1 / 147
プロローグ 〜とある場所にて〜
しおりを挟む
ふと、視線を上げた。
鳥の飛ぶ常春の空。その者は嬉しそうに、感慨深げに目を細める。
『次代のとと様とかか様の魂が、母胎に宿ったか』
ちょろちょろと、不思議な色彩のリスが自らを駆け上っていく。
それに視線をやり、次いで大事に抱え込んでいる光に目を向ける。
『お前のとと様とかか様は、どのような人間に育つのだろうな』
ふわり、と光の輝きが柔らかく増した。
『……ふふ、待ちきれないか? だがしばし待て。お前を守ってくれるぐらいに成長してからでなければ』
光を撫で、その者は目を閉じた。
『大丈夫だ。きっとすぐに、お前はとと様とかか様に会いに行けるからな』
光は、ゆっくりと明滅した。
待ちきれないとぐずる、子供のように。
――――人の世で、十数年後。
その運命が動きだす。――――
鳥の飛ぶ常春の空。その者は嬉しそうに、感慨深げに目を細める。
『次代のとと様とかか様の魂が、母胎に宿ったか』
ちょろちょろと、不思議な色彩のリスが自らを駆け上っていく。
それに視線をやり、次いで大事に抱え込んでいる光に目を向ける。
『お前のとと様とかか様は、どのような人間に育つのだろうな』
ふわり、と光の輝きが柔らかく増した。
『……ふふ、待ちきれないか? だがしばし待て。お前を守ってくれるぐらいに成長してからでなければ』
光を撫で、その者は目を閉じた。
『大丈夫だ。きっとすぐに、お前はとと様とかか様に会いに行けるからな』
光は、ゆっくりと明滅した。
待ちきれないとぐずる、子供のように。
――――人の世で、十数年後。
その運命が動きだす。――――
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
88
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる