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本編5章
いい加減にしてほしい
カナタと最期を迎えて予想通りループした俺は自分のベットで目を覚ました。
もう見なれすぎた天井にため息がもれる、そういえば、あの天井の魔法陣発動させたあと他の部屋とか調べてないんだよな。
今度こそ調べるぞと俺は意気込んだが、なんの運命なのか、それをまた邪魔されることになるなんてこの時の俺は予想してなかった。
ループしたばかりだと体は子供だし、死ぬ前の状態と違うから本当毎回毎回、目線の低さとか背の低さに慣れるのが大変だ。
とりあえずとアッシュと出会うべく、裏庭に顔を出して座ってみた、またなんか別のシナリオ突入とかしないように願うしかない。
しばらく待ってみると、アッシュはちゃんと姿を現したが、女じゃなくて男の姿だった。
マジかよ、今度はどんなストーリーですか、いい加減にしてくれ。
ゲームと全然同じにいかないストーリーにちょっと俺は苛立っていた、神様が存在するならその神様をマジで1発ぶん殴りたい気分だ。
一体俺は神様になにをしたっていうんだ?
なんでこんなループばかりして、ハピエンを迎えることができないんだよ、ふざけんなよ!
内心毒づいてるとアッシュが俺の横にストンと腰を下ろした、女装してなくてもアッシュ可愛いなちきしょ。
ジーッと俺を見てくるから、無視するわけにもいかず口を開く。
「あの、なんですか?」
「ああ、ごめんね、君は男の子なの?」
「は?」
「ずいぶんと可愛らしいなっておもって」
悪気はないんだろうけど、あんに女の子みたいって言われてるようでムカついてそっぽを向いた。
「男ですよ、あなたと同じです」
「そっか、ごめんね、私も女の子によく間違われるけど、君はもっと可愛いなって思っただけなんだ」
訂正、悪気なしとは思えないくらい悪意に満ちた発言だと思いました、まる。
マジふざけんなよ、アッシュ、なんなんだ?今回のこの初対面、腹立つことしかないんだけど?
悪かったな、可愛くて!仕方ねぇだろ、転生前はも少し男らしかったのに転生後はこうなっちゃったんだから!
とは言葉にしたくても飲み込むことしかできないのが余計俺の苛立ちを募らせるばかりだ。
「ふふっ、君表情に色々と出すぎだよ、貴族ならも少し顔を作ることを覚えた方がいい」
「…………大きなお世話どうもありがとうございます!」
頭にきたからこれ以上ここにいる意味は無いと立ち上がって振り向いて「それでは失礼します」と言葉を残して俺はアッシュがなにかを言う前に足早でその場を去った。
アッシュとの最悪な出会いをしてから、しばらくしてシエル、キリヤとも予定通り会えた。
問題はキリヤの様子が変だったこと、シエルは普通だったし、アッシュはすげぇ嫌な奴だったけど、キリヤは俺を見た途端泣きながら俺を抱きしめてきた。
うん、この様子だと前回の記憶があるっぽいぞ?
キリヤの腕の中でそう感じたけど、俺はなにも言わず受け入れた。
どうせ記憶があるのなんてバレてるだろうしな、ただ、キリヤの様子から想像するにたぶんあれだ。
俺とカナタの最期を見てる気がする、きっと、キリヤが見つけてくれたんだろうな。
両手両足がなくて眼球を交換してる俺を見てショック受けたんだろうな、正直あの場面に遭遇したらトラウマレベルだろうし。
あまりにも残酷な姿だったろう、そんな姿を晒してしまったのは申し訳ないが自分ではどうにもならなかったわけだし、ごめんなさいと心の中で謝る他にできることはなかった。
さてさて、問題はキリヤと別れた夜のことだ。
夜寝てる時に部屋に侵入者が現れた、誰だと思えばキリヤの姿で、キリヤが切羽詰まった様子で俺にこう言ったんだ。
「ユーリ、一緒に逃げよう、俺が君を守るから」
と、そんなことを言われても俺はここから逃げ出すという選択肢はとくになかったから首を横に振った。
そんな俺を見てキリヤが「頼む、俺を信じてくれ、ここにいたらまた……あんな、俺には耐えれないんだ……」
唇を噛み締めて悔しげに伏せられた瞼、苦悶の表情を見たら拒絶をしきれなかった。
推しにそんな顔させるなんて俺には……。
でも、俺達はまだ子供だ、子供の俺達が逃げるって本当に大丈夫なんだろうか。
いくら記憶があっても限界はある気がするんだけど。
それでも、キリヤについて行くことを決めてベッドからおりて立ち上がればキリヤが俺を見て驚いた。
「来てくれるのか?」
「うん、なんかキリヤ兄様悲しそうだし、ついて行くよ」
キリヤから強く抱き締められて震えてるのがわかった。
よっぽどキリヤの中でトラウマになってるのかもしれないとその時に気づいた。
こうして俺は天井の魔法陣の秘密は調べることはできないままにキリヤと共に屋敷をあとにした。
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