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本編3章
時々感じる違和感
リバーの家に戻ってから、少しだけ違和感を覚えることが増えた。
リバーと元々一緒に暮らしていたはずなのに、ここにあると思っていた物がないとか、あそこにあれがと思ってもなかったりと自分がそこにあると思い込んでるものがそこにないことだ。
それ以外にもお風呂の場所だったり、リビングだったりと、些細なことだけれど、場所が違う気がするし。
こんな場所にこんなモノあったかと首を傾げることもある。
それに四六時中誰かの視線を感じる気がして怖い、前はそんなことなかったはずなのに。
もしかしてまた僕を狙ってる連中がいるのだろうか、宰相の息子だからって僕を人質に身代金を要求しようとする人間は昔からたくさんいた。
リバーには子供の頃、それで助けられたことがある。
連れていかれそうな僕を見たリバーが助けてくれた、誰も助けてくれなかったのにリバーだけは助けてくれたんだ。
その頃から僕のヒーローはずっとリバーで、そんなリバーとデスペア学園で再会できたのは運命だと思った。
「ふふっ、本当に運命だと思ったんだ……」
一筋の涙が頬を伝う。
なぜ自分が泣いてるのかわからない、感傷的になってるのかもしれないと思った。
最近色々とありすぎたから、拉致られるなんて経験久しぶりだったからかな。
だから、視線を感じるのかもしれない。
誰かに見られてるなんてありえないのに、ここはセキュリティだってしっかりしてる。
まぁ、王宮に無断で誰か忍び込むなんて不可能に近いけど。
この国が誇る王宮騎士団がいるのだから、時期団長と噂されてるキリヤ様が素敵なんだよな。
あの方のように聡明で真っ直ぐな方に僕もなりたいと憧れてるけど、実際は簡単に誘拐されちゃうような弱っちさ。
どうしたら、もっと背が伸びるのだろうか、リバーまではいかなくてもも少し欲しかったな。
はぁ…とため息がもれる、自分の身長の低さが悲しい。
リバーは可愛いと言ってくれるけど、僕だって男なんだからかっこよくありたいよね。
自分の部屋にいても落ち着かないのってなんでだろう?
帰ってきてからずっとこの違和感に悩まされてる、夜は寝室でリバーと一緒に寝てるから問題ないけど、リバーの温かさですぐに眠くなっちゃうし。
リバーがいない時に1人でいるとどうしようもなく違和感を感じるんだ、自分の部屋なのにこの部屋は違うって、ここに本棚があったはずなのになぜないんだって……。
僕は日記を書いてた気がするんだ、けど、この部屋には本棚が存在しないし、日記だって机の中とか見たけどなかった。
日に日に感じるこの違和感の正体と幸せなはずなのに焦燥感にかられる理由も分からない。
夢を見た、幸せな夢を。
リバー、アッシュ、キリヤ、カナタ、シエルの5人と楽しそうにしてる僕の夢だった。
心は穏やかで心の底から幸せだと、夢の中の僕はそう思ったんだ。
目が覚めるとリバーの腕の中で、なんだか今の夢のせいか寂しくてリバーに擦り寄ってもう1度まぶたを閉じた。
夢のことなんて深く考えなくていい、考えたらきっと今の幸せが壊れてしまうから。
ゆっくりと眠りに意識を落としていく。
次に目が覚めた時にはリバーが僕をじっと見ていた、それに驚いて後ろに飛び退きすぎてベッドから勢いよく落ちた僕を笑うとか酷くない?
クスクスいつまでも笑ってるリバーにぶすっと不貞腐れて、ぷいっとそっぽを向くと謝りながら僕を助け起こし、それからベッドに連れ戻された。
額と額をコツンとくっつけて間近で見る京紫の瞳は凄く綺麗で見惚れてると不意打ちのように、ちゅっと鼻先にキスされたかとおもうと、それがまるで合図だったかのように顔中にキスの雨を降らされた。
最後に唇が重なって、ちゅっと触れるだけのキスで離れていくリバーに不満で袖を掴んでくいくい引っ張る。
「うん?どうしたの、ユーリ」
「……ち…キ…して……ないの?」
「え?」
「だから!その、えっちなキスしてくんないの?」
恥ずかしすぎて顔が火照って熱いし、ぷるぷる震えて涙目でリバーを見つめれば、はぁと深くため息が吐き出されて、はしたなかっただろうか?僕からそういうおねだりするのって…。
嫌われたかな、じわりと涙が込み上げてきて今にも泣きそうな表情を隠すように俯く。
「ご、ごめんなさい、忘れて!」
いたたまれなくて逃げ出そうとするとリバーの腕の中に戻され背後から強く強く抱きしめられる。
それで、ちょっと、予想外なことが起きたといいますか、ゴリってお尻に当たってるナニか、ナニかが男性の象徴だってことはわかってるけど、え?なんで、朝勃ちとかそういうのレベルじゃないくらいにカチカチなんだけど……。
腰に当てられてるそれに口の中にじゅんわり唾液が溢れ出してゴクリと喉が鳴る。
リバーの細長く綺麗な指がするりと寝間着の中に手を入れてきて、直接肌を堪能するように撫でてくるから心臓がうるさい。
「りっ、りばー?」
「ふふっ、ユーリが悪いのよ、私を煽るんだもの、あんなに可愛くおねだりされたからこうなっちゃったの♡たくさんえっちなキスもしてあげるけど…そのかわり…」
─────朝からユーリを可愛がらせてね?♡
ああ、僕はなんてことを考え無しに言ってしまったのか、朝から可愛がられるってつまりそういうことだろうし。
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