1 / 31
1話
しおりを挟む
ジュンセside
止まらない貧乏ゆすりをする俺の横では、久しぶりに集まった友人達に囲まれ、微笑みながら嬉しそうにソウヤさんの話をする…チアがいる。
なんでこうなったのか…俺にも分からない。
俺の知らない間にチアは俳優として有名なソウヤさんと付き合っていた。
俺はどこで何を間違えたのだろう?
そして、なぜ…あの日…
俺はチアに別れを告げられたのだろうか…?
それは俺がソロアーティストとしてデビューして1年と6か月が過ぎた頃の出来事だった。
「ジュンセ…別れよ。」
その言葉だけを残してチアは俺の元を去った。
どんなに引き止めても、どんなに泣きついて縋り付いてもチアは俺のことを見る事なくその場を後にし姿を消した。
スマホの番号も変え部屋も引っ越し…
他の友人達にチアの居場所を聞いても誰一人として教えてくれる人は居なかった。
そして、約6年の月日が経った今日…
飲み会をしよう。そう言ってミナグに誘われて来た居酒屋には笑顔で楽しそうなチアが座っていた。
M「チア?ジュンセを連れてきたよ。お前ら会うの久しぶりだろ?」
俺の心は未だかさぶたにすらなっておらず、チアの顔を見るだけでヒリヒリと痛みまるで、傷口に塩を塗られてる気分だった。
C「久しぶりだね?仕事も順調そうだね?」
ソロアーティストとしてデビューしてもうすぐ8年。
チアも元々は俺と同じ事務所の練習生だった。
しかし、チアは俺と別れ、事務所を辞め…
オモチャメーカーに就職したと後になって俺はミナグから知らされた。
チアは1番辛かった練習生時代を俺のそばで支えてくれた人であり、俺に1番深い心の傷を負わせた人。
そして、チアと別れたあの日から俺が作る歌は全て失恋の暗い歌ばかりになり…
不思議とその曲たちが評価され今では歌手としてそれなりの立ち位置につけるようになった。
J「お久しぶりです。おかげさまで…」
そう敬語で言ったのは練習生の時からのくせ。
付き合う前から2歳上だったチアは敬語なんて使わないでっていつも言ってたけど、俺は付き合ってからも敬語のくせがずっと抜けずにいた。
C「元気そうで安心したわ。」
そう言って優しく微笑んだその顔はやっぱり俺の大好きなチアの顔で…
今、それがソウヤさんの物なんだと思ったら…
張り付いた笑顔の裏で気が狂いそうだった。
J「まぁそこそこ…」
M「そういえばチアなんか大切な報告があるんだろ?なに?」
C「うん。」
それを聞いた瞬間、無駄に勘が良すぎる自分自身を俺は恨んだ。
C「私ね、ソウヤさんと結婚するの。」
出てくる言葉が大体、想像できていたはずなのにまるで鈍器で頭を殴られ真っ二つに割れた気分だった。
J「お…おめでとうございます…」
絞りだすようにしてやっと出たその言葉。
C「ありがとう。」
そう微笑んでるチアは俺を見つめているのに、頭の中ではソウヤさんを思い浮かべているのだろうか…?
J「すいません…俺明日、引っ越しなんで先帰りますね。」
そして、俺は情けないことにチアに背中を向け逃げるようにその場を後にした。
疲れた…
小一時間ほどしかあの場にいなかったのに物凄い疲労感と倦怠感に包まれた。
結局、タクシーで家に帰った俺は中途半端なままだった引っ越し作業をそれなりに終わらせるとあとの作業は業者に任せることにし、そのままベッドに横になるとすぐに眠りに落ちた。
次の日
業者に荷物を頼み俺は引っ越し先のマンションに先に向かった。
チア…ソウヤさんと結婚式とかすんのかな…?そりゃするよな…
まだ、何も荷物の届いていないガランとしたマンションの部屋をぼーっと眺めながらそんな事を思った。
業者がマンションに着き次々と荷物を運んで作業をしていき、俺はほとんど指示を出すだけで済んだ。
「では、こちらにサインをお願いします!」
作業確認の書類にサインをして業者は帰ってきて行き俺の引っ越しは完了した。
このマンションのセキュリティーは万全でワンフロアに2部屋しかない高級マンション。
そういえばお隣さんどんな人かな?
