234 / 266
第6章 沈没都市 グラナドザンラ
【233話】 彼女がために
しおりを挟む
時は遡る 斧を持った鎧騎士との戦闘が終わり水路に落ちた後でフレリアがユウトに人工呼吸を行った後だった。
なぜ彼女がユウトを助けたのか……
その答えを静かな空間は答えてくれない。
ただ力の使いすぎの影響及びユウトの人工呼吸を成功した安堵でフレリアはその場で力尽き倒れる。
それと同時にユウトは目を覚ます。
水路に落ちた際に口に含んだ水を吐き出しながらゆっくりと体を起こして傍に横たわるフレリアを見つめる。
すやすやと深層という場所で先ほどまで戦闘していたのにも関わらず気持ちよさそうに寝ている彼女を起こすのは忍びなくて……ゆっくり寝させてあげようと思った。
彼女がどんな人間なのかはわからない……けれど一度話したり買い物したり戦ったり……そして助けてもらった俺には彼女が今まで会ったことのある十戒士のように悪い奴……だなんてとても思えなくて。
十戒士は俺達の敵……それでも彼女は俺を助けてくれた、理由なんてわからない。
だけど助けてくれた事実と戦った時の殺意のないその姿……
「おにぃ……ちゃん」
小声で彼女は呟く寝言なのだろう、お兄ちゃん……多分今の寝言と下層で地面が崩れていく際に放ったそれは俺を指したものじゃないんだろう。
そうはわかっていても彼女の事を気にしないわけなくて……
──バゴーンッッ!!
フレリアを見ながら考え事をしていたときに突如として目の前の家屋の壁が破壊され魔獣が姿を見せる。
さっきのゴリラの魔獣に似ているが、それと比べて腕のデカさそして全身から毛が生えたのを見るに別種なのだろう。
俺達を殺したいのか、家屋の壁に開いた穴から他にも小さめの魔獣まで次々と姿を見て見せる。
フレリアを起こすか……
いや、彼女の可愛くも幸せそうに寝ている彼女を起こすことなんて出来ない。
俺1人じゃここを抜け出すのは無理だ、2人じゃないと……
なら少しでもゆっくりと休んでもらいたい。
だから今度は俺が助ける番なんだ。
ジン器を握りしめ魔獣達に向かって走り出す。
大型の毛が生えた魔獣は動きが遅いのか小型の魔獣達に追い抜かれて俺は小型の魔獣達を先にバッタバッタと斬り裂いていく。
幸いにも魔獣達が俺に集中してくれるのはよかった……フレリアへは行かせな──
そう思いながら小型の魔獣を斬ろうとした瞬間だった、右から何かが伸びて咄嗟に右腕で体を守る。
だが……
──バキバキバキッ
ああ、わかるこれ腕の骨が折れた。
いや折れたどころじゃない……ガードした箇所を中心とした骨が音を立てて砕けたのが聞こえながら殴り飛ばされてそのまま家屋に激突する。
痛いし……まともに右腕が動かせない……
でも立ち上がる、お兄ちゃんだと呼ばれたから……妹を守らない兄なんていないからだ!
右腕が使えなくなっても魔力を動かす道理で無理してでも腕を動かせばいいんだ。
だから俺はまだ戦える、こんなところで倒れたりなんかしない!!
「はぁ……はぁ……」
どれだけ時間が経ったんだろ……俺がこの魔獣達を全滅させるのに時間が掛かったのかそれともそれほど掛かってないのか。
時計とかないからそれの判断が出来ない。
まだフレリアは寝てるな。
とりあえず、体についた魔獣の返り血は近くの水路で洗って右腕も何事もなかったように魔力で動かしておこう。
彼女に心配をかけるわけにはいかないからな……
そして俺は体を誤魔化して彼女が目を覚ますまで隣でゆっくりと待つのだ。
時は戻って 深層の城付近では襲いかかる魔獣を返り討ちにし返り血を浴びながらユウトは進む。
ただ前しか見ず、その足は再び城内へと赴き階段を一回下がってはまた上へと駆け上がる。
城内で感じた強大な魔力……あれは結果魔法を発動した時のに似ている。
フレリアが発動したのか?今はその強大な魔力はない……いったい彼女はどうしたんだ?
そう思いながら俺は鎧騎士が立っていた階まで辿り着いた。
そこで見たものは……
「フレリア……?」
部屋の真ん中で倒れているフレリア……そしてその付近では何かが灰となって崩れ去っていくのが見えたがそんな事は気にせずに俺はフレリアの元へと駆け寄る。
「大丈夫か!?おい!!」
彼女の体を抱きかかえて見る。
息は……している、そこまで大きな怪我をしているわけではない。
けれど彼女の魔力はギリギリまで減っていた、おそらくは結界魔法を発動した代償だろう。
でも大丈夫だ、ただ魔力が切れて気絶してるだけで命に関わるほどじゃない。
フレリアが無事なのを確認して俺はようやく周りをちゃんと見渡した。
あたりには焼けこげた匂いが漂っており至る所で小さい炎が上がってるのが見える。
そしてさっきの灰となって消えているもの……あれは鎧騎士のなれ果て。
フレリアに焼かれたんだろう……
そして俺はフレリアの魔性輪に少しばかりヒビが入っているのに気が付く。
元々入ってたのか、それともこの戦いで付いたのかは定かではない。
魔性輪にヒビが入ってるなんて聞いたことがないからこれがどういうことなのかわからないのだ。
このまま彼女を連れて下層に行きたいが……
──来る
この城に向かってくる気配を感じる。
この殺気と魔力……頭の中を黒い魔獣がよぎる。
まだ距離はある、けれどこのままじゃ確実に俺達に追いつく。
なら俺の取るべき行動はわかる。
俺はフレリアを抱き上げて鎧騎士が倒れたことで邪魔な岩が崩れ去って現れた階段へと足を進める。
しばらく階段を上がった後に少し開けた場所があるのでそこにフレリアをゆっくりと置き、袋に入っていた神竜ヒラコラパスの鱗が砕けて出来た破片を彼全て女にかけた。
「ちょっともらうぞ」
回復効果のある粉……少しでも彼女がために。
俺はひとつまみ分あればいい。
「お兄……ちゃん?」
薄らと目を開けて俺に声をかけるフレリア、彼女にはこの先の戦いには連れていけない。
彼女はアレを目の当たりにするのを嫌がっている……だから俺は彼女を安心させるために。
「大丈夫だ、お兄ちゃんに任せろ」
そう言い残して俺は階段を降っていく。
フレリアの話から察するにあの子にも兄がいて、多分その兄も……
あぁ、わかってる俺も妹がいるからあの子の兄もきっとこんな時こうしたんだろ。
あの子は普通の子だったんだ、親や兄達を失ったあの日からあの子は過去に囚われてるんだと思った。
アイツが生きてる限りあの子は幸せになれない……
鎧騎士がいたところまで降り切った。
「よぉ、久しぶりだな??」
だから俺が今ここで目の前にいるコイツを殺さなきゃ。
「どうした?イメチェンか??」
黒い魔獣の姿じゃなく青年の姿……けれどその魔力、その威圧感、その殺気……忘れるはずはない。
本にはブェイオンとか呼ばれたっけ、コイツは黒い魔獣……下層で俺達を襲って何人も殺した厄災だ。
「さぁないめちぇんというのが何かわからないが戦いの中で最適化された……とでも言うべきか。とりあえず、お前には死んでもらう。
理由はわからないが復活の際にそう刷り込まれたからな」
ブェイオンは剣をこちらに向けて人間とそう変わらないコミュニケーションをとってくる。
けれど今更人みたいになったところで俺の剣は鈍らない。
復活……刷り込み……気になる発言はあるがどれも理解は出来ない。
けれどはっきりしていることがある。
俺もコイツも互いを殺したがってる事だ。
なぜ彼女がユウトを助けたのか……
その答えを静かな空間は答えてくれない。
ただ力の使いすぎの影響及びユウトの人工呼吸を成功した安堵でフレリアはその場で力尽き倒れる。
それと同時にユウトは目を覚ます。
水路に落ちた際に口に含んだ水を吐き出しながらゆっくりと体を起こして傍に横たわるフレリアを見つめる。
すやすやと深層という場所で先ほどまで戦闘していたのにも関わらず気持ちよさそうに寝ている彼女を起こすのは忍びなくて……ゆっくり寝させてあげようと思った。
彼女がどんな人間なのかはわからない……けれど一度話したり買い物したり戦ったり……そして助けてもらった俺には彼女が今まで会ったことのある十戒士のように悪い奴……だなんてとても思えなくて。
十戒士は俺達の敵……それでも彼女は俺を助けてくれた、理由なんてわからない。
だけど助けてくれた事実と戦った時の殺意のないその姿……
「おにぃ……ちゃん」
小声で彼女は呟く寝言なのだろう、お兄ちゃん……多分今の寝言と下層で地面が崩れていく際に放ったそれは俺を指したものじゃないんだろう。
そうはわかっていても彼女の事を気にしないわけなくて……
──バゴーンッッ!!
