ぼくはキミの守護霊さま。

樺純

文字の大きさ
26 / 39

第二十六話

真中ハヤテサイド

山城さんが俺に告り逃げして俺も好き!!と言おうとしたのに山城さんは部屋に閉じこもり出てきてはくれなかった。

近所の目もあるし明日また、ケーキでも買って行って山城さんのお家を訪れてみよう。

そう思っていたがふと、手首を見るといつもお守りとしてつけていた紫色と緑色の水晶がついたブレスレットがなくなっている事に気づいた。

そのブレスレットは俺がボディーガードという仕事を始める時に田舎にいる祖母が俺の身を心配して寺でお守りとして買ってきてくれた大切なブレスレット。

家の中を探してもそのブレスレットは見当たらず、ずっと家にいた俺が落とすとしたらさっき山城さんを追いかけた時だと思い、玄関を出て廊下を探していると…

ガチャっと山城さんのお向かいさんの部屋の扉が開き、俺は邪魔にならないように少し廊下の横に寄ってお向かいさんに頭を下げた。

はず……

なのに次に気がついた時には俺はなぜか自分のマンションの前に立っていて、俺はなぜここにいるのか何も覚えてなかった。

動こうとしても俺は動く事ができず、何がどうなってるのかさっぱり分からない。

必死になって俺は目の前を通る人たちに声をかけて動けずにいる事を必死に伝えるが、まるで俺のことが見えないかのように通り過ぎていく。

どんなに大声で呼びかけても誰一人として俺に気づいてくれる人はいなくて…

半分心が折れかかった時。

俺はダメ元で声をかけた…それが山城さんだった。

なぜ自分がこんな事になっているのか?状況を把握するのだけでも精一杯なのに俺はなぜか自分の意思とは関係なく山城さんの元に身体が勝手に付いていってしまう。

そんな現象からもしかして…と思ってはいたが認める事が出来ずにいた俺はそんな事あるはずがないと自分を言い聞かせていた。

しかし、ニジスケさんという山城さんの友人から死んだそう言われた時、やはり、この不思議な現象は俺が死んだから起きていることなんだと妙に納得している自分もいた。

ドキドキと動き出す俺の心臓はまだ生きてるんじゃないかと思うほどリアルで自分の体温さえ感じたがそれも思い違い。

しかし、山城さんは俺をお祓いするという手もあるはずなのにみんなの反対を押しきり俺をそばに置いてくれた。

その心地よさを俺はずっと前から知ってるかのようで、俺に優しく微笑む山城さんを見たらホッとしたのか俺は空腹に襲わられた。

山城さんは今回は逆だねなんて言いながら初めて会った日の話をしながら立ち上がり、手首に付けていた俺のブレスレットを外しテーブルに置くとラーメンを作りにいってくれた。

そのあたりからだろうか?

この部屋の中で違和感あるとてつもない重い空気を感じ始めたのは。

俺はその空気の正体が分からず気にしないようにしていた。

山城さんは笑顔でラーメンを俺の前に出してくれ、俺は熱々のラーメンを啜る。

山城さんはさっき来ていたニジスケさんという人と電話をしていて俺がラーメンを啜っていると、山城さんの背後に苦しいほどの殺気を感じ、視線を上げるとそこにはどこか見覚えのある男が立っていて俺はゾッとした。

K「ニジスケくんごめん…寺には…行かない…」

山城さんはニジスケさんに寺に行く事を勧められたのかそれを断り俺の前に手を出し左右に振る。

K「真中さん?ぼーっとしてどうしたの?体調悪い?」

山城さんはそう言って俺の元に近寄り俺の肩に触れようとすると…

バチンッ!!!!!!

鬼のような顔をしたその男がいつの間にか山城さんの横に来ていて、山城さんの腕をギュッと握っていた。

K「い…痛ぃ……」

H「山城さん!!」

咄嗟にその男の手から山城さんの腕を離させようと手を伸ばしかけたが、俺の様子をみたその男がさらに山城さんの腕を強く握り潰しそうな勢いだったので俺は伸ばしかけた手をやめ、拳をギュッと握った。

どうすることもできない俺に山城さんは心配させまいと笑顔を見せる。

K「だ…大丈夫だよ…」

H「大丈夫なわけ…ないじゃん…色変わってるのに…」

男に握られている腕は益々色が変色していく。

K「なに…これ…もしかして…真中さんは…俺には見えない何かが…見えてる…?」

俺がいるだけでも恐怖と不安を与えているというのに、得体の知らない強い殺気を持つ男が側にいるなんて山城さんに伝えてしまえば、さらに山城さんを恐怖へと引きずり込んでしまうに違いない。

