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キンバリーの言い分2
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「では、お前は……俺がフィオラに消えて欲しいと、そう考えていると思っているのだな?」
ニコライは動揺していた。
まるで、得体のしれない生き物と対峙しているような錯覚に陥る。忠実な部下だったはずのキンバリーの言動が、気が触れているようにしか思えない。
ニコライは慎重に言葉を選んだ。
理解してもらえたと思ったのか、キンバリーが満足そうに頷く。
キンバリーとは、このような男だっただろうか。それとも、自分の目が節穴だっただけなのか。
ニコライは、己の鑑識眼の無さに失望していた。
「それは……俺の何が、お前に、そう思わせたのだろうか?」
「何って……だって、最強である団長に魔力の欠片もないあの女は合わないじゃないですか」
「……は?」
当然の如く言うキンバリーに、ニコライは思わずぽかんとする。
……そんな理由で??
「まさか……それだけか?」
「それだけじゃないっㇲ!団長の隣に立つのであれば、本来なら魔力の高いご令嬢でなければなりません。例えば、同じ辺境伯のご令嬢でも、妹の方はそこそこの魔力を持っているとか……他にも、魔法騎士になれる程の魔力を持つご令嬢はいます」
びしっ、とベッドの上に正座をしたキンバリーが、キリリッと答える。
同じ理由じゃねぇか!!
それだけじゃないと言いつつ、その内容は前の言葉を説明しただけ。その程度の洞察で、よくもまあニコライの事なら何でも知っているような事を言えたものである。
しかしこの様子だと、どうやらキンバリーの単独犯のように思えた。
奇しくも国王陛下と言っている事が酷似しているが、国王陛下であれば、こんなまどろっこしい事はしないと思うのだ。
本当に単独犯であれば、キンバリーをフィオラに近付けなくさせれば事は大きくならずに済む。
こう見えてもキンバリーは、そこそこ腕の立つ男だ。簡単に切って捨てるのは惜しい。 この男の処罰をどうしたものかとニコライは額を押さえた。
だがニコライの温情虚しく。キンバリーの方はニコライの理解を得られたと思っているのか、随分と口が滑らかだった。
「多分、王命とかだったのでしょう?優しい団長のことです。断れない上に、自ら望んだことにするのは致し方なかったのですよね。俺は分かってました」
いや、分かってねぇし!!
「キンバリー。俺がフィオラを選んだのだと、最初に説明したはずだが?」
ニコライがため息混じりに言っているのに、キンバリーは「俺は、分かってますよ」の、表情を崩さない。
これは、絶対、通じてないな。
これ以上、何を言えばコイツに伝わるのか。
相手が「嘘をついている」「勘違いしているだけ」とかであれば、まだ会話のしようがあるというもの。しかし、目の前のこの男は、自分の考えを信じて疑っていないのだ。
こんなにも言葉が通じない人間がいることを、ニコライは初めて知った。
「……コイツは、やばい奴だな」
「……ですね。はじめはキンバリーが男色家で、旦那様に気があるが故の嫉妬かと思っていましたが……」
「おい!どんな妄想してるんだ」
ニコライとヒューゴが、ひそひそと会話する。
意外にもヒューゴは妄想家だったらしい。本当にそうだったとしても、それはそれでキンバリーがやばい奴であるということは変わらない。
キンバリーは、そんな二人のやり取りを気にもとめないのか、名案を思い付いたとばかりに手を叩いた。
「そうだ!何で忘れてたんだろう。魔力の強さで言えば、もっと団長に相応しい女性がいました!」
やっぱり、通じていなかった。
ニコライは動揺していた。
まるで、得体のしれない生き物と対峙しているような錯覚に陥る。忠実な部下だったはずのキンバリーの言動が、気が触れているようにしか思えない。
ニコライは慎重に言葉を選んだ。
理解してもらえたと思ったのか、キンバリーが満足そうに頷く。
キンバリーとは、このような男だっただろうか。それとも、自分の目が節穴だっただけなのか。
ニコライは、己の鑑識眼の無さに失望していた。
「それは……俺の何が、お前に、そう思わせたのだろうか?」
「何って……だって、最強である団長に魔力の欠片もないあの女は合わないじゃないですか」
「……は?」
当然の如く言うキンバリーに、ニコライは思わずぽかんとする。
……そんな理由で??
「まさか……それだけか?」
「それだけじゃないっㇲ!団長の隣に立つのであれば、本来なら魔力の高いご令嬢でなければなりません。例えば、同じ辺境伯のご令嬢でも、妹の方はそこそこの魔力を持っているとか……他にも、魔法騎士になれる程の魔力を持つご令嬢はいます」
びしっ、とベッドの上に正座をしたキンバリーが、キリリッと答える。
同じ理由じゃねぇか!!
それだけじゃないと言いつつ、その内容は前の言葉を説明しただけ。その程度の洞察で、よくもまあニコライの事なら何でも知っているような事を言えたものである。
しかしこの様子だと、どうやらキンバリーの単独犯のように思えた。
奇しくも国王陛下と言っている事が酷似しているが、国王陛下であれば、こんなまどろっこしい事はしないと思うのだ。
本当に単独犯であれば、キンバリーをフィオラに近付けなくさせれば事は大きくならずに済む。
こう見えてもキンバリーは、そこそこ腕の立つ男だ。簡単に切って捨てるのは惜しい。 この男の処罰をどうしたものかとニコライは額を押さえた。
だがニコライの温情虚しく。キンバリーの方はニコライの理解を得られたと思っているのか、随分と口が滑らかだった。
「多分、王命とかだったのでしょう?優しい団長のことです。断れない上に、自ら望んだことにするのは致し方なかったのですよね。俺は分かってました」
いや、分かってねぇし!!
「キンバリー。俺がフィオラを選んだのだと、最初に説明したはずだが?」
ニコライがため息混じりに言っているのに、キンバリーは「俺は、分かってますよ」の、表情を崩さない。
これは、絶対、通じてないな。
これ以上、何を言えばコイツに伝わるのか。
相手が「嘘をついている」「勘違いしているだけ」とかであれば、まだ会話のしようがあるというもの。しかし、目の前のこの男は、自分の考えを信じて疑っていないのだ。
こんなにも言葉が通じない人間がいることを、ニコライは初めて知った。
「……コイツは、やばい奴だな」
「……ですね。はじめはキンバリーが男色家で、旦那様に気があるが故の嫉妬かと思っていましたが……」
「おい!どんな妄想してるんだ」
ニコライとヒューゴが、ひそひそと会話する。
意外にもヒューゴは妄想家だったらしい。本当にそうだったとしても、それはそれでキンバリーがやばい奴であるということは変わらない。
キンバリーは、そんな二人のやり取りを気にもとめないのか、名案を思い付いたとばかりに手を叩いた。
「そうだ!何で忘れてたんだろう。魔力の強さで言えば、もっと団長に相応しい女性がいました!」
やっぱり、通じていなかった。
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