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またしても使用人のお節介だろう。就寝前に侍女に連れて来られたアンを、ギルバートは直視出来なかった。
いつもアップにしている栗色の髪は、下ろされている。入浴後で頬が赤く染められており、侍女達が用意したネグリジェは、胸元が心許ない。そのどれもがギルバートの目には毒だった。
ギルバートは、自分の上着をアンに掛ける。
「・・・風呂上がりに体を冷やしたらいけない。」
アンは心底嬉そうにその上着を羽織るのを見ていると、ギルバートはまた自分の欲と戦わなくてはならなくなった。
「ふふ、ありがとうございます。」
「・・・っ、ああ。」
「ギルバートさん、お仕事邪魔してしまってごめんなさい。・・・寝る前に会いたくなってしまって。」
ふんわりと笑うアンを見て、ギルバートは思わず触れたくなる衝動を必死に堪えた。
アンは、そんなギルバートの顔を見て、やはり邪魔していると考えたのだろう。慌ててお茶を飲み終わろうとする様子を見て、ギルバートは制止した。
「アン。慌てなくていい。」
「でも・・・。」
「俺もアンに会いたかった。」
「ギルバートさん。」
安心したように笑うアンの純粋さに、ギルバートは改めて心配になる。
「だけど、寝る前に俺以外の男の部屋には行かないように。」
ぽかんとしているアンは、徐々に意味に気付いたようで、顔を赤くした。
「は、はい!行きません!」
これくらいなら許されるだろう、と頭を撫でると、アンは照れ笑いを浮かべる。撫で終わると手を繋ぐ。またアンが嬉そうに微笑むのを見て、ギルバートはホッとした。
「あ、あの、ギルバートさん。」
アンが顔を固くして、話し始めた。
「今日、ルイス殿下と話した後、何だか様子が違ったから・・・大丈夫ですか?」
ギルバートは目をぱちくりさせた後、口許を緩めた。
「ああ。ちょっと仕事のことでな。だけど・・・。」
とうとうギルバートは、欲に負けた。アンを引き寄せ、額に唇を寄せた。
「なっ・・・!」
言葉を失うアンを、ギルバートは目を細めて見つめる。
「今は、婚約者との時間を楽しみたい。」
「う・・・。」
甘い言葉に、恥ずかしそうにしているアンを、ギルバートは思う存分楽しんだ。
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