13 / 38
第1章
第12話 記者
しおりを挟む
神奈川県立相模第二高等学校。
そこは特に飛び抜けた部活動もない。平均的な知能、平均的な運動能力の生徒が通う普通の学校…だった。ついこの前までは。
理由は先日の一件で、始めて傘で殺人事件が起きた場所となったのだ。
それを爆破未遂犯を止めた僕。
「昨日は大人気だったね~」
「ほんと勘弁して欲しかったよ。」
今日もいつもどうり霞と学校に向かう。だが昨日は傘事件での取材で大変だった。
「今日はふつうに登校できるといいね(笑)」
「そこ笑うところじゃないからね。」
と他愛もない話をしながらいつものように登校する。
はずだった。
校門の前に着いた途端、マイクを数十本向けられ、フラッシュで写真をバシャバシャバシャ。
『どうやって傘の爆発を止めたんですか?』
『傘が爆発するとなぜわかっていたんですか?』
『歩夢さんお願いします。ご回答を』
「わかりました‼︎ だからもうフラッシュ焚かないでください。」
『おぉ!(記者一同)』
「えぇ。まず何から答えれば…?」
「授業がありますので5分くらいでお願いします。」
「霞、ありがとう。」
小声で礼を言うと満面の笑みが返ってきた。これは「いえいえ」と言ったところだろう。
「そう言う事ですので5分くらいでお願いします。」
『それでは、まず“どうやって傘の爆発を止めたんですか?』
「それは…授業で習った背負い投げと袈裟固めで。」
『柔道の経験は?』
「全く。見様見真似でやりました。」
記者たちは凄まじいスピードでメモを取る。
『次の質問です。なぜ“傘が爆発するとわかったのでしょうか?』
「それは僕が警察に通報して情報を伝えたからです。」
『えっ⁉︎ それは本当なんですか?』
「はい。例えばですがビニール傘は問題ないとか。」
『それはもう開示されて時間が経ってますので、証拠には…』
「これでもですか?」
そう言って自分のスマホを取り出す。
この日付はビニール傘の情報が開示される4日前の某SNSアプリの家族グルールのトーク画面である。
※第5幕参照
『こ、これは…(記者一同)』
『でもなんでわかったんですか?』
「事故現場を観察したんです。そしたらブランド物の傘には外傷がなくて、ビニール傘には外傷があったんですよ。」
『例えばどんなところでしょうか?』
「えっと…ビニールが熱で所々溶けてたり、折れてたり。」
「はい。時間です。」
霞の指示により、記者達はすごく残念そうな顔をしながらそそくさと帰っていた。
『ご協力ありがとうございます。』
「いえいえ。」
とだけ返す。
「時間やばいね。」
チャイムがなる時間まであと1分半くらいだが僕たちがいるのは校門付近、どうあがいても間に合うわけがない。
そうして僕ら2人は仲良く遅刻した。
そんな僕ら2人を迎えたのはいつものクラス…と見知らぬ男子生徒。
「転校生の安住 直政と申します。気軽に直政と呼んでください。」
「わかった。直政、僕は神無月 歩夢。僕も歩夢でいいよ。それでこっちが。」
「藤本 霞です。私も霞でいいですよ。」
「わかりました。霞さん。」
「おい!遅刻組。さっさと席に座れ。理由は後で聞くからな。」
「“すみません”」
2人の声が本当に綺麗にハモり、なぜかそれのおかげで
「まぁいい。席につけ。」
と担任の怒りが収まったようだった。
そこは特に飛び抜けた部活動もない。平均的な知能、平均的な運動能力の生徒が通う普通の学校…だった。ついこの前までは。
理由は先日の一件で、始めて傘で殺人事件が起きた場所となったのだ。
それを爆破未遂犯を止めた僕。
「昨日は大人気だったね~」
「ほんと勘弁して欲しかったよ。」
今日もいつもどうり霞と学校に向かう。だが昨日は傘事件での取材で大変だった。
「今日はふつうに登校できるといいね(笑)」
「そこ笑うところじゃないからね。」
と他愛もない話をしながらいつものように登校する。
はずだった。
校門の前に着いた途端、マイクを数十本向けられ、フラッシュで写真をバシャバシャバシャ。
『どうやって傘の爆発を止めたんですか?』
『傘が爆発するとなぜわかっていたんですか?』
『歩夢さんお願いします。ご回答を』
「わかりました‼︎ だからもうフラッシュ焚かないでください。」
『おぉ!(記者一同)』
「えぇ。まず何から答えれば…?」
「授業がありますので5分くらいでお願いします。」
「霞、ありがとう。」
小声で礼を言うと満面の笑みが返ってきた。これは「いえいえ」と言ったところだろう。
「そう言う事ですので5分くらいでお願いします。」
『それでは、まず“どうやって傘の爆発を止めたんですか?』
「それは…授業で習った背負い投げと袈裟固めで。」
『柔道の経験は?』
「全く。見様見真似でやりました。」
記者たちは凄まじいスピードでメモを取る。
『次の質問です。なぜ“傘が爆発するとわかったのでしょうか?』
「それは僕が警察に通報して情報を伝えたからです。」
『えっ⁉︎ それは本当なんですか?』
「はい。例えばですがビニール傘は問題ないとか。」
『それはもう開示されて時間が経ってますので、証拠には…』
「これでもですか?」
そう言って自分のスマホを取り出す。
この日付はビニール傘の情報が開示される4日前の某SNSアプリの家族グルールのトーク画面である。
※第5幕参照
『こ、これは…(記者一同)』
『でもなんでわかったんですか?』
「事故現場を観察したんです。そしたらブランド物の傘には外傷がなくて、ビニール傘には外傷があったんですよ。」
『例えばどんなところでしょうか?』
「えっと…ビニールが熱で所々溶けてたり、折れてたり。」
「はい。時間です。」
霞の指示により、記者達はすごく残念そうな顔をしながらそそくさと帰っていた。
『ご協力ありがとうございます。』