今時、挨拶なんて行かなくていいよな…そう思い、俺は残りのオフをゆっくり過ごすため好きな音楽を流してリラックスした時間を過ごしていた。
すると
ピンポーン
突然、インターホンが鳴り不思議に思いながら画面を見る。
ん?
誰も…
いない?
引っ越し早々…イタズラ?
そう思い無視していると…
ピンポーン
また、インターホンが鳴った。
俺はまた、画面を見るが…誰も写っていない。
え?これ…壊れてる?
不思議に思い俺は横にあったキャップを目深にかぶり上着を羽織って玄関を出た。
つづく
止まらない貧乏ゆすりをする俺の横では、久しぶりに集まった友人達に囲まれ、微笑みながら嬉しそうにソウヤさんの話をする…チアがいる。
なんでこうなったのか…俺にも分からない。
俺の知らない間にチアは俳優として有名なソウヤさんと付き合っていた。
俺はどこで何を間違えたのだろう?
そして、なぜ…あの日…
俺はチアに別れを告げられたのだろうか…?
それは俺がソロアーティストとしてデビューして1年と6か月が過ぎた頃の出来事だった。
「ジュンセ…別れよ。」
その言葉だけを残してチアは俺の元を去った。
どんなに引き止めても、どんなに泣きついて縋り付いてもチアは俺のことを見る事なくその場を後にし姿を消した。
スマホの番号も変え部屋も引っ越し…
他の友人達にチアの居場所を聞いても誰一人として教えてくれる人は居なかった。
そして、約6年の月日が経った今日…
飲み会をしよう。そう言ってミナグに誘われて来た居酒屋には笑顔で楽しそうなチアが座っていた。
M「チア?ジュンセを連れてきたよ。お前ら会うの久しぶりだろ?」
俺の心は未だかさぶたにすらなっておらず、チアの顔を見るだけでヒリヒリと痛みまるで、傷口に塩を塗られてる気分だった。
C「久しぶりだね?仕事も順調そうだね?」
ソロアーティストとしてデビューしてもうすぐ8年。
チアも元々は俺と同じ事務所の練習生だった。
しかし、チアは俺と別れ、事務所を辞め…
オモチャメーカーに就職したと後になって俺はミナグから知らされた。
チアは1番辛かった練習生時代を俺のそばで支えてくれた人であり、俺に1番深い心の傷を負わせた人。
そして、チアと別れたあの日から俺が作る歌は全て失恋の暗い歌ばかりになり…
不思議とその曲たちが評価され今では歌手としてそれなりの立ち位置につけるようになった。
J「お久しぶりです。おかげさまで…」
そう敬語で言ったのは練習生の時からのくせ。
付き合う前から2歳上だったチアは敬語なんて使わないでっていつも言ってたけど、俺は付き合ってからも敬語のくせがずっと抜けずにいた。
C「元気そうで安心したわ。」
そう言って優しく微笑んだその顔はやっぱり俺の大好きなチアの顔で…
今、それがソウヤさんの物なんだと思ったら…
張り付いた笑顔の裏で気が狂いそうだった。
J「まぁそこそこ…」
M「そういえばチアなんか大切な報告があるんだろ?なに?」
C「うん。」
それを聞いた瞬間、無駄に勘が良すぎる自分自身を俺は恨んだ。
C「私ね、ソウヤさんと結婚するの。」
出てくる言葉が大体、想像できていたはずなのにまるで鈍器で頭を殴られ真っ二つに割れた気分だった。
J「お…おめでとうございます…」
絞りだすようにしてやっと出たその言葉。
C「ありがとう。」
そう微笑んでるチアは俺を見つめているのに、頭の中ではソウヤさんを思い浮かべているのだろうか…?
