38 / 46
38話
しおりを挟むミラサイド
ジュイは私のことそんな風に軽い女だと思ってたんだと知ったら胸が痛くて苦しい。
1番私のこと慕ってくれていると思っていたし、私も末っ子のジュイが1番可愛くてついつい特別扱いにしてしまっていた。
なのにジュイは私のことそんな女だとずっと思いながら側にいたんだと思うと、まるでジュイに裏切られたような気持ちだった。
ジュイはそんな女だと私を思っていたから私に関係を迫ってきたのだろうか?誰でもヤらせる女だと私はジュイにそう思われていた?
キスしてもジュイが惚れ薬の魔法から醒めなかったんじゃない…初めから私とそういうを事だけがしたかった?
そう思えば思うほど悲しくて仕事なんて手に付かなかった。
「…!ミラ!?」
*「あ…すいません…」
セ「ミラ大丈夫?ぼんやりして…?」
先輩が心配そうに私の顔を覗き込んだ。
*「だ…大丈夫です。」
セ「ならいいけど…もう、ソラの歓迎会の時間だから俺みんな連れて店に向かうけど…ミラも一緒に行く?」
一緒に行くとなると間違いなくジュイもその場にいる。
もちろん行く先は同じなのだからすぐにジュイとは顔を合わせないといけないが、今はさすがにジュイの顔をまともに見れそうにない。
*「私まだ、仕事残ってるのでこれ片付けてから向かいます。」
セ「そう?もう、外暗いから気をつけなよ?」
*「夜道歩くの慣れてるんで大丈夫ですよ。」
セ「女の子はそんな事慣れちゃダメなんだけどな~でも、なんかあったら連絡してね?じゃ、お先に!」
そう言って先輩はみんなと一緒にソラの歓迎会をするお店へと向かった。
ソラ…そこで婚約発表するって言ってたもんな…。
ジュイと顔を合わすのは気まずいけど行かないわけにはいかない。
パソコンの画面に浮かぶ保存ボタンをクリックしてシャットダウンする。
店まで歩いて15分ほどの距離…
おそらくみんなは車で行っただろうけど私は歩いて行こうと思い、カバンを持ち玄関へ向かい事務所を出た。
あたりはもう既に真っ暗で人の気配もだいぶ少なくなっている。
少しの危機感から早歩きで歩いていると背後に気配を感じパッと勢いよく後ろを振り返ると黒い影が木に隠れた…ような気がした。
え…私…付けられてる?
そんな気がした私はおかしいと思いさらに早歩きで歩いてみると後ろの足音も早くなる。
ゆっくりと歩いてみると後ろの足音もゆっくりとなり、急に恐怖感に襲われた私は咄嗟に走り出した。
すると、後ろの足音も走り出すのが分かり次第に近づいてくる。
やだ…怖いよ…どうしよう…
怖くて後ろなんて振り返られない…そう思いながら無我夢中で走っていると。
*「キャ…!!」
足元にあった段差に躓き私は転んでしまった。
慌てて立ち上がろうとすると荒い息遣いがもうすぐそこにまで近づいてきて、私の肩を掴みコンクリートに叩きつけた。
*「やめてぇ!!」
「騒いだら…どうなるか分かってるよな?」
そう言って帽子を目深にかぶりマスクをした男は私にナイフを近づけた。
あぁ…終わった…。
ナイフに怯える私は固まると男は私の後ろから首元に手を回し引きづるようにして公園の奥へ連れて行く。
私は小さな反抗として手に力を入れて振り払おうとすると、勢いよくナイフを首に近づけられその弾みで微かに傷がついた首から血が流れた。
もう…いいや…どうせヤられるぐらいなら…思う存分抵抗してやろう。
そう思った私は震える声で叫んだ。
*「誰か助けて!!誰……ん…」
暴れ出した私をグッと羽交締めにして、口を押さえてる男がナイフを手から滑らせて地面に落としたので、私はその隙にナイフを思いっきり蹴飛ばし男のマスクを剥ぎ取った。
「お前…死にてぇのか!?」
口を押さえられて何も言えない私は男を睨みつけてた。
すると…
「何してんだテェメェ!!」
聞き慣れた声の叫び声が聞こえ男の腕を掴み私を解放させた。
*「ゴホホッ…ん…ぁ…」
私は地面に倒れ込み息が苦しくて咳き込みながら見上げるとそこにいたのはジュイだった。
*「ジュイ…?」
男に殴りかかっているジュイを慌てて止めようと立ち上がるが脇腹が痛くて立ち上がれない。
男はジュイを殴り返すとナイフを持ってその場から立ち去っていった。
J「大丈夫かよ…ミラ…」
ジュイは私の元へやってきて私の目線までしゃがみ込み、腕を持って立ち上がらせようとするが身体に激痛が走り思わず私の声が出た。
*「う…痛っ…」
J「え…どこが痛い!?足?」
*「脇腹……」
J「救急車呼ぼう…。」
そう言ったジュイに私は首を横に振る。
*「大丈夫…大丈夫だから。今、私なんかに手を貸すの嫌かもしれないけど…事務所まで…手…貸してもらえる?」
J「なに言ってんだよ…もう、喋んなよ。」
