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最終章 きっと
銀色の弾丸
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「俺を殺せば、世界の危機は去る。なぜなら、すべて僕が起こしたからだ」
「なぜ、そんなことを......」
「決まっているじゃあないか。スパイスも何もない物語を、誰が好むのかね? まぁ、未熟ゆえの分量ミスはあっただろうが......そんなことはどうでもいい。残念なことに特異点である君を簡単に『死んだ』などとはできなくてね。ここで、一騎討というわけ」
けらけらと笑いながら大山は語る。
「俺を殺せば、世界の危機は去る。が、同時に作家の死んだ物語も終結する、簡単に言えば数奇な運命から逃れられる、というわけだが、それは理解できるかね?」
「何をわけのわからないことを!」
「あぁ、気にしなくていいさ。例えば、人間を変異種にする薬なんて、キーワードに名前を大山神なんてつけて遊んだら、全然服用されなくて悲しかったり、そんなくらいさ」
「あれは貴様の仕業だったというわけか......」
「もちろん。君が十階層で何があったかは知らないが、そのあとから直接的干渉が効かなくてね......まぁ、それは気にしないさ。」
そういうと、大山はどこからか取り出した本に、ペンで記述をしていく。
「我は綴る。我は書く。我は語る。魔力無限、体力無限、全適正習得をID 大山 たろう に付与。 『作家権能』」
その瞬間、大山の持つ空気が変わった。
「これで僕は殺せないが、君を殺せる、というわけだ。本当に、この世界に編集者の介入がなかったのが功を奏した! さて、始めよう!」
これほど不平等な戦いなど、今までにあっただろうか。
きっと、ここから始まるのは、ラノベによくある俺TUEEEだ。相手がだが。
俺は二人に分かれ、一気に魔法を撃ちだしていく。
すると大山も同じように魔弾を撃ちだす。
しかし、大山は属性魔法が使え、全魔弾に何かしらの属性がかかっていた。
強化倍率的に負ける俺。
ドンドンと押されていくこの戦い。が、先に焦って動きを変えたのは大山だった。
魔法刀身を手刀に付与し、走って切りかかってくる。
すんでのところで回避をする。
しかし、そのあとに続いた言葉は耳を疑うものだった。
「―――――『蟹星ノ神罰』」
何が起きたか、さらに伸びた魔法刀身が、俺を一気にハサミギロチンのように分断した。
即座に復活する俺。大山はそれを見て「ヒュー!」と言いながら、話を始めた。
「もともとこれは処刑具をモチーフに作ったんだけどねぇ......蟹だね、これ」
「作った?」
「もちろん。すべて。だから使えるのもまた必然なのだよ」
そういうと、今度はまた別の奥義を繰り出す。
「―――――『乙女星ノ神罰』」
その瞬間、俺が鎖に捉えられ、体を拘束される。
そして現れたとげのついた鉄の棺桶―――――処刑具、アイアンメイデンをモチーフに作ったであろうそれに、俺はまたも殺される。
即座に復活する。が、大山は顔をしかめている。
「本当は、そのスキルに変化させるつもりがなければ、そのスキルを君に与えるつもりもなかった。なのに、あの銀髪娘は、本当に.......!」
「もう、話すことはなさそうだ!」
俺は、体力無限に対する唯一の対処を知っていた。
一回目の死の時、地面に転がってしまったそれを拾うと、銀の弾丸を込める。
『決めたのじゃな』
「あぁ、行くぞ!」
「何を! 実をいえばその魔銃だって!」
大山は話足りないというようにまだ話を続けようとするが、俺は聞かない。
「『我ハ求ム。神滅ノ弾丸――――
『神殺しの弾丸』!』!」
その瞬間、俺の体がもっていかれた。
「それも、それも! あの銀髪のせいですべて狂った!あいつと同じ弾でだと! そんな記述をした覚えはない!」
しかし、兆を優に超えていた魔力と最終職まで上り詰めた、その魂。ステータス。肉体。
それらすべてを込めた魔弾が込められた魔銃は、宙に浮き標準を合わせる。
『おぬしもまた、逝ってしまったか......』
そう独り言ちり、引き金を自らの力で動かした。
「こんなことが! あってたまるか! 『作家けん―――――
大山の唯一の間違いは、この世界に降り立つ時、「作家っぽいのがいい」というだけで本に書くという権能にしてしまったことだろう。
即効性に欠ける権能ではどうすることもできずに、大山の体を極光の弾丸が貫いた。
その日。零時半にも関わらず、昼のように明るくなった。
