地道に行くしかないみたい

エシカ

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序章

進めども

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地球のように時間が経つにつれて少しずつ日が傾いてきてここにも太陽、若しくはそれに似た何かがあるのかと歩きながら思った雄斗であったが、流石に暗闇の森の中を歩く度胸は無く、どうしようと異世界転移した事実より焦ってきた。

「こうゆうとき何かしら来たり見たりするのになぁ」

本当に今の今まで動くものを見ていないのも不安を煽る一端となっておりこれから暗闇がやってくるとしたらどうなるのかなど考えれば考える程ド堝にはまる。

「怖っ…」

そうこう考えているうちに先ほどまであった太陽の光がほぼ無くなり夜の帳が下りてきた。
先程からも薄暗かったので夜目は効いて何処に木があるか地面の構造等は頑張れば見えなくはない。

「マジで怖い…いや、ホントに……」

雄斗はスマホがあればとりあえず安心するのにと思ったが転移してきたとき服は地球で着ていたものだったがそれ以外の所有物が1つも無かった。
身一つでここまで歩いたがもうお手上げで何かに襲われて殺されるなら殺せと思うくらいには精神的に限界がきていた。

と、ここで少し大きめの木があり幸運(?)なことに人1人入れそうな大きな洞を見つけ、思わず天の助け!と急いでそこに入り込む。

入り口はそうでもなかったが中は程よく広く足を少し伸ばせる広さで、偶然で見つけたものだったが儲けものと思えるくらいには快適な空間だった。

「今夜の宿はここで決まりだな!宜しく、木さん!」

あの暗闇の中ただひたすら歩き続けることが無くなり安心したら、次に思いついてきたのは地球にいる家族や友人の事だった。

割りと仲良くやれてた方の父、母、祖母、弟、そしてワンコ
30になっても未だ実家暮らしフリーターでもあまり責められることなくこれまで暮らしてきて、甘やかされてきたなぁとしみじみ思った。
友人は多くはなかったが高校の時の友達が数人いて10年以上の付き合いがあった。皆結婚したり恋人がいたりしたがそれなりに遊んだ記憶がある。
俺は陰キャでインドアでゲームや漫画が好きで今実際に自分の身に起きている異世界ものが大好きだったがこんな異世界なら今すぐ帰りたい気しかしない。

「チートもなさそうだし、念じても何か出るわけでもなし。。」

数時間は歩いて足も心も疲労し、寝れる体制になったことからいつの間にか睡魔が襲ってきた。微睡みの中でこの先も進めども進めども森だったらどうしようと思ったが明日こそは何かあるはずと思い直し、眠気に逆らわず今度こそ夢の世界へと旅だったのであった。


つづく
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