輝く☆夢の国

はっぴ

文字の大きさ
上 下
3 / 9
光編

輝く☆あの本

しおりを挟む
夢の国の本が急に、輝きを放ち浮いた。
その輝きが眩しいあまり、私は目が覚めた。

「本が、浮いてる…」

そして、部屋の窓が開いて…
まるで逃げ出すように。

「待って!」

夢を叶えるためのただ1つの手掛かりが…
あの本が無いと夢が叶えられない。
永遠に。

夢の国の本はプレゼントしてもらった当時でも、
かなり古かった…
今となっては大昔の本。

また邪魔が入る、いつもそう。
やっぱり私に夢を叶える資格、無いのかな。

私が手を伸ばしても、
あの本には届かない。
ただ本だけが空へ飛んでいく。
私だけ部屋に残されていた。

次の日の学校。

「のぞみ、本には何て書いてあるの?」
光ちゃんの期待する声が余計に私を締め付ける。

「無いの…本が」

「え?」

「深夜、急に本が光ってどこかに…」

「でも内容くらい覚えてるでしょ⁉︎」

「それが…私、暗記苦手だもん」
私は何かを覚えられない。

「そっか、じゃあまた買おう!」
確かにできる事ならそうしたい。

「でも、大昔の本だから」

「じゃあどうするの。」

「え?」

「このままでいいの?寝てる時に国歌歌ってる非リア充でいいの?」

「嫌だ!」

けど光ちゃんの説得はいまいち筋が通ってない。

「じゃあ、探そう!」

こうして、夢の国の本を探す旅が始まった。
思い返せば、これが私の夢への第一歩だった。
しおりを挟む

処理中です...