キミの首元に揺れる悲しい白詰草

樺純

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33話

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ゆっくりと扉を開くと、既に病院着に着替えたジユがベッドに座っていた。

確かにこうやってみると1カ月前よりも少し痩せて顔色が悪いのかもしれない…。

J「ルリ…ヒマ~。」

*「まぁ、病院だからね?」

私がジユのカバンから荷物を取り出して小さなクローゼットの中に入れていく。

J「そんなのいいから~ここ来てここ!」

そう言ってジユは何度もベッドを叩いた。

私は言われるがままにジユのそばに行きベッドに腰掛ける。

すると、すぐにぎゅっと抱きついてくるジユ。

J「あぁ~幸せ。ルリがそばにいてくれるだけでホント俺は幸せだよ。」

*「何言ってるの…。」

J「だってホントのことだもん。これからはちゃんと俺のことも可愛がってよね?トモキくんばっかズルイよ。」

*「ジユ…」

私はどうしてもジユを弟として見れない…

それは出会った時が弟としてではなく男して出会っていたからだろうか…?

私は優しくジユの頭を撫でる…

すると嬉しそうな顔をして私を見上げるジユ。

*「検査は?」

J「明日からだって…毎日会いにきてよ?なんなら、ここに泊まってもいいし!ね?」

そういうジユはやっぱりまだ、どこかあどけなさがあって少年と青年の魅力を持っている。

*「泊まらないよ。毎日顔見せにくるから。ね?あ…歯ブラシ持ってくるの忘れた。下の売店で買ってくるね?」

J「俺も一緒に行く~!」

*「だめ!入院したばっかりなんだから大人しくしててよ。オサももうすぐこっちくるだろうし…ね?」

J「ちぇ~わかったよ…」

ジユは唇を尖らせながらベッドにドカっと寝転んだ。

私はお財布とスマホを持ちジユの病室を出て下の売店で歯ブラシを買った。

お会計を済ませてエレベーターに乗りジユの病室の階に止まったエレベーターから出ようとすると…

「ルリさん?」

聞き覚えのある声で呼ばれ、恐る恐るそちらをみるとそこにはマナトが立っていた。

M「ルリさん…ずっと探したんだよ?」

マナトはトモキの高校からの友人で、いつもウチに遊びに来てはご飯を一緒に食べたりDVDを見たりして私も顔見知りだ。

*「マナト…トモキのお見舞い?」

M「そうだけど…ルリさん今どこにいるの!?あの事以来、家に行っても誰も出ないしルリさんに連絡しても出ないし…俺がどれだけルリさんのこと探したか知ってる!?」

*「ごめん…」

私はマナトからの連絡をずっと無視していた。

きっと、実家を出て男の家に家政婦として住み込みで働いてると知ったらあの、真面目なマナトは絶対に激怒すると知っていたから。

M「ルリさんとりあえず、こっちで話そう。」

そう言って私はマナトに腕をぎゅっと掴まれひと目の少ないところに連れて行かれた。

M「ねぇ、一体なにがあったの?おばさんに聞いてもルリさんのせいだって言うばかりだし…ルリさんは連絡つかないし…」

マナトの目は真剣で少し怒っている…

*「うん…実はね。私…母の男に襲われそうになって…それをトモキが止めようとしてトモキが階段から落ちたの。」

M「はぁ…やっぱり…心配だったからトモキにはずっと言ってたんだよ?あの男には気をつけた方がいいって。ルリさんが危ない目に遭うかもしれないって。ルリさん…怖かったね…もう大丈夫だからね……」
 
マナトはそう言って私の手を優しく包み込み頭をポンポンっと撫で微笑んだ。


つづく
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