑顔を見せる。
K「だ…大丈夫だよ…」
H「大丈夫なわけ…ないじゃん…色変わってるのに…」
男に握られている腕は益々色が変色していく。
K「なに…これ…もしかして…真中さんは…俺には見えない何かが…見えてる…?」
俺がいるだけでも恐怖と不安を与えているというのに、得体の知らない強い殺気を持つ男が側にいるなんて山城さんに伝えてしまえば、さらに山城さんを恐怖へと引きずり込んでしまうに違いない。
K「ねぇ…真中さん…?」
そんな現実を言えずにいるとリビングのスタンドライトがパリンッ!!と音を立てて割れキッチンの照明がピカピカと点滅する。
K「…ぇ!なに…怖い…!!」
山城さんはパニックになり泣きそうになりながらテーブルの上に置いていた俺のブレスレットを手に取ると、不思議とその男はスッと消え、俺は部屋中を見渡し影を探した。
つづく
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