J「すいません…俺明日、引っ越しなんで先帰りますね。」
そして、俺は情けないことにチアに背中を向け逃げるようにその場を後にした。
疲れた…
小一時間ほどしかあの場にいなかったのに物凄い疲労感と倦怠感に包まれた。
結局、タクシーで家に帰った俺は中途半端なままだった引っ越し作業をそれなりに終わらせるとあとの作業は業者に任せることにし、そのままベッドに横になるとすぐに眠りに落ちた。
次の日
業者に荷物を頼み俺は引っ越し先のマンションに先に向かった。
チア…ソウヤさんと結婚式とかすんのかな…?そりゃするよな…
まだ、何も荷物の届いていないガランとしたマンションの部屋をぼーっと眺めながらそんな事を思った。
業者がマンションに着き次々と荷物を運んで作業をしていき、俺はほとんど指示を出すだけで済んだ。
「では、こちらにサインをお願いします!」
作業確認の書類にサインをして業者は帰ってきて行き俺の引っ越しは完了した。
このマンションのセキュリティーは万全でワンフロアに2部屋しかない高級マンション。
そういえばお隣さんどんな人かな?
今時、挨拶なんて行かなくていいよな…そう思い、俺は残りのオフをゆっくり過ごすため好きな音楽を流してリラックスした時間を過ごしていた。
すると
ピンポーン
突然、インターホンが鳴り不思議に思いながら画面を見る。
ん?
誰も…
いない?
引っ越し早々…イタズラ?
そう思い無視していると…
ピンポーン
また、インターホンが鳴った。
俺はまた、画面を見るが…誰も写っていない。
え?これ…壊れてる?
不思議に思い俺は横にあったキャップを目深にかぶり上着を羽織って玄関を出た。
つづく
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
皇宮女官小蘭(シャオラン)は溺愛され過ぎて頭を抱えているようです!?
akechi
恋愛
建国して三百年の歴史がある陽蘭(ヤンラン)国。
今年16歳になる小蘭(シャオラン)はとある目的の為、皇宮の女官になる事を決めた。
家族に置き手紙を残して、いざ魑魅魍魎の世界へ足を踏み入れた。
だが、この小蘭という少女には信じられない秘密が隠されていた!?
踏み台(王女)にも事情はある
mios
恋愛
戒律の厳しい修道院に王女が送られた。
聖女ビアンカに魔物をけしかけた罪で投獄され、処刑を免れた結果のことだ。
王女が居なくなって平和になった筈、なのだがそれから何故か原因不明の不調が蔓延し始めて……原因究明の為、王女の元婚約者が調査に乗り出した。
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
橘若頭と怖がり姫
真木
恋愛
八歳の希乃は、母を救うために極道・橘家の門を叩き、「大人になったら自分のすべてを差し出す」と約束する。
その言葉を受け取った橘家の若頭・司は、希乃を保護し、慈しみ、外界から遠ざけて育ててきた。
高校生になった希乃は、虚弱体質で寝込んでばかり。思いつめて、今まで養ってもらったお金を返そうと夜の街に向かうが、そこに司が現れて……。
カモフラ婚~CEOは溺愛したくてたまらない!~
伊吹美香
恋愛
ウエディングプランナーとして働く菱崎由華
結婚式当日に花嫁に逃げられた建築会社CEOの月城蒼空
幼馴染の二人が偶然再会し、花嫁に逃げられた蒼空のメンツのために、カモフラージュ婚をしてしまう二人。
割り切った結婚かと思いきや、小さいころからずっと由華のことを想っていた蒼空が、このチャンスを逃すはずがない。
思いっきり溺愛する蒼空に、由華は翻弄されまくりでパニック。
二人の結婚生活は一体どうなる?
時間を止めて ~忘れられない元カレは完璧な容姿と天性の才能を持つ世界一残酷な人でした 【完結】
remo
恋愛
どんなに好きになっても、彼は絶対に私を愛さない。
佐倉ここ。
玩具メーカーで働く24歳のOL。
鬼上司・高野雅(がく)に叱責されながら仕事に奔走する中、忘れられない元カレ・常盤千晃(ちあき)に再会。
完璧な容姿と天性の才能を持つ世界一残酷な彼には、悲しい秘密があった。
【完結】ありがとうございました‼
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる