小さな天使〜遺言〜

樺純

文字の大きさ
10 / 31

10話

しおりを挟む
ジュンセside

チビは心配そうな顔をしてチアの傷だらけの顔を悲しそうな顔して小さな指先で触れている。

J「チビ、ちゃあちゃん怪我してるから…」

C「大丈夫だよ…」

チアはか弱い声でそう言うと、チビは泣きそうな顔になりながらチアをギュッと強く抱きしめた。

俺はそんな2人を見つめながらラーメンを作りテーブルの上に置いた。

J「ラーメン出来たから食べるよ。」

俺がそう言うとチビが顔を上げる。

「ちゃあちゃんラーメンたべよ!!」

C「うん…でもちゃあちゃんお腹すいてないから…」

「だめ!ちゃあちゃんもたべるの!!」

チビにそう言われたチアは仕方なさそうに苦笑いしながらチビに手を引っ張られ椅子に座る。

俺は器にラーメンを入れてチビとチアの前に出した。

J「食べれるだけでいいんで…少しだけでも食べてくださいね。」

C「うん…ありがとう…」

チアが少しずつラーメンを啜るとチビはその様子を横で伺いながらラーメンを勢いよく啜る。

その2人の姿が本当の親子のように俺の目には見えて、もしチアと家族になれていたらこんな感じだったのかなと俺はまた、ぼんやりとそんなありえない理想を頭の中に描いていた。

「とうちゃん…たべないの?ぼくがぜーんぶたべちゃうお?」

チビはチビのくせに誰に似たのか大食いで、器に入れたはずのラーメンをもう既に食べ終わっていて、俺に器が空っぽだとアピールして見せる。

J「チビは食い過ぎだぞ。そんな食ったらブタになっちゃうぞ?」

俺がふざけてブタの真似をしながらチビの器にラーメンを入れながら言うと、チビはぷくーっと頬を膨らませて拗ねていた。

C「大丈夫だよね~チビちゃんは沢山食べて大きくならなきゃね?」

「うん!!ぼくおおきくなってちゃあちゃんのことまもる!!」

そう笑顔で言ったチビをチアは泣きそうな顔で見つめ、優しく微笑むと少しずつラーメンを啜った。

そして、食事を食べ終えた2人がベッドで眠ったのを確認した俺は、別の空いている部屋に入りセイジさんに電話をした。

J「セイジさん、夜遅くにごめん。」

セ「いや大丈夫だ。お前に頼まれてたこと調べてみたぞ。」

J「どう…だった…?」

セ「もしかしたらソウヤさんとチア……まずい関係かもしれない。」

セイジさんのその声は初めて聞くほど切羽詰まっていて俺の嫌な予感にさらに闇を落とす。

セイジさんは今、分かることを少しずつ話していくと最後に言った。

セ「もし、チアとの関係がバレたら…お前の芸能生活が終わるかもしれないってことだぞ…?」

J「それでもいいんです…目の前で苦しんでるチアを見て見ぬふりは出来ないから…明日、事務所に2人…連れて行っていいですか?」

セ「あぁ…会社のことは心配しなくていい俺が話し通しておくから…お前もあまり無理するなよ。」

J「はい……」

俺は電話を切り部屋を出るとゆっくりと2人を起こさないようにベッドルームに行き、2人の寝顔を見つめる。

俺の小さな頃にどことなく似ている雰囲気を持つチビの寝顔は不思議なことにチアにそっくりで、俺は抱き合いながら眠る2人の頬をそっと撫で…

部屋を出るとソファに横になった。

つづく
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

皇宮女官小蘭(シャオラン)は溺愛され過ぎて頭を抱えているようです!?

akechi
恋愛
建国して三百年の歴史がある陽蘭(ヤンラン)国。 今年16歳になる小蘭(シャオラン)はとある目的の為、皇宮の女官になる事を決めた。 家族に置き手紙を残して、いざ魑魅魍魎の世界へ足を踏み入れた。 だが、この小蘭という少女には信じられない秘密が隠されていた!?

踏み台(王女)にも事情はある

mios
恋愛
戒律の厳しい修道院に王女が送られた。 聖女ビアンカに魔物をけしかけた罪で投獄され、処刑を免れた結果のことだ。 王女が居なくなって平和になった筈、なのだがそれから何故か原因不明の不調が蔓延し始めて……原因究明の為、王女の元婚約者が調査に乗り出した。

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

橘若頭と怖がり姫

真木
恋愛
八歳の希乃は、母を救うために極道・橘家の門を叩き、「大人になったら自分のすべてを差し出す」と約束する。 その言葉を受け取った橘家の若頭・司は、希乃を保護し、慈しみ、外界から遠ざけて育ててきた。 高校生になった希乃は、虚弱体質で寝込んでばかり。思いつめて、今まで養ってもらったお金を返そうと夜の街に向かうが、そこに司が現れて……。

カモフラ婚~CEOは溺愛したくてたまらない!~

伊吹美香
恋愛
ウエディングプランナーとして働く菱崎由華 結婚式当日に花嫁に逃げられた建築会社CEOの月城蒼空 幼馴染の二人が偶然再会し、花嫁に逃げられた蒼空のメンツのために、カモフラージュ婚をしてしまう二人。 割り切った結婚かと思いきや、小さいころからずっと由華のことを想っていた蒼空が、このチャンスを逃すはずがない。 思いっきり溺愛する蒼空に、由華は翻弄されまくりでパニック。 二人の結婚生活は一体どうなる?

時間を止めて ~忘れられない元カレは完璧な容姿と天性の才能を持つ世界一残酷な人でした 【完結】

remo
恋愛
どんなに好きになっても、彼は絶対に私を愛さない。 佐倉ここ。 玩具メーカーで働く24歳のOL。 鬼上司・高野雅(がく)に叱責されながら仕事に奔走する中、忘れられない元カレ・常盤千晃(ちあき)に再会。 完璧な容姿と天性の才能を持つ世界一残酷な彼には、悲しい秘密があった。 【完結】ありがとうございました‼

処理中です...