「いえいえ。」
とだけ返す。
「時間やばいね。」
チャイムがなる時間まであと1分半くらいだが僕たちがいるのは校門付近、どうあがいても間に合うわけがない。
そうして僕ら2人は仲良く遅刻した。
そんな僕ら2人を迎えたのはいつものクラス…と見知らぬ男子生徒。
「転校生の安住 直政と申します。気軽に直政と呼んでください。」
「わかった。直政、僕は神無月 歩夢。僕も歩夢でいいよ。それでこっちが。」
「藤本 霞です。私も霞でいいですよ。」
「わかりました。霞さん。」
「おい!遅刻組。さっさと席に座れ。理由は後で聞くからな。」
「“すみません”」
2人の声が本当に綺麗にハモり、なぜかそれのおかげで
「まぁいい。席につけ。」
と担任の怒りが収まったようだった。
0
あなたにおすすめの小説
短編 お前なんか一生結婚できないって笑ってたくせに、私が王太子妃になったら泣き出すのはどういうこと?
ヨルノソラ
恋愛
「お前なんか、一生結婚できない」
そう笑ってた幼馴染、今どんな気持ち?
――私、王太子殿下の婚約者になりましたけど?
地味で冴えない伯爵令嬢エリナは、幼い頃からずっと幼馴染のカイルに「お前に嫁の貰い手なんていない」とからかわれてきた。
けれどある日、王都で開かれた舞踏会で、偶然王太子殿下と出会い――そして、求婚された。
はじめは噂だと笑っていたカイルも、正式な婚約発表を前に動揺を隠せない。
ついには「お前に王太子妃なんて務まるわけがない」と暴言を吐くが、王太子殿下がきっぱりと言い返す。
「見る目がないのは君のほうだ」
「私の婚約者を侮辱するのなら、貴族であろうと容赦はしない」
格の違いを見せつけられ、崩れ落ちるカイル。
そんな姿を、もう私は振り返らない。
――これは、ずっと見下されていた令嬢が、運命の人に見初められる物語。
壊れていく音を聞きながら
夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。
妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪
何気ない日常のひと幕が、
思いもよらない“ひび”を生んでいく。
母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。
誰も気づきがないまま、
家族のかたちが静かに崩れていく――。
壊れていく音を聞きながら、
それでも誰かを思うことはできるのか。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
幼馴染の許嫁
山見月あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。
彼は、私の許嫁だ。
___あの日までは
その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった
連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった
連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった
女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース
誰が見ても、愛らしいと思う子だった。
それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡
どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服
どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう
「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」
可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる
「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」
例のってことは、前から私のことを話していたのか。
それだけでも、ショックだった。
その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした
「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」
頭を殴られた感覚だった。
いや、それ以上だったかもしれない。
「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」
受け入れたくない。
けど、これが連の本心なんだ。
受け入れるしかない
一つだけ、わかったことがある
私は、連に
「許嫁、やめますっ」
選ばれなかったんだ…
八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ちゃんと忠告をしましたよ?
柚木ゆず
ファンタジー
ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。
「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」
アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。
アゼット様。まだ間に合います。
今なら、引き返せますよ?
※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる