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23 解析結果と燻る闇
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「この青い魔石のようなものは旧魔王の心臓だった物を何者かによって複製した代物?」
「はい。 解析した結果でして……。 効果や内包された魔力は文献で記されたものと一致していました」
3日後、解析結果が出たという父のエヴァンからの連絡があった。
それを受けてアリス、ココア、モニカを留守番を任せたレクスは、父のエヴァンと合流してギルドに向かった。
そして、ギルドのマスタールームで3日前の青い魔石のような物の解析の結果を聞いて驚きを隠せなかった。
それはかつてこの世界を脅かした旧魔王の心臓だった物を複製した代物だと言う。
「これを埋め込まれた相手は、本来の能力をかなり底上げする効果を与えます。 本来ならDランクの強さ魔物がBランク相当の強さを得る事が可能です」
「どうりであのコボルトの攻撃が重かったわけだ。 その魔石によって攻撃力が上がってたわけだな」
「そういう事です。 本来のコボルトはCランクですが、強さはBランクとAランクの中間にまで上昇していたのでしょう」
ギルドマスターの話を聞いたレクスは、あの時のコボルトの強さに納得した。
つまり、魔石の力による底上げだったようだ。
しかし、同時に疑問も生じた。
「それで、その魔石は複製したものなら誰がこれを? それにどうやってコボルトにその魔石を?」
「それなんだがな……」
「父さん?」
「エヴァン様……」
レクスの疑問に答えようとしたの父のエヴァンだった。
しかも、かなり深刻な表情をして……。
「魔王がいなくなった事で手を取り合って行こうとはせずに、世界を自分が管理すべきと言う主張の国があってな。 フューリア王国とその同盟国はその国と敵対しているのだ」
「その国って……?」
「クアトラブル王国だ」
「初めて聞く名前だな。 ギルドマスターは知ってますか?」
エヴァンから聞いたレクスにとっては初めて聞く国……クアトラブル王国という国名について、ギルドマスターに聞いた。
ギルドマスターは、表情を歪めながらゆっくり口を開いた。
「私の父がギルドマスターをしていた時代……私がまだ産まれてない頃に魔王軍の脅威にさらされました。 その時にフューリア王国を始めとした多数の国が手を組んで魔王を退けましたが、一国だけは愚王の思想によって手伝いもしなかった国がありました。 それがクアトラブル王国なんです」
「手伝わなかった?」
「当時のクアトラブル王国は、魔王軍に対しても話し合いで解決すべきと言うお花畑の思想を抱えていた国王が統治していたのだ」
ギルドマスター、そしてエヴァンの語るクアトラブル王国の評判は聞いた限り最悪のようだ。
どうもクアトラブル王国の国王は、魔王軍相手でも話し合いで解決すべきと言う当時のお花畑な思想を抱えていたらしいのだ。
「魔王軍の脅威に立ち向かわないと人類が危ないと言うのを理解している国は一斉にクアトラブル王国を批判した。 だが、奴は聞く耳持つどころか、世界を自分達が管理したほうがいいとのたまったのだ」
「結局、クアトラブル以外の国家群が魔王軍を倒した事で、クアトラブルは失望し、本格的に世界を管理しようと暫くは鳴りを潜めて準備をしていたようです」
「その一つがこれ……とか?」
「はい。 仮名【ブーステッドストーン】は魔物には能力の底上げの効果を持ちますが、人間が使うとそこに狂戦士化という最悪の状態に変化します」
「じゃあ、あのダンジョンには密かに……」
「多分だが、クアトラブルの隠密が隠れて仕込んだのだろう。 まず冒険者の勢力を減らして、【世界冒険者連盟】を滅ぼす事を決めたんだ」
ここまで話を聞いてようやく理解できた。
つまり、あのコボルトの強化はクアトラブルの仕込みという事になる。
目的は冒険者の勢力を削いでから、【世界冒険者連盟】の壊滅の足掛かりとするためだ。
それを知ったレクスは、怒りの感情に包まれていた。
「国王様にも報告済みで、各国と提携してクアトラブルをどうするか決めるようです」
「冒険者活動をしている間に奴の刺客が来るかもしれなから、気を付けるようにとアリス君達にも伝えてくれ」
「分かったよ、父さん」
そう返事をしたレクスは、エヴァンとギルドマスターに挨拶をしてからすぐに自宅に戻った。
