39 / 102
その頃の静香
しおりを挟む
(side 静香)
『真人と柚希は、相変わらず糖分過多か…』
「でも、兄が容疑者になったあの元母と元姉の枷から解放されましたから、あれくらいでも足りないと思いますよ」
『だろうな。 嘘告白の件がきっかけで柚希と出会い、急速に仲を深めたからな。 それだけあいつも心の癒しを求めてたんだろうな』
私、大谷 静香は、自分のスマホから兄の友人かつ柚希ちゃんの兄の楠 和人さんと通話をしていた。
本来の目的は、明日のデートプランに関することなんだけど、和人さんから兄と柚希ちゃんの進展具合を聞かれたので、ひとまずの報告もしておいた。 一晩のお泊まりまでしてるわけだし、気になっているんだろうね。
今頃、柚希ちゃんと兄である真人は、お風呂に入ってるんだろうけど…。
『それと、明日のデートなんだが、やや遠目の遊園地にしようと思うんだ。 あそこ、秋ごろに閉園するみたいだし』
「へ、閉園しちゃうんですか!?」
『ああ、客入りが芳しくないからって…。 ニュースにもなってたぞ』
あー、見てなかった…。
まさか、あの遊園地…端島園が閉園するなんて…。
兄と柚希ちゃんを見守ってばかりいたから、その辺りのニュースはスルーしてたよ…。
「閉園が近いなら、行くしかないですね。 集合場所はどうします?」
『真人の家の玄関前だな。 丁度柚希を迎えにそっちに行くから、そのついでにな』
「ああ、なるほど」
待ち合わせ場所は、この家の玄関前。
丁度、柚希ちゃんを迎えにここに来るついでにという事らしいが…。
あの黒塗りの高級車で来るとなると、目立っちゃうかも知れないね。
黒塗りの高級車に対する風評被害もあるかも知れないしね。
「じゃあ、明日待ってますからね」
『ああ、真人と柚希にもよろしく伝えてくれ。 じゃあ、失礼するよ』
和人さんがそう言って通話を終えたので、私も通話モードを終える。
「はにゃああぁっ、静香ちゃーん!」
「えっ、えっ!?」
下の階の風呂場から、柚希ちゃんの悲鳴が聞こえた。
慌てて風呂場に向かうと、ぐったりして気を失った兄と涙目になっているバスタオル姿の柚希ちゃんがいた。
「柚希ちゃん、まさか一緒に…?」
「はいなのです…。 真人お兄ちゃんと一緒に入りたくて…つい…」
「はぁ…」
予想通りだった。
兄が先に風呂に入ったが、柚希ちゃんが一緒に入りたくて乱入したのだ。
柚希ちゃんは、好きな人に対しては無防備になる癖がある。 兄の真人が好きな人であるから、こうなってしまったのだろう。
兄もよく理性を保てたものだ。
「とにかく、着替えを持ってくるから柚希ちゃんは、お兄ちゃんの身体を拭いてあげて」
「わ、分かったのです!」
「後、お兄ちゃんに一応、謝った方がいいよ。 お兄ちゃんは優しいから絶対許すと思うけどね」
私は苦笑いをしながら、兄の着替えを取りに行く。
まあ、あの二人の絆はそんなことで壊れはしないし、大丈夫でしょ。
うん、大丈夫。
『真人と柚希は、相変わらず糖分過多か…』
「でも、兄が容疑者になったあの元母と元姉の枷から解放されましたから、あれくらいでも足りないと思いますよ」
『だろうな。 嘘告白の件がきっかけで柚希と出会い、急速に仲を深めたからな。 それだけあいつも心の癒しを求めてたんだろうな』
私、大谷 静香は、自分のスマホから兄の友人かつ柚希ちゃんの兄の楠 和人さんと通話をしていた。
本来の目的は、明日のデートプランに関することなんだけど、和人さんから兄と柚希ちゃんの進展具合を聞かれたので、ひとまずの報告もしておいた。 一晩のお泊まりまでしてるわけだし、気になっているんだろうね。
今頃、柚希ちゃんと兄である真人は、お風呂に入ってるんだろうけど…。
『それと、明日のデートなんだが、やや遠目の遊園地にしようと思うんだ。 あそこ、秋ごろに閉園するみたいだし』
「へ、閉園しちゃうんですか!?」
『ああ、客入りが芳しくないからって…。 ニュースにもなってたぞ』
あー、見てなかった…。
まさか、あの遊園地…端島園が閉園するなんて…。
兄と柚希ちゃんを見守ってばかりいたから、その辺りのニュースはスルーしてたよ…。
「閉園が近いなら、行くしかないですね。 集合場所はどうします?」
『真人の家の玄関前だな。 丁度柚希を迎えにそっちに行くから、そのついでにな』
「ああ、なるほど」
待ち合わせ場所は、この家の玄関前。
丁度、柚希ちゃんを迎えにここに来るついでにという事らしいが…。
あの黒塗りの高級車で来るとなると、目立っちゃうかも知れないね。
黒塗りの高級車に対する風評被害もあるかも知れないしね。
「じゃあ、明日待ってますからね」
『ああ、真人と柚希にもよろしく伝えてくれ。 じゃあ、失礼するよ』
和人さんがそう言って通話を終えたので、私も通話モードを終える。
「はにゃああぁっ、静香ちゃーん!」
「えっ、えっ!?」
下の階の風呂場から、柚希ちゃんの悲鳴が聞こえた。
慌てて風呂場に向かうと、ぐったりして気を失った兄と涙目になっているバスタオル姿の柚希ちゃんがいた。
「柚希ちゃん、まさか一緒に…?」
「はいなのです…。 真人お兄ちゃんと一緒に入りたくて…つい…」
「はぁ…」
予想通りだった。
兄が先に風呂に入ったが、柚希ちゃんが一緒に入りたくて乱入したのだ。
柚希ちゃんは、好きな人に対しては無防備になる癖がある。 兄の真人が好きな人であるから、こうなってしまったのだろう。
兄もよく理性を保てたものだ。
「とにかく、着替えを持ってくるから柚希ちゃんは、お兄ちゃんの身体を拭いてあげて」
「わ、分かったのです!」
「後、お兄ちゃんに一応、謝った方がいいよ。 お兄ちゃんは優しいから絶対許すと思うけどね」
私は苦笑いをしながら、兄の着替えを取りに行く。
まあ、あの二人の絆はそんなことで壊れはしないし、大丈夫でしょ。
うん、大丈夫。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
17
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる