キミの首元に揺れる悲しい白詰草

樺純

文字の大きさ
8 / 85

8話

しおりを挟む
次の日

彼の運転でショッピングモールへと向かった。

ご機嫌なのかずっと鼻歌を歌いながら運転をしている彼の姿を見て自然と私にも笑みがこぼれた。

ショッピングモールに到着し目的が何なのか知らない私はただ彼の大きな背中について回る。

J「ルリ、あそこあそこ!」

そう言って彼が入って行ったのは可愛いインテリアが揃う家具屋さん。

*「家具なんて買うの?」

J「うん。これとかどう思う?」

そう言ったのはどう見ても女の子が好きそうな薄いピンクの女優ライトが付いたドレッサー。

ははぁ~ん。わかったぞ~?彼女にプレゼントだな?これ。そう気づいた私はいつも以上に気合いを入れて品定めをする。

*「ねぇ、もしかして彼女にプレゼント?」

J「そんじゃないけど~これどう思う?」

彼女と言う言葉が勘に触ったのかちょっと不満気な様子で彼は私にそう問いかける…最近の若い子は私にはまだよく分からんがまだ、彼女ではないって事ね。

*「まぁ、その子の趣味がどんなのか知らないからなんとも言えないけど?私はシンプルなコッチのデザインの方が好きかな?」

私は横に置いてあったオフホワイトの猫足のドレッサーを指差した。

J「へぇ~そうなんだ?じゃこれにしよ。ここで適当に待ってて~」

そう言って彼はスタッフさんの所へとウキウキしながら向かった。

彼を見て生意気だな~って思ってたけど女の子にプレゼントって可愛いとこあるじゃん。

まぁ、家具ってのが金持ちのボンボンらしいけど。

なんて思いながら私はお店の周りをフラフラしながら彼を待った。

J「ごめんごめんお待たせ~。配達してもらうのに住所とか書いてたら遅くなっちゃった。」

*「全然、大丈夫だよ。そうそう家の冷蔵庫に食材って何かあった?」

私は出る際に冷蔵庫の中身を確認してくるのを忘れて彼に問いかけた。

J「昨日、ルリにパスタ作る時みたけどほとんど空っぽだったわ~。ついでに食材も買って帰ろうか?」

*「そうだね。私もタダで住まわせてもらう訳だからご飯ぐらいはちゃんと作るよ。一応、家政婦だし。」

そう言うと彼が嬉しそうに笑いながら財布を取りだし中から何かを取り出した。

J「これ。買い物とか出来るだけ俺も一緒に行くつもりだけど何かあったら困るだろうしルリも1枚持ってて?」

 そう言って渡されたのはブラックカード…まさかの物に私は驚きを隠せない。

*「いやいやいや、何考えてんのよ。そんな大切なモノ預かれる訳ないでしょ。」

彼の手を押し返すとその倍ぐらいの力でまた、押し返してくる。

J「食材とか日用品とかここから出して?じゃなきゃ、俺から給料もらう前に貯金が底ついちゃうんじゃない?」

彼はちょっと嫌味に笑いながらそう言うと私に無理矢理カードを渡してきて、確かにその通りだと思った私はそのカードを受け取った。

*「わ…わかった。」

J「まぁ、ルリの欲しいものがあったら別にそれもそこから買っていいからね?」

そう言ってまた、年下のくせに私の頭をポンポンと撫でる。

少しイラッとするものの今は年下でも私の大切な雇い主だからニコッと愛想笑いをする。

*「じゃ、限度額まで使いこもっと。」

J「お好きにどうぞ~限度額なんてないけど~。」

私の冗談に生意気な彼はそう言って余裕な笑顔をみせた。


つづく
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします

二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位! ※この物語はフィクションです 流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。 当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある

柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった 王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。 リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。 「わかりました。あなたには、がっかりです」 微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。

有名俳優の妻

うちこ
恋愛
誰もが羨む結婚と遺伝子が欲しかった そこに愛はいらない

王女殿下のモラトリアム

あとさん♪
恋愛
「君は彼の気持ちを弄んで、どういうつもりなんだ?!この悪女が!」 突然、怒鳴られたの。 見知らぬ男子生徒から。 それが余りにも突然で反応できなかったの。 この方、まさかと思うけど、わたくしに言ってるの? わたくし、アンネローゼ・フォン・ローリンゲン。花も恥じらう16歳。この国の王女よ。 先日、学園内で突然無礼者に絡まれたの。 お義姉様が仰るに、学園には色んな人が来るから、何が起こるか分からないんですって! 婚約者も居ない、この先どうなるのか未定の王女などつまらないと思っていたけれど、それ以来、俄然楽しみが増したわ♪ お義姉様が仰るにはピンクブロンドのライバルが現れるそうなのだけど。 え? 違うの? ライバルって縦ロールなの? 世間というものは、なかなか複雑で一筋縄ではいかない物なのですね。 わたくしの婚約者も学園で捕まえる事が出来るかしら? この話は、自分は平凡な人間だと思っている王女が、自分のしたい事や好きな人を見つける迄のお話。 ※設定はゆるんゆるん ※ざまぁは無いけど、水戸○門的なモノはある。 ※明るいラブコメが書きたくて。 ※シャティエル王国シリーズ3作目! ※過去拙作『相互理解は難しい(略)』の12年後、 『王宮勤めにも色々ありまして』の10年後の話になります。 上記未読でも話は分かるとは思いますが、お読みいただくともっと面白いかも。 ※ちょいちょい修正が入ると思います。誤字撲滅! ※小説家になろうにも投稿しました。

つまらない妃と呼ばれた日

柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。 舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。 さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。 リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。 ――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

処理中です...