フレリアを見ながら考え事をしていたときに突如として目の前の家屋の壁が破壊され魔獣が姿を見せる。
さっきのゴリラの魔獣に似ているが、それと比べて腕のデカさそして全身から毛が生えたのを見るに別種なのだろう。
俺達を殺したいのか、家屋の壁に開いた穴から他にも小さめの魔獣まで次々と姿を見て見せる。
フレリアを起こすか……
いや、彼女の可愛くも幸せそうに寝ている彼女を起こすことなんて出来ない。
俺1人じゃここを抜け出すのは無理だ、2人じゃないと……
なら少しでもゆっくりと休んでもらいたい。
だから今度は俺が助ける番なんだ。
ジン器を握りしめ魔獣達に向かって走り出す。
大型の毛が生えた魔獣は動きが遅いのか小型の魔獣達に追い抜かれて俺は小型の魔獣達を先にバッタバッタと斬り裂いていく。
幸いにも魔獣達が俺に集中してくれるのはよかった……フレリアへは行かせな──
そう思いながら小型の魔獣を斬ろうとした瞬間だった、右から何かが伸びて咄嗟に右腕で体を守る。
だが……
──バキバキバキッ
ああ、わかるこれ腕の骨が折れた。
いや折れたどころじゃない……ガードした箇所を中心とした骨が音を立てて砕けたのが聞こえながら殴り飛ばされてそのまま家屋に激突する。
痛いし……まともに右腕が動かせない……
でも立ち上がる、お兄ちゃんだと呼ばれたから……妹を守らない兄なんていないからだ!
右腕が使えなくなっても魔力を動かす道理で無理してでも腕を動かせばいいんだ。
だから俺はまだ戦える、こんなところで倒れたりなんかしない!!
「はぁ……はぁ……」
どれだけ時間が経ったんだろ……俺がこの魔獣達を全滅させるのに時間が掛かったのかそれともそれほど掛かってないのか。
時計とかないからそれの判断が出来ない。
まだフレリアは寝てるな。
とりあえず、体についた魔獣の返り血は近くの水路で洗って右腕も何事もなかったように魔力で動かしておこう。
彼女に心配をかけるわけにはいかないからな……
そして俺は体を誤魔化して彼女が目を覚ますまで隣でゆっくりと待つのだ。
時は戻って 深層の城付近では襲いかかる魔獣を返り討ちにし返り血を浴びながらユウトは進む。
ただ前しか見ず、その足は再び城内へと赴き階段を一回下がってはまた上へと駆け上がる。
城内で感じた強大な魔力……あれは結果魔法を発動した時のに似ている。
フレリアが発動したのか?今はその強大な魔力はない……いったい彼女はどうしたんだ?
そう思いながら俺は鎧騎士が立っていた階まで辿り着いた。
そこで見たものは……
「フレリア……?」
部屋の真ん中で倒れているフレリア……そしてその付近では何かが灰となって崩れ去っていくのが見えたがそんな事は気にせずに俺はフレリアの元へと駆け寄る。
「大丈夫か!?おい!!」
彼女の体を抱きかかえて見る。
息は……している、そこまで大きな怪我をしているわけではない。
けれど彼女の魔力はギリギリまで減っていた、おそらくは結界魔法を発動した代償だろう。
でも大丈夫だ、ただ魔力が切れて気絶してるだけで命に関わるほどじゃない。
フレリアが無事なのを確認して俺はようやく周りをちゃんと見渡した。
あたりには焼けこげた匂いが漂っており至る所で小さい炎が上がってるのが見える。
そしてさっきの灰となって消えているもの……あれは鎧騎士のなれ果て。
フレリアに焼かれたんだろう……
そして俺はフレリアの魔性輪に少しばかりヒビが入っているのに気が付く。
元々入ってたのか、それともこの戦いで付いたのかは定かではない。
魔性輪にヒビが入ってるなんて聞いたことがないからこれがどういうことなのかわからないのだ。
このまま彼女を連れて下層に行きたいが……
──来る
この城に向かってくる気配を感じる。
この殺気と魔力……頭の中を黒い魔獣がよぎる。
まだ距離はある、けれどこのままじゃ確実に俺達に追いつく。
なら俺の取るべき行動はわかる。
俺はフレリアを抱き上げて鎧騎士が倒れたことで邪魔な岩が崩れ去って現れた階段へと足を進める。
しばらく階段を上がった後に少し開けた場所があるのでそこにフレリアをゆっくりと置き、袋に入っていた神竜ヒラコラパスの鱗が砕けて出来た破片を彼全て女にかけた。
「ちょっともらうぞ」
回復効果のある粉……少しでも彼女がために。
俺はひとつまみ分あればいい。
「お兄……ちゃん?」
薄らと目を開けて俺に声をかけるフレリア、彼女にはこの先の戦いには連れていけない。
彼女はアレを目の当たりにするのを嫌がっている……だから俺は彼女を安心させるために。
「大丈夫だ、お兄ちゃんに任せろ」
そう言い残して俺は階段を降っていく。
フレリアの話から察するにあの子にも兄がいて、多分その兄も……
あぁ、わかってる俺も妹がいるからあの子の兄もきっとこんな時こうしたんだろ。
あの子は普通の子だったんだ、親や兄達を失ったあの日からあの子は過去に囚われてるんだと思った。
アイツが生きてる限りあの子は幸せになれない……
鎧騎士がいたところまで降り切った。
「よぉ、久しぶりだな??」
だから俺が今ここで目の前にいるコイツを殺さなきゃ。
「どうした?イメチェンか??」
黒い魔獣の姿じゃなく青年の姿……けれどその魔力、その威圧感、その殺気……忘れるはずはない。
