【完結】猫界一の美女。

たまこ

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悪魔の力を借りましょう

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 ロバート様とジルの話し合いが、繰り返された。そして、実践的に回復魔法を学ぶために、ロバート様が管理している治療院を回ることになった。そして、他の者に私の存在がバレないよう、治療院に行く時には変装魔法を掛けてから行くことになった。



「サチ~。だいじょうぶ?」



 初めて治療院へ行く前日の夜、ベッドの中でテトは心配そうに私を覗き込んだ。



「うう……すごい緊張してる……。」



「サチのかいふくまほう、すっごくじょうたつしてるって、ロバートさま、いっていたじゃない!だいじょうぶだよ。」



「う、うん。」



「それに、もしもうまくいかなくても、はじめてだからだいじょうぶ!ロバートさまもいっしょにいくんだから、フォローしてくれるよ。」



「ああ。サチは何も心配しなくていい。」



 テトと反対側に横になっていたジルも、励ますように声を掛けた。この『ねこダリ』の世界に来た日からずっと、ベッドでは私が真ん中で、左右にジルとテトがいるのが定位置となっていた。左右から、ジルとテトに優しく元気づけられ、じわじわと私の心を溶かしていくようだった。



「ありがとう……。魔法のことも心配なんだけど、他にも心配があって。」



「ほかのこと?」



「うん。こっちに来てから、私はジルとテトとロバート様としか会ったことがないでしょう。上手く話せるか、変なことしてしまわないか、心配なの。」



「うーん。サチがここにきてから、なんにもへんなことしてないよ。ずっとこのせかいにいたねこみたいにね。」



 テトの言葉に、ジルも大きく頷いた。馴染めているのであれば良かった、と私は胸を撫で下ろした。



「サチは、この家の猫だからな。これまでも、これからも、だ。」


 ジルが言い聞かせるように伝えてくれた言葉が、私の心配を吹き飛ばしてくれた。
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