そう言ってジュイは私の腕を持ち、腰に手を回して支えながらゆっくりと歩き事務所へと連れて行ってくれた。
人影の少なくなった事務所のソファに座ればあまりの痛さから冷や汗が流れる。
J「大丈夫かよ…とりあえず見るぞ?」
ジュイの言葉に頷くとジュイは私が痛さのあまり押さえている脇腹の服をめくった。
J「はぁ…病院行かなきゃダメだ…色変わってる。」
*「うん…もう少しだけ休憩したら…1人で行くから…ジュイはみんなのトコに行って…」
J「はぁ!?こんな時にジュイを1人置いて行けるわけねぇだろ!?」
心も身体もぼろぼろのせいかジュイのその言葉が私の強がりなはずの涙腺を刺激する。
ジュイは私の膝に自分の上着をかけるとゆっくりと私の横に座り、微かに震える手で私の肩を抱き寄せた。
*「今さら優しくしないでよ…私は軽い女なんでしょ?誰にでも抱かれるような女なんでしょ?そんな女に優しくなんかしないで……」
私がジュイを拒むように言うと自分の目から涙が溢れ出し自分でも驚いた。
J「もうミラがどんな女でもいいよ…やっぱり……俺はミラを忘れられないよ…だから俺たちのこと…なかった事にはしたくない。」
*「何よそれ…都合良すぎだよ…。」
J「…ミラ…俺はもう…何番目でもいいよ?」
涙も止まらず滝のように流れ出し、激痛と戦う私に何番目でもいいなんて意味のわからない事をいうジュイに腹立ち憎くて顔も見たくないなんて思うのに、どうしても嫌いにはなれず…やっぱり好きだと思ってしまう私はもう、盲目なのかもしれない。
*「もう、ほんとバカ!!なんでジュイはそんなにバカなの!?なんでをそんな風な女と思ってるのか知らないけど!私は……!私は…」
私が興奮しながらそう話していると、最後の言葉を言い切る前にあまりの激痛で意識が遠のきそのまま気絶した。
つづく
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
一億円の花嫁
藤谷 郁
恋愛
奈々子は家族の中の落ちこぼれ。
父親がすすめる縁談を断り切れず、望まぬ結婚をすることになった。
もうすぐ自由が無くなる。せめて最後に、思いきり贅沢な時間を過ごそう。
「きっと、素晴らしい旅になる」
ずっと憧れていた高級ホテルに到着し、わくわくする奈々子だが……
幸か不幸か!?
思いもよらぬ、運命の出会いが待っていた。
※エブリスタさまにも掲載
禁断溺愛
流月るる
恋愛
親同士の結婚により、中学三年生の時に湯浅製薬の御曹司・巧と義兄妹になった真尋。新しい家族と一緒に暮らし始めた彼女は、義兄から独占欲を滲ませた態度を取られるようになる。そんな義兄の様子に、真尋の心は揺れ続けて月日は流れ――真尋は、就職を区切りに彼への想いを断ち切るため、義父との養子縁組を解消し、ひっそりと実家を出た。しかし、ほどなくして海外赴任から戻った巧に、その事実を知られてしまう。当然のごとく義兄は大激怒で真尋のマンションに押しかけ、「赤の他人になったのなら、もう遠慮する必要はないな」と、甘く淫らに懐柔してきて……? 切なくて心が甘く疼く大人のエターナル・ラブ。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
王宮地味女官、只者じゃねぇ
宵森みなと
恋愛
地味で目立たず、ただ真面目に働く王宮の女官・エミリア。
しかし彼女の正体は――剣術・魔法・語学すべてに長けた首席卒業の才女にして、実はとんでもない美貌と魔性を秘めた、“自覚なしギャップ系”最強女官だった!?
王女付き女官に任命されたその日から、運命が少しずつ動き出す。
訛りだらけのマーレン語で王女に爆笑を起こし、夜会では仮面を外した瞬間、貴族たちを騒然とさせ――
さらには北方マーレン国から訪れた黒髪の第二王子をも、一瞬で虜にしてしまう。
「おら、案内させてもらいますけんの」
その一言が、国を揺らすとは、誰が想像しただろうか。
王女リリアは言う。「エミリアがいなければ、私は生きていけぬ」
副長カイルは焦る。「このまま、他国に連れて行かれてたまるか」
ジークは葛藤する。「自分だけを見てほしいのに、届かない」
そしてレオンハルト王子は心を決める。「妻に望むなら、彼女以外はいない」
けれど――当の本人は今日も地味眼鏡で事務作業中。
王族たちの心を翻弄するのは、無自覚最強の“訛り女官”。
訛って笑いを取り、仮面で魅了し、剣で守る――
これは、彼女の“本当の顔”が王宮を変えていく、壮麗な恋と成長の物語。
★この物語は、「枯れ専モブ令嬢」の5年前のお話です。クラリスが活躍する前で、少し若いイザークとライナルトがちょっと出ます。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる