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もはや、チート級②
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とりあえず約束を交わし、いざ解散という流れになったタイミングで。
......ガラス温室の扉を開け、外へ出たところで皇太子様に出くわした。
......なんでこの高貴なお方が、こんな所にいるのよ。
まさかこれが、ヒロインの引きの強さってやつか!
唖然とする私を尻目に、スカートの裾を両手でついと摘まみ、綺麗な会釈をする優。
咄嗟の事に軽くパニクっていたら、ドレスの裾の影に隠れて彼に足を軽く蹴っ飛ばされた。
だからdys○nの掃除機も吃驚なそのあまりにも強力過ぎる吸引力にドン引きしながらも、慌てて苛め役令嬢Bであるヴァイオレットらしい笑みを顔面に貼り付け、優同様会釈をひとつした。
「珍しい組み合わせだな。
......ヴァイオレット、アリシアに何をした?」
明らかに、刺のある口調。
何も、してないし。
......っていうか私があなたの可愛い可愛いアリシアちゃんに、蹴っ飛ばされたところだし。
心の中ではそんな風に考えながらも、勿論それを口にするワケにはいかない。
いや、言ったところでどうせ評価が既に底値に近い私の言葉では、嘘を吐くなと一喝されるだけだろう。
あれ?でも蹴っ飛ばしたのは、優か。
あくまでもアレは、中の人の仕業だもんな。
うぅ......ややこしい!
今後は優が入ったアリシアちゃんの事は、他所で間違えても困るから、彼女orアリシアちゃんって呼ぼう。
足元を見つめたまま、しかしどうしたもんかなと考えていると、私よりも先にアリシアちゃんが口を開いた。
「殿下!こちらの温室内に美しい薔薇が咲いていると、ヴァイオレット様が教えて下さったのです。
本当に、素敵な場所......学園内にこんな所があっただなんて、私、存じ上げませんでしたわ!」
連れ込んだのはアリシアちゃんの方じゃないかと思いながらもそろりと視線を上げ、こくこくとただ頷いた。
......ガラス温室の扉を開け、外へ出たところで皇太子様に出くわした。
......なんでこの高貴なお方が、こんな所にいるのよ。
まさかこれが、ヒロインの引きの強さってやつか!
唖然とする私を尻目に、スカートの裾を両手でついと摘まみ、綺麗な会釈をする優。
咄嗟の事に軽くパニクっていたら、ドレスの裾の影に隠れて彼に足を軽く蹴っ飛ばされた。
だからdys○nの掃除機も吃驚なそのあまりにも強力過ぎる吸引力にドン引きしながらも、慌てて苛め役令嬢Bであるヴァイオレットらしい笑みを顔面に貼り付け、優同様会釈をひとつした。
「珍しい組み合わせだな。
......ヴァイオレット、アリシアに何をした?」
明らかに、刺のある口調。
何も、してないし。
......っていうか私があなたの可愛い可愛いアリシアちゃんに、蹴っ飛ばされたところだし。
心の中ではそんな風に考えながらも、勿論それを口にするワケにはいかない。
いや、言ったところでどうせ評価が既に底値に近い私の言葉では、嘘を吐くなと一喝されるだけだろう。
あれ?でも蹴っ飛ばしたのは、優か。
あくまでもアレは、中の人の仕業だもんな。
うぅ......ややこしい!
今後は優が入ったアリシアちゃんの事は、他所で間違えても困るから、彼女orアリシアちゃんって呼ぼう。
足元を見つめたまま、しかしどうしたもんかなと考えていると、私よりも先にアリシアちゃんが口を開いた。
「殿下!こちらの温室内に美しい薔薇が咲いていると、ヴァイオレット様が教えて下さったのです。
本当に、素敵な場所......学園内にこんな所があっただなんて、私、存じ上げませんでしたわ!」
連れ込んだのはアリシアちゃんの方じゃないかと思いながらもそろりと視線を上げ、こくこくとただ頷いた。
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