本にはブェイオンとか呼ばれたっけ、コイツは黒い魔獣……下層で俺達を襲って何人も殺した厄災だ。
「さぁないめちぇんというのが何かわからないが戦いの中で最適化された……とでも言うべきか。とりあえず、お前には死んでもらう。
理由はわからないが復活の際にそう刷り込まれたからな」
ブェイオンは剣をこちらに向けて人間とそう変わらないコミュニケーションをとってくる。
けれど今更人みたいになったところで俺の剣は鈍らない。
復活……刷り込み……気になる発言はあるがどれも理解は出来ない。
けれどはっきりしていることがある。
俺もコイツも互いを殺したがってる事だ。
0
あなたにおすすめの小説
スター・スフィア-異世界冒険はお喋り宝石と共に-
黒河ハル
ファンタジー
——1つの星に1つの世界、1つの宙《そら》に無数の冒険——
帰り道に拾った蒼い石がなんか光りだして、なんか異世界に飛ばされた…。
しかもその石、喋るし、消えるし、食べるしでもう意味わからん!
そんな俺の気持ちなどおかまいなしに、突然黒いドラゴンが襲ってきて——
不思議な力を持った宝石たちを巡る、異世界『転移』物語!
星の命運を掛けた壮大なSFファンタジー!
【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜
KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。
~あらすじ~
世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。
そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。
しかし、その恩恵は平等ではなかった。
富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。
そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。
彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。
あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。
妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。
希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。
英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
唯一無二のマスタースキルで攻略する異世界譚~17歳に若返った俺が辿るもう一つの人生~
専攻有理
ファンタジー
31歳の事務員、椿井翼はある日信号無視の車に轢かれ、目が覚めると17歳の頃の肉体に戻った状態で異世界にいた。
ただ、導いてくれる女神などは現れず、なぜ自分が異世界にいるのかその理由もわからぬまま椿井はツヴァイという名前で異世界で出会った少女達と共にモンスター退治を始めることになった。
異世界サバイバルゲーム 〜転移先はエアガンが最強魔道具でした〜
九尾の猫
ファンタジー
サバイバルゲームとアウトドアが趣味の主人公が、異世界でサバゲを楽しみます!
って感じで始めたのですが、どうやら王道異世界ファンタジーになりそうです。
ある春の夜、季節外れの霧に包まれた和也は、自分の持ち家と一緒に異世界に転移した。
転移初日からゴブリンの群れが襲来する。
和也はどうやって生き残るのだろうか。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
文字変換の勇者 ~ステータス改竄して生き残ります~
カタナヅキ
ファンタジー
高校の受験を間近に迫った少年「霧崎レア」彼は学校の帰宅の最中、車の衝突事故に巻き込まれそうになる。そんな彼を救い出そうと通りがかった4人の高校生が駆けつけるが、唐突に彼等の足元に「魔法陣」が誕生し、謎の光に飲み込まれてしまう。
気付いたときには5人は見知らぬ中世風の城の中に存在し、彼等の目の前には老人の集団が居た。老人達の話によると現在の彼等が存在する場所は「異世界」であり、元の世界に戻るためには自分達に協力し、世界征服を狙う「魔人族」と呼ばれる存在を倒すように協力を願われる。
だが、世界を救う勇者として召喚されたはずの人間には特別な能力が授かっているはずなのだが、伝承では勇者の人数は「4人」のはずであり、1人だけ他の人間と比べると能力が低かったレアは召喚に巻き込まれた一般人だと判断されて城から追放されてしまう――
――しかし、追い出されたレアの持っていた能力こそが彼等を上回る性能を誇り、彼は自分の力を利用してステータスを改竄し、名前を変化させる事で物体を変化させ、空想上の武器や物語のキャラクターを作り出せる事に気付く。
異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる