魔力極振りの迷宮探索

大山 たろう

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六章 文化祭

戦闘開始

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―――――本気でかかってきなさい」

 その言葉に興奮したのか、斥候とほかの面面が会場から降りてくる。

「ま、まて!お前ら三人、ステータスを持っていないだろう!」

 そう叫んだのははるか後方にいる天ノ川。光魔法の派生に回復魔法があると聞くし、それで自己回復したのだろう、傷は見当たらなかった。

「あぁん? 本当か?」

「んなわけないでしょう?」

 そう言って笑みを浮かべるのは会長。意外とノリノリだった!

「開始はこのコインでいいのか?」

「構わないわ」

 斥候は確認をとったあと、コインを上に弾く。

 軽い金属音が鳴り響く。

 やがて上方向の力が収束し、重力によって地面へと引き寄せられる。

 と、ここで会長が右手を上げる。

 俺たちはその合図に従い、瞬間装着を起動。体に装備を身に着ける。

 俺は仮面をつけると、魔銃と司に作ってもらった銃を構える。うーん、不格好だな。何か名前は......魔弾銃なんてどうだろう。とりあえず一時しのぎだが。

 夢の二丁拳銃を構えられたことに喜びを感じていたところで、コインが地面へと落ちた。

 戦闘開始。

 俺は最初からスキルを使用しないと最終職には勝てないことがわかっているので、さっさと双子座ジェミニを起動し、二人に増える。

「「まさか!」」

 そう声が上がったのは後方。片方は天ノ川で......もう片方は治癒の中学生か。

 しかし、声に気をとられている間に、俺が殺される。

「まずは一人、チッ、手ごたえなさすぎるぜ、どんな低レベルだよ」

 そう言ってまた隠密を起動した斥候。しかし、そのころにはもう復活していた。

 しかし、左手に持っていたはずの銃がない。どうやら魔弾銃は装備として複製できるらしいが、知能ある武器インテリジェンスウェポンは生物の扱いなのか、知能があるからダメなのかはわからないが、死体の左手に握られたままだ。

 仕方がないので魔弾銃を構える。とりあえず当たればもうかりもの程度の気持ちで50-50の百発撃つか。

 魔弾銃に魔力を込めて、引き金を引いていく。味方に当たらないところ、そして建物や周囲にいる見物人に当たらないように撃ちだす。

 しかしやはり当たらなかった。伊達に最終職に到達したまである。

 とか思っていると、視線を感じた。

 二人で散開すると、双子座ジェミニのほうに行った斥候が殺していた。

 「これで二人......あっちは分体だったって感じか?......ってマジかよ」

 斥候は気づいた。 俺の死体が二つあるのに、未だ俺たちは二人いることに。

 このスキル、未だにどんな工程を経てこれができているのか俺ですらも皆目見当もつかない。

 しかし、これができるだけで十分だ。

 魔弾を今度は斥候を無視し、舞台上に残っていた魔法使いと弓使いに撃ちだす。

 と、ここで魔法使いは障壁のようなもので防御が間に合ったが、予想外の攻撃で、弓使いは反射的に飛び上がって回避をした。
 
 そのすきを狙って徹が一気に身体強化を施し、先生を抱えると、一度後ろに退散した。

 良し、と喜んでいる間にまた双子座ジェミニが斥候に殺された。

 すぐさま双子座ジェミニを起動し、呼び出す。

「あきらめる気になったか?」

「ふざけんな、これほどたのしい戦いは今までで初めてだぜ!お前が創造師か!」


「いいや......ただの魔力バカさ」







 会長は、予知を瞬間的に使用することで、槍使いの攻撃を避けていた。

「あらあら、こんなものかしら?」

「うっせぇ!」

 槍使いの動きが一段階速くなる。しかし会長には当たらない。

 ステータスの差が絶望的にあるはずなのだが、どうしてよけられているかというと、これも会長の正確性故だろう。

 拓海は死んでも死なないようになってステータスの差を覆いつくすほどの物量で押しつぶした。

 それに対して会長は、未来を正確に見て、寸分のズレもなくかわして見せる技量で抑え込んでいる。

「こんな化け物みたいなやつと戦えるだなんて、俺は超運がいいぜ!」

「あら、今日死ぬのだから、運が悪いとの間違いじゃないかしら」

 槍がいくら攻撃しようとも、会長はいともたやすくよけていく。

「あなたの未来は、もうすでに見えているの」






 司は、盾使いをひたすらに攻撃していた。

 なぜか、大型ロボットで。

「これが創造師の火力か。このパンチは痛いな、痛い。この感覚も久々だ」

「そりゃぁどうもぉ!」

 そう言ってまたも右の拳で殴るも、盾でふさいでしまう。

「そんな大きなものを動かして、お前の燃料はいつ切れるのだろうな。」

 その盾使いの指摘に対して、司は「ふふん!」と鼻を鳴らす。

「この巨大ロボ、ツ:カーサのいまの動力源は、魔力精製炉だよぉ!」

「な、あのポンコツがか!?」

 魔力精製炉というのは、魔力を何かのエネルギーに変換し、それをまた魔力に戻すという工程を繰り返す装置だ。
 そして魔力の変換の時に魔石によって効率を強化すると、百パーセントを超える変換効率を出すことができるという一種の世界のバグを利用した装置だ。

 魔石のランクによって性能がおおきく変わったり、貴重な金属を使用したりと、様々な代償こそあるものの、無から有を生み出す、古代の錬金術の解のような装置を、司は男のロマンに積み込んだ。

「ロボット×美少女は世界なんだよぉぉぉおおおお! 美少女まってるよぉぉぉおおおおお!」

「何をわけのわからないことを言っているのだ!」

 盾使いと司の攻防は、まだまだ続く。


 先生を抱えて後方まで一度撤退した徹。
 先生は顔を真っ赤にして、涙を流しながらお礼を言っていた。

 俺が一番スピードが出るとはいえ、ここまで離脱したのはミスったかな......

 とはいえ、それを先生の前で呟けるはずもなかった。
 ので、今できることを考える......そういえば。

「あいつら、爆破とか言ってたよな、この学校に爆弾でも仕掛けてんのか? 会長そんなこと言ってたっけか」

 特に会長も言及していなかったが、どうしても爆破の二文字が脳裏をかすめる。

「あいつら大丈夫そうだし、いっちょ探しますか」

 先生をさっきの治療していた中学生の隣に座らせると、俺は校舎のほうへと足を進めた。
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