K「ねぇ…真中さん…?」

そんな現実を言えずにいるとリビングのスタンドライトがパリンッ!!と音を立てて割れキッチンの照明がピカピカと点滅する。

K「…ぇ!なに…怖い…!!」

山城さんはパニックになり泣きそうになりながらテーブルの上に置いていた俺のブレスレットを手に取ると、不思議とその男はスッと消え、俺は部屋中を見渡し影を探した。

つづく
感想 0

あなたにおすすめの小説

<完結>金貨5000枚で売られた王太子妃

ぜらちん黒糖
恋愛
​「愛している。必ず迎えに行くから待っていてくれ」 ​甘い言葉を信じて、隣国へ「人質」となった王太子妃イザベラ。 旅立ちの前の晩、二人は愛し合い、イザベラのお腹には新しい命が宿った。すぐに夫に知らせた イザベラだったが、夫から届いた返信は、信じられない内容だった。 「それは本当に私の子供なのか?」

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

将来の嫁ぎ先は確保済みです……が?!

翠月 瑠々奈
恋愛
ある日階段から落ちて、とある物語を思い出した。 侯爵令息と男爵令嬢の秘密の恋…みたいな。 そしてここが、その話を基にした世界に酷似していることに気づく。 私は主人公の婚約者。話の流れからすれば破棄されることになる。 この歳で婚約破棄なんてされたら、名に傷が付く。 それでは次の結婚は望めない。 その前に、同じ前世の記憶がある男性との婚姻話を水面下で進めましょうか。

復讐のための五つの方法

炭田おと
恋愛
 皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。  それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。  グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。  72話で完結です。

都合のいい女をやめた日、私は空へ戻る

凪ノ
恋愛
自他ともに認める禁欲主義の御曹司と付き合って四年目、彼は今もなお、彼女を拒んでいた。 そこで小林時絵(こばやし ときえ)は母親に電話をかけた。 「お母さん、前に言ってたパイロットの面接、もう手配してもらえる?」 電話の向こうで、時絵の母は驚きを隠せなかった。 「本当なの?でも、海浜市に残って結婚するって言ってたじゃない……あんなに好きだったパイロットの仕事も全部諦めたんじゃなかったの?」 薄暗い光の中、彼が夢中でその女に手を伸ばし、理性を失っていく彼の姿を眺めながら── 時絵は自嘲的に笑った。 ──H市に戻れば、また自分のキャリアを取り戻せる。 これからはまた、大空を自由に飛ぶパイロット、小林時絵として生きていく。 不倫に溺れた……惨めな女なんかじゃなくて……

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

偽りの愛の終焉〜サレ妻アイナの冷徹な断罪〜

紅葉山参
恋愛
貧しいけれど、愛と笑顔に満ちた生活。それが、私(アイナ)が夫と築き上げた全てだと思っていた。築40年のボロアパートの一室。安いスーパーの食材。それでも、あの人の「愛してる」の言葉一つで、アイナは満たされていた。 しかし、些細な変化が、穏やかな日々にヒビを入れる。 私の配偶者の帰宅時間が遅くなった。仕事のメールだと誤魔化す、頻繁に確認されるスマートフォン。その違和感の正体が、アイナのすぐそばにいた。 近所に住むシンママのユリエ。彼女の愛らしい笑顔の裏に、私の全てを奪う魔女の顔が隠されていた。夫とユリエの、不貞の証拠を握ったアイナの心は、凍てつく怒りに支配される。 泣き崩れるだけの弱々しい妻は、もういない。 私は、彼と彼女が築いた「偽りの愛」を、社会的な地獄へと突き落とす、冷徹な復讐を誓う。一歩ずつ、緻密に、二人からすべてを奪い尽くす、断罪の物語。

触れられないはずの私が、ただ一人の彼にだけ心も体も許してしまいました

由香
恋愛
男性に触れられると体調を崩す令嬢リリア。 そんな彼女にとって唯一“触れられる”存在は――幼なじみの公爵令息レオンだけだった。 手を取られ、抱き寄せられ、当たり前のように触れられる日々。 それがどれほど特別なことなのか、彼女はまだ知らない。 やがて政略結婚の話が持ち上がり、“触れられない相手との結婚”か、“彼に触れられる人生”かを選ぶことに。 「お前に触れていいのは俺だけだ」 逃げ場のない独占と、甘すぎる溺愛。 これは、触れられないはずの少女が、ただ一人にだけすべてを許していく物語。