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第三十六話
山城コトハサイド
取り乱すキミくんを今まで何度も見ていたが、警察官に諭されてもまだ、私に牙を剥くような顔をして取り乱すキミくんにはさすがに精神にこたえた。
僅かながらにも私たちには親友だった時期があったのだから。
私たちは警察官と一緒にマンションに上がりハヤテの部屋の前に立つ。
警察官が鍵を開け、ゆっくりと扉を開けて声をかけながら中に入っていき、私もついて中に入ろうとすると1人の警察官にパッと腕で止められた。
私は何が起きたのか分からずその警察官の視線の先を辿るとそこには…
K「ハヤテ……!!」
血だらけのハヤテがグッタリと床に倒れていた。
咄嗟に隣にいるはずのハヤテを見るとそこにはもうハヤテの姿はなく私は一心不乱に周りを見渡しハヤテを探すがもう…いなかった。
K「ハヤテ…」
警察官がハヤテの首に指先を置き無線で応援と緊急車両を呼ぶ。
K「ハヤテは大丈夫ですよね!?生きてますよね!?」
私がそう叫ぶと警察官は頷いた。
「微かに脈はある…」
警察官のその声を聞いた私は頭がぼーっとしそのまま意識を失った。
コトハ…!!コトハ!!
そう呼ばれる声が聞こえて目を一気に開けると、そこには真っ白な見覚えのない天井が見えて、ゆっくりと目を動かすと心配そうな顔をしたヨウアちゃんがいた。
Y「いきなりぶっ倒れるから焦った…大丈夫?」
K「う…うん…」
あれは夢だったのだろうか?
血だらけのハヤテがぐったりと倒れている姿がフラッシュバックし私の心臓は激しく動悸する。
K「ヨウアちゃん…ハヤテは…?」
ヨウアちゃんの表情は固いままで微かに私の手が震える。
ヨウアちゃんはその手をギュッと握り私に優しく微笑んだ。
Y「会いに行こうか…」
ヨウアちゃんはそう呟きふらつく私を車椅子に乗せてゆっくりと歩いて行く。
大丈夫…大丈夫…
私は何度も自分で自分を言い聞かせた。
そして、病室の扉の前に車椅子が止まった。
病室番号の下には真中ハヤテと名前が書いてあり、私はハヤテが生きているという現実に涙が溢れ出す。
ヨウアちゃんは無言のまま扉を開けると車椅子を押して中に入っていく。
微かに白いカーテンが揺れてその奥にハヤテがいるのだと思うと早く顔を見たいと思う私の気持ちが焦るばかり。
そして、カーテンをヨウアちゃんが開けると…
そこには頭に包帯が巻かれたハヤテが眠っていた。
K「ハヤテ……」
痛々しいその姿を見て涙が溢れ出し、ゆっくりと立ち上がるとベッドに手を置いてハヤテに近づきハヤテの頬をそっと撫でる。
K「ハヤテ…コトハだよ…」
そう耳元で囁くとハヤテの瞼はピクピクと痙攣し、ゆっくりと瞼が開く。
K「ハヤテ…ハヤテ!!」
私の呼びかけにハヤテは力なく笑い唇を動かした。
H「俺…生きてた…」
ハヤテのその言葉に私は何度も頷く。
K「ハヤテ…私のこと分かる?…私のこと…覚えてる?」
あの出来事は私の幻だったのだろうか?
いや、違うあれは現実に起きていた。
しかし、昏睡状態だったハヤテは私とのあの日々を覚えているのだろうか?
そう微かな不安を抱えながら問いかける。
H「俺の大好きな人…覚えてるよ…全部覚えてる……」
そう言ったハヤテの目から一筋の涙がこぼれ落ち、私はハヤテギュッと抱きしめた。
つづく
取り乱すキミくんを今まで何度も見ていたが、警察官に諭されてもまだ、私に牙を剥くような顔をして取り乱すキミくんにはさすがに精神にこたえた。
僅かながらにも私たちには親友だった時期があったのだから。
私たちは警察官と一緒にマンションに上がりハヤテの部屋の前に立つ。
警察官が鍵を開け、ゆっくりと扉を開けて声をかけながら中に入っていき、私もついて中に入ろうとすると1人の警察官にパッと腕で止められた。
私は何が起きたのか分からずその警察官の視線の先を辿るとそこには…
K「ハヤテ……!!」
血だらけのハヤテがグッタリと床に倒れていた。
咄嗟に隣にいるはずのハヤテを見るとそこにはもうハヤテの姿はなく私は一心不乱に周りを見渡しハヤテを探すがもう…いなかった。
K「ハヤテ…」
警察官がハヤテの首に指先を置き無線で応援と緊急車両を呼ぶ。
K「ハヤテは大丈夫ですよね!?生きてますよね!?」
私がそう叫ぶと警察官は頷いた。
「微かに脈はある…」
警察官のその声を聞いた私は頭がぼーっとしそのまま意識を失った。
コトハ…!!コトハ!!
そう呼ばれる声が聞こえて目を一気に開けると、そこには真っ白な見覚えのない天井が見えて、ゆっくりと目を動かすと心配そうな顔をしたヨウアちゃんがいた。
Y「いきなりぶっ倒れるから焦った…大丈夫?」
K「う…うん…」
あれは夢だったのだろうか?
血だらけのハヤテがぐったりと倒れている姿がフラッシュバックし私の心臓は激しく動悸する。
K「ヨウアちゃん…ハヤテは…?」
ヨウアちゃんの表情は固いままで微かに私の手が震える。
ヨウアちゃんはその手をギュッと握り私に優しく微笑んだ。
Y「会いに行こうか…」
ヨウアちゃんはそう呟きふらつく私を車椅子に乗せてゆっくりと歩いて行く。
大丈夫…大丈夫…
私は何度も自分で自分を言い聞かせた。
そして、病室の扉の前に車椅子が止まった。
病室番号の下には真中ハヤテと名前が書いてあり、私はハヤテが生きているという現実に涙が溢れ出す。
ヨウアちゃんは無言のまま扉を開けると車椅子を押して中に入っていく。
微かに白いカーテンが揺れてその奥にハヤテがいるのだと思うと早く顔を見たいと思う私の気持ちが焦るばかり。
そして、カーテンをヨウアちゃんが開けると…
そこには頭に包帯が巻かれたハヤテが眠っていた。
K「ハヤテ……」
痛々しいその姿を見て涙が溢れ出し、ゆっくりと立ち上がるとベッドに手を置いてハヤテに近づきハヤテの頬をそっと撫でる。
K「ハヤテ…コトハだよ…」
そう耳元で囁くとハヤテの瞼はピクピクと痙攣し、ゆっくりと瞼が開く。
K「ハヤテ…ハヤテ!!」
私の呼びかけにハヤテは力なく笑い唇を動かした。
H「俺…生きてた…」
ハヤテのその言葉に私は何度も頷く。
K「ハヤテ…私のこと分かる?…私のこと…覚えてる?」
あの出来事は私の幻だったのだろうか?
いや、違うあれは現実に起きていた。
しかし、昏睡状態だったハヤテは私とのあの日々を覚えているのだろうか?
そう微かな不安を抱えながら問いかける。
H「俺の大好きな人…覚えてるよ…全部覚えてる……」
そう言ったハヤテの目から一筋の涙がこぼれ落ち、私はハヤテギュッと抱きしめた。
つづく
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