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何年前だろう?
友達に付いて行った占いで私はこんな事を言われた。
「あんたは悪い女だね…。自覚がないことほど罪深いものはないよ?」
そう言われたっけ。
まじめに生きてきたつもり。
傷つけるよりも傷つけられる事の方が多かったはず。
騙すよりも騙される事の方が多くて心を傷めたのに。
それでも、私は悪い女で罪深いのだろうか?
私はなんの迷いもなく荷物をトランクに詰め込む。
私が32年間、生まれて住んできたこの家。
もう…この家を出よう。
そう決めた。
だから、ここの家の鍵はもう置いていく。
キーケースに付けてあるヒヨコのぬいぐるみが少し悲しそうな顔をしているのは気のせいだろうか?
自分を奮い立たせるようにぎゅっと握りしめたのは首元に揺れる白詰草のネックレス。
きっと、その決断をするのには年齢的に遅すぎたのかもしれない…でも、今しかない…私はそう思った。
私は自分が何の為に生まれ何の為に生きてきているのか…そんな事を疑問に思う現実的な子供だった。
生きるという事がイマイチ分からず、ずっと自問自答するような子供だった。
でも、私の人生このままただとダメだよね…?
このままでいいわけがない。
人生の楽しさや悲しさ、喜びや苦しみを知らないままこの人生終わっていくのなんて…。
そんな風に思ったのはまた、あの時みたいに大切な人を失うかもしれないという恐怖に直面したからだろうか?
「キミの事をキミよりも愛してくれる人がこの世界のどこかにいるよ。」
あの人が私へ言い残した最後の言葉。
その言葉を思い浮かべながら…私は重いトランクを引っ張って歩く。
住むところなんて決めていない。
仕事も辞めた。
今の私には何もない…何も…
この時…不思議となんの不安もなかった。
自然と向かったのは懐かしい匂いがする小高い丘。
初めて来たのは10歳の頃…
母に連れられてこの丘にやってきた。
それ以来、私はなにか苦しいことがあるたびにここへやって来ては深呼吸をする。
丘に着いて空を見上げると不思議と涙がこぼれ落ちた。
いつしか白詰草のネックレスに触れる事が私の精神を安定させる癖になっていて、綺麗な青空を見てまたふと思う。
私は何の為に生まれてきて何の為に生きているのか…
特に幸せでもないこの人生に何の意味があるのだろうか…
私よりも私のことを愛してくれる人って一体誰なんだろかと…
でも、もしここで生きる事をやめてしまえばどうなるのだろうか?
今まで考えた事のない疑問が頭によぎった。
私がいなくなったら誰か悲しむのだろうか?
この世からいなくなるということはどういう事なんだろ?
そんな事を考えていると後ろから声がした。
つづく
友達に付いて行った占いで私はこんな事を言われた。
「あんたは悪い女だね…。自覚がないことほど罪深いものはないよ?」
そう言われたっけ。
まじめに生きてきたつもり。
傷つけるよりも傷つけられる事の方が多かったはず。
騙すよりも騙される事の方が多くて心を傷めたのに。
それでも、私は悪い女で罪深いのだろうか?
私はなんの迷いもなく荷物をトランクに詰め込む。
私が32年間、生まれて住んできたこの家。
もう…この家を出よう。
そう決めた。
だから、ここの家の鍵はもう置いていく。
キーケースに付けてあるヒヨコのぬいぐるみが少し悲しそうな顔をしているのは気のせいだろうか?
自分を奮い立たせるようにぎゅっと握りしめたのは首元に揺れる白詰草のネックレス。
きっと、その決断をするのには年齢的に遅すぎたのかもしれない…でも、今しかない…私はそう思った。
私は自分が何の為に生まれ何の為に生きてきているのか…そんな事を疑問に思う現実的な子供だった。
生きるという事がイマイチ分からず、ずっと自問自答するような子供だった。
でも、私の人生このままただとダメだよね…?
このままでいいわけがない。
人生の楽しさや悲しさ、喜びや苦しみを知らないままこの人生終わっていくのなんて…。
そんな風に思ったのはまた、あの時みたいに大切な人を失うかもしれないという恐怖に直面したからだろうか?
「キミの事をキミよりも愛してくれる人がこの世界のどこかにいるよ。」
あの人が私へ言い残した最後の言葉。
その言葉を思い浮かべながら…私は重いトランクを引っ張って歩く。
住むところなんて決めていない。
仕事も辞めた。
今の私には何もない…何も…
この時…不思議となんの不安もなかった。
自然と向かったのは懐かしい匂いがする小高い丘。
初めて来たのは10歳の頃…
母に連れられてこの丘にやってきた。
それ以来、私はなにか苦しいことがあるたびにここへやって来ては深呼吸をする。
丘に着いて空を見上げると不思議と涙がこぼれ落ちた。
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特に幸せでもないこの人生に何の意味があるのだろうか…
私よりも私のことを愛してくれる人って一体誰なんだろかと…
でも、もしここで生きる事をやめてしまえばどうなるのだろうか?
今まで考えた事のない疑問が頭によぎった。
私がいなくなったら誰か悲しむのだろうか?
この世からいなくなるということはどういう事なんだろ?
そんな事を考えていると後ろから声がした。
つづく
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