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本編
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「そんなのイヤに決まってるでしょうがっ!!」
帰宅したフランチェスカからアーネストとのデートの話を聞いてサラは絶叫した。
「なぁにが「私がここに来たら嫌か……?」ですか?!私がいない隙にお嬢様に甘えやがってあのゴミムシめ……っ」
鳥肌が立ってきた、とサラは両腕を擦った。いつも以上に荒ぶるサラを見て、フランチェスカはくすりと笑みを零した。
フランチェスカが領主邸に戻ってから、サラはスライディング土下座をする勢いで主へ謝罪した。
フランチェスカは彼女を許した後で、サラがあのような振る舞いをするとアーネストが咎めなくとも周りの人間が侍女として不適格だと見なすかもしれないと諭した。フランチェスカの父、サルヴァトーリ公爵は娘には甘いものの基本的には厳格な人だ。父の耳に入ればすぐサラを専属侍女から外すだろう。フランチェスカはそれが嫌だったのだ。
フランチェスカの言葉に感激したサラは自身の軽率な行いを反省し平謝りした。フランチェスカの前ではこれまで通り変わらずにいて欲しいとも言われ、早速荒ぶっていたという訳だ。
「お嬢様。流石に愛想を尽かしましたよね?」
サラは懇願するように尋ねた。興奮しすぎて目には涙まで浮かべている。そんな侍女を見てフランチェスカは申し訳無さそうに眉尻を下げた。
「……そうじゃないから困ってるのよねぇ」
主の言葉にサラは絶望したようにがっくりと肩を落とした。フランチェスカは今日のサラの暴走は、自分が気持ちを話さないことも原因の一端だと知った。そのためいつもより頑張って自分の気持ちを口にしたものの結局彼女を落ち込ませてしまったようだ。
フランチェスカは馬車での会話の後のことを思い返す。思い出の花畑は当時と変わっておらず、綺麗な花々が咲き誇っていた。アーネストを案内し歩いていく。
東屋で同行したメイドが紅茶を淹れた。それを飲みながらフランチェスカの思い出話を優しく微笑みながら聞くアーネストを見て、心の中で降参した。どうしようもなく彼が好きなのだ、と。
「……やっぱり男の趣味が悪すぎます」
「なあに?サラ、何か言った?」
小声でぼそりと呟いたサラをフランチェスカは不思議そうに見つめている。サラは「何でもありません」と首を振った。
「そう?わたくしのことよりサラ……」
フランチェスカの目が愉快そうに細められた。
「マルコとはどうだったの?」
「な、何にもありません!お嬢様、変な誤解はお止め下さい!」
フランチェスカの部屋にはもう一度サラの絶叫が響いた。
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