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軽食を食む
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「そうですか……そんなことが」
急遽ミーシャが用意してくれたサンドイッチをつまみながら、フィオラが城での出来事をかいつまんで話すとミーシャは神妙な面持ちで頷いた。
平民でも義理の親子の間で問題が起こる事は少なくないらしく、何かを思い出したらしいミーシャが苦虫を潰したような顔をした。
「ほんっとに、子供を巻き込むのは止めて欲しいですよね!ほんとーにっ!!」
「……何か、あったのか?」
「ないですけどっ!ウチは仲良し七人家族ですしっ」
ミーシャは明らかに何かあった様子でぷんぷんしていた。まあ、言いたくなければそれでもいい。
ミーシャの家は両親と祖父母、それと弟が二人いる。しかも父親は体が弱いらしく、ミーシャが一家の大黒柱なのだとか。
「苦労してるんだなぁ……」
「そうお嬢様に言われましても……」
素直に感心しているフィオラに、ミーシャは何とも言えない表情をした。
フィオラにそんなつもりは全くないが、毎日の食事もままならないような生活をしていたフィオラに「苦労している」などと言われても嫌味にしかならないのである。
「本当にねぇ……」
「ぅわっ!リーナ?びっくりしたじゃんかっ!」
ふいに背後で囁かれ、びっくりしたフィオラは飛び上がった。 いつの間にか部屋に入って来ていたリーナが、フィオラの背後でハンカチで涙を拭う仕草をしている。
「いつからいたの?」
「今日の出来事を話されているところくらいでしょうか……」
「……ほぼ最初からじゃん。それで、ライの支度は終わったの?」
リーナはニコライが街に出掛ける為の支度を手伝いに行っていた。因みにフィオラは、ミーシャの手により立派な町娘へと姿を変えている。
そんなリーナが何故か残念そうな目でフィオラを見つめていた。
「何?どうかした?」
「いえ、その内こちらに来るでしょう。それにしても、仲を深めるどころかお嬢様を傷付けて……全く、坊ちゃまは何をしているのかしら」
「私は別に傷付いてはいないんだけど」
ニコライにしても、ミーシャやリーナにしてもフィオラに気を遣ってくれているが、当の本人は何も気にしていなかった。寧ろ、義妹の面白い顔が見られて楽しかったとさえ思っている。
「折角その気になって婚約まで漕ぎ着けたのに、肝心のそのお相手に逃げられたりしたらお話になりませんわ」
「え?何のはなし?」
「本当、ソレですよね!でも、お祭りに行く為に早く帰って来たのですから良いんじゃないのですか?」
ミーシャとリーナは気が合うらしい。フィオラのことであるらしいのに本人を飛び越えて、二人で「あーでもない」「こーでもない」と、きゃっ、きゃっと盛り上がり始めた。
そしてミーシャがフィオラを振り返る。
「お嬢様!こう言っては何ですが……今の時代は婚前でも、もっとこう……仲良くすることはアリだと私は思っているのです!ですよね、リーナさん!」
「そうですとも!私も二人はもっと仲良くするべきだと思ってますよ。せっかく坊ちゃまがその気になったのですから、これを逃がすわけにはいきませんとも!」
今まで結婚に興味を示さなかったニコライのこの機を確実なものにしたい。そんなリーナの心の声がだだ漏れである。
しかし、そんな心の機微など読み取れないフィオラは苦笑した。
「別に……ライと仲が悪いわけじゃないじゃん」
「では、今日はどうでしたか?その……手を繋いだりとか、ありましたかっ?!」
瞳をきらきらとさせたミーシャが、ずいっと前のめりに訊いてくる。 なかなか近付かない二人の距離に内心ではやきもきしていたらしい。
フィオラは「うーん」と、記憶を辿った。しかし、荷物の様に担がれたことしか思い出せない。
急遽ミーシャが用意してくれたサンドイッチをつまみながら、フィオラが城での出来事をかいつまんで話すとミーシャは神妙な面持ちで頷いた。
平民でも義理の親子の間で問題が起こる事は少なくないらしく、何かを思い出したらしいミーシャが苦虫を潰したような顔をした。
「ほんっとに、子供を巻き込むのは止めて欲しいですよね!ほんとーにっ!!」
「……何か、あったのか?」
「ないですけどっ!ウチは仲良し七人家族ですしっ」
ミーシャは明らかに何かあった様子でぷんぷんしていた。まあ、言いたくなければそれでもいい。
ミーシャの家は両親と祖父母、それと弟が二人いる。しかも父親は体が弱いらしく、ミーシャが一家の大黒柱なのだとか。
「苦労してるんだなぁ……」
「そうお嬢様に言われましても……」
素直に感心しているフィオラに、ミーシャは何とも言えない表情をした。
フィオラにそんなつもりは全くないが、毎日の食事もままならないような生活をしていたフィオラに「苦労している」などと言われても嫌味にしかならないのである。
「本当にねぇ……」
「ぅわっ!リーナ?びっくりしたじゃんかっ!」
ふいに背後で囁かれ、びっくりしたフィオラは飛び上がった。 いつの間にか部屋に入って来ていたリーナが、フィオラの背後でハンカチで涙を拭う仕草をしている。
「いつからいたの?」
「今日の出来事を話されているところくらいでしょうか……」
「……ほぼ最初からじゃん。それで、ライの支度は終わったの?」
リーナはニコライが街に出掛ける為の支度を手伝いに行っていた。因みにフィオラは、ミーシャの手により立派な町娘へと姿を変えている。
そんなリーナが何故か残念そうな目でフィオラを見つめていた。
「何?どうかした?」
「いえ、その内こちらに来るでしょう。それにしても、仲を深めるどころかお嬢様を傷付けて……全く、坊ちゃまは何をしているのかしら」
「私は別に傷付いてはいないんだけど」
ニコライにしても、ミーシャやリーナにしてもフィオラに気を遣ってくれているが、当の本人は何も気にしていなかった。寧ろ、義妹の面白い顔が見られて楽しかったとさえ思っている。
「折角その気になって婚約まで漕ぎ着けたのに、肝心のそのお相手に逃げられたりしたらお話になりませんわ」
「え?何のはなし?」
「本当、ソレですよね!でも、お祭りに行く為に早く帰って来たのですから良いんじゃないのですか?」
ミーシャとリーナは気が合うらしい。フィオラのことであるらしいのに本人を飛び越えて、二人で「あーでもない」「こーでもない」と、きゃっ、きゃっと盛り上がり始めた。
そしてミーシャがフィオラを振り返る。
「お嬢様!こう言っては何ですが……今の時代は婚前でも、もっとこう……仲良くすることはアリだと私は思っているのです!ですよね、リーナさん!」
「そうですとも!私も二人はもっと仲良くするべきだと思ってますよ。せっかく坊ちゃまがその気になったのですから、これを逃がすわけにはいきませんとも!」
今まで結婚に興味を示さなかったニコライのこの機を確実なものにしたい。そんなリーナの心の声がだだ漏れである。
しかし、そんな心の機微など読み取れないフィオラは苦笑した。
「別に……ライと仲が悪いわけじゃないじゃん」
「では、今日はどうでしたか?その……手を繋いだりとか、ありましたかっ?!」
瞳をきらきらとさせたミーシャが、ずいっと前のめりに訊いてくる。 なかなか近付かない二人の距離に内心ではやきもきしていたらしい。
フィオラは「うーん」と、記憶を辿った。しかし、荷物の様に担がれたことしか思い出せない。
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