一筋の線が見え、集まって待機していた彼らは理由と結果を察した。
七月八日。この日、彼らは四年にわたる戦いに勝利した。
「なぜ、そんなことを......」
「決まっているじゃあないか。スパイスも何もない物語を、誰が好むのかね? まぁ、未熟ゆえの分量ミスはあっただろうが......そんなことはどうでもいい。残念なことに特異点である君を簡単に『死んだ』などとはできなくてね。ここで、一騎討というわけ」
けらけらと笑いながら大山は語る。
「俺を殺せば、世界の危機は去る。が、同時に作家の死んだ物語も終結する、簡単に言えば数奇な運命から逃れられる、というわけだが、それは理解できるかね?」
「何をわけのわからないことを!」
「あぁ、気にしなくていいさ。例えば、人間を変異種にする薬なんて、キーワードに名前を大山神なんてつけて遊んだら、全然服用されなくて悲しかったり、そんなくらいさ」
「あれは貴様の仕業だったというわけか......」
「もちろん。君が十階層で何があったかは知らないが、そのあとから直接的干渉が効かなくてね......まぁ、それは気にしないさ。」
そういうと、大山はどこからか取り出した本に、ペンで記述をしていく。
「我は綴る。我は書く。我は語る。魔力無限、体力無限、全適正習得をID 大山 たろう に付与。 『作家権能』」
その瞬間、大山の持つ空気が変わった。
「これで僕は殺せないが、君を殺せる、というわけだ。本当に、この世界に編集者の介入がなかったのが功を奏した! さて、始めよう!」
これほど不平等な戦いなど、今までにあっただろうか。
きっと、ここから始まるのは、ラノベによくある俺TUEEEだ。相手がだが。
俺は二人に分かれ、一気に魔法を撃ちだしていく。
すると大山も同じように魔弾を撃ちだす。
しかし、大山は属性魔法が使え、全魔弾に何かしらの属性がかかっていた。
強化倍率的に負ける俺。
ドンドンと押されていくこの戦い。が、先に焦って動きを変えたのは大山だった。
魔法刀身を手刀に付与し、走って切りかかってくる。
すんでのところで回避をする。
しかし、そのあとに続いた言葉は耳を疑うものだった。
「―――――『蟹星ノ神罰』」
何が起きたか、さらに伸びた魔法刀身が、俺を一気にハサミギロチンのように分断した。
即座に復活する俺。大山はそれを見て「ヒュー!」と言いながら、話を始めた。
「もともとこれは処刑具をモチーフに作ったんだけどねぇ......蟹だね、これ」
「作った?」
「もちろん。すべて。だから使えるのもまた必然なのだよ」
そういうと、今度はまた別の奥義を繰り出す。
「―――――『乙女星ノ神罰』」
その瞬間、俺が鎖に捉えられ、体を拘束される。
そして現れたとげのついた鉄の棺桶―――――処刑具、アイアンメイデンをモチーフに作ったであろうそれに、俺はまたも殺される。
即座に復活する。が、大山は顔をしかめている。
「本当は、そのスキルに変化させるつもりがなければ、そのスキルを君に与えるつもりもなかった。なのに、あの銀髪娘は、本当に.......!」
「もう、話すことはなさそうだ!」
俺は、体力無限に対する唯一の対処を知っていた。
一回目の死の時、地面に転がってしまったそれを拾うと、銀の弾丸を込める。
『決めたのじゃな』
「あぁ、行くぞ!」
「何を! 実をいえばその魔銃だって!」
大山は話足りないというようにまだ話を続けようとするが、俺は聞かない。
「『我ハ求ム。神滅ノ弾丸――――
『神殺しの弾丸』!』!」
その瞬間、俺の体がもっていかれた。
「それも、それも! あの銀髪のせいですべて狂った!あいつと同じ弾でだと! そんな記述をした覚えはない!」
しかし、兆を優に超えていた魔力と最終職まで上り詰めた、その魂。ステータス。肉体。
それらすべてを込めた魔弾が込められた魔銃は、宙に浮き標準を合わせる。
『おぬしもまた、逝ってしまったか......』
そう独り言ちり、引き金を自らの力で動かした。
「こんなことが! あってたまるか! 『作家けん―――――
大山の唯一の間違いは、この世界に降り立つ時、「作家っぽいのがいい」というだけで本に書くという権能にしてしまったことだろう。
即効性に欠ける権能ではどうすることもできずに、大山の体を極光の弾丸が貫いた。
その日。零時半にも関わらず、昼のように明るくなった。
一筋の線が見え、集まって待機していた彼らは理由と結果を察した。
七月八日。この日、彼らは四年にわたる戦いに勝利した。
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