追憶の刃ーーかつて時空を飛ばされた殺人鬼は、記憶を失くし、200年後の世界で学生として生きるーー

ノリオ

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【第四章】学園生活

【第九話】フェルビア学園⑥

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「まったく!!恭司が遊んでるからギリギリになっちゃったよ!!」

「面目ない……」


普通の道を走り、二人は何とか始業時間前に学校に着くことが出来た。

現在の時間は8時25分。

今は正門の前にきた所で、もはや周りに人は誰もいない。

始業時間が8時30分であることを考えれば当たり前である。

というより、恭司は転校初日で職員室に行く必要があるため遅刻だ。


「ユウカ。職員室の場所を教えてくれ」


しかも職員室の場所も分からなかった。

ユウカはやれやれと肩を竦め、手招きしながら恭司の前を悠然と歩く。

付いて来いという意味だ。


「いや、場所を教えてくれればそれでいいんだが……」


暗にユウカは一人で教室に行ってもいいと施す。

しかし、

ユウカはチッチッチと指を横に振った。


「口頭じゃきっと分からないよ。この学校、すごく広いの。そもそも、ここからどっちの校舎に行くべきか分かる?」

「いや……」


そう、この学校『フェルビア学園』は途轍もなく広く、その上校舎も二つあった。

どちらもそこらのビルとは桁違いに高く、横幅も凄まじい。

初めて見る者からすれば圧巻の一言だ。

そんな物が二つも並んでいるのだから、単純にすごい迫力である。


「この学校には『武芸科』と『魔法科』の二つの科があってね、仲が悪いから校舎も分けられてるの。しかもどっちも戦闘メインの科だから、体育館とかも超広くて頑丈なのがいくつもあるんだよね」

「それは広そうだな……」


校舎2つに巨大な体育館がいくつも。

そこにプラスアルファでグラウンドや他の施設があることを考えれば、その敷地も凄まじいことは想像に難くなかった。

しかも、

その立地は都会のど真ん中ときている。

驚くを通り越して呆れそうだった。


「生徒数もすごいんだよ。1校舎あたり1学年500人以上いるんじゃないかな。だから教室の数もすごいの。職員室なんて一人で探しだしたら永遠に見つからないよ」


2校舎合わせて1学年1000人以上……。

3学年合わせて3000人以上の施設……。

永遠ということはないだろうが、確かに一人で探すのは無謀だということは分かった。

これだけ広い建物と敷地なら、単純に見るだけでも相当な時間がかかってしまう。


(というか、校舎分けるくらいなら敷地も別にすればいいのに……)


恭司は大きくため息を吐くと、ユウカの後ろを歩き始めた。

頭をポリポリと描きながら、これからの学校生活を憂う。


「変なとこ来ちまったなぁ……」


慣れるにはかなり時間がかかりそうだと感じながら、恭司は既に始業している学園内を、ユウカと共にのんびり歩いた。

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