今回の事実を話すためだ。
(アリスとモニカ、ココアは何としても守らないと)
心の中でそう決意をしながら……。
「はい。 解析した結果でして……。 効果や内包された魔力は文献で記されたものと一致していました」
3日後、解析結果が出たという父のエヴァンからの連絡があった。
それを受けてアリス、ココア、モニカを留守番を任せたレクスは、父のエヴァンと合流してギルドに向かった。
そして、ギルドのマスタールームで3日前の青い魔石のような物の解析の結果を聞いて驚きを隠せなかった。
それはかつてこの世界を脅かした旧魔王の心臓だった物を複製した代物だと言う。
「これを埋め込まれた相手は、本来の能力をかなり底上げする効果を与えます。 本来ならDランクの強さ魔物がBランク相当の強さを得る事が可能です」
「どうりであのコボルトの攻撃が重かったわけだ。 その魔石によって攻撃力が上がってたわけだな」
「そういう事です。 本来のコボルトはCランクですが、強さはBランクとAランクの中間にまで上昇していたのでしょう」
ギルドマスターの話を聞いたレクスは、あの時のコボルトの強さに納得した。
つまり、魔石の力による底上げだったようだ。
しかし、同時に疑問も生じた。
「それで、その魔石は複製したものなら誰がこれを? それにどうやってコボルトにその魔石を?」
「それなんだがな……」
「父さん?」
「エヴァン様……」
レクスの疑問に答えようとしたの父のエヴァンだった。
しかも、かなり深刻な表情をして……。
「魔王がいなくなった事で手を取り合って行こうとはせずに、世界を自分が管理すべきと言う主張の国があってな。 フューリア王国とその同盟国はその国と敵対しているのだ」
「その国って……?」
「クアトラブル王国だ」
「初めて聞く名前だな。 ギルドマスターは知ってますか?」
エヴァンから聞いたレクスにとっては初めて聞く国……クアトラブル王国という国名について、ギルドマスターに聞いた。
ギルドマスターは、表情を歪めながらゆっくり口を開いた。
「私の父がギルドマスターをしていた時代……私がまだ産まれてない頃に魔王軍の脅威にさらされました。 その時にフューリア王国を始めとした多数の国が手を組んで魔王を退けましたが、一国だけは愚王の思想によって手伝いもしなかった国がありました。 それがクアトラブル王国なんです」
「手伝わなかった?」
「当時のクアトラブル王国は、魔王軍に対しても話し合いで解決すべきと言うお花畑の思想を抱えていた国王が統治していたのだ」
ギルドマスター、そしてエヴァンの語るクアトラブル王国の評判は聞いた限り最悪のようだ。
どうもクアトラブル王国の国王は、魔王軍相手でも話し合いで解決すべきと言う当時のお花畑な思想を抱えていたらしいのだ。
「魔王軍の脅威に立ち向かわないと人類が危ないと言うのを理解している国は一斉にクアトラブル王国を批判した。 だが、奴は聞く耳持つどころか、世界を自分達が管理したほうがいいとのたまったのだ」
「結局、クアトラブル以外の国家群が魔王軍を倒した事で、クアトラブルは失望し、本格的に世界を管理しようと暫くは鳴りを潜めて準備をしていたようです」
「その一つがこれ……とか?」
「はい。 仮名【ブーステッドストーン】は魔物には能力の底上げの効果を持ちますが、人間が使うとそこに狂戦士化という最悪の状態に変化します」
「じゃあ、あのダンジョンには密かに……」
「多分だが、クアトラブルの隠密が隠れて仕込んだのだろう。 まず冒険者の勢力を減らして、【世界冒険者連盟】を滅ぼす事を決めたんだ」
ここまで話を聞いてようやく理解できた。
つまり、あのコボルトの強化はクアトラブルの仕込みという事になる。
目的は冒険者の勢力を削いでから、【世界冒険者連盟】の壊滅の足掛かりとするためだ。
それを知ったレクスは、怒りの感情に包まれていた。
「国王様にも報告済みで、各国と提携してクアトラブルをどうするか決めるようです」
「冒険者活動をしている間に奴の刺客が来るかもしれなから、気を付けるようにとアリス君達にも伝えてくれ」
「分かったよ、父さん」
そう返事をしたレクスは、エヴァンとギルドマスターに挨拶をしてからすぐに自宅に戻った。
今回の事実を話すためだ。
(アリスとモニカ、ココアは何としても守らないと)
心の中でそう決意をしながら……。
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