【R-18】ヤンデレゲームの主人公に転生した俺は恋愛フラグをへし折りたい。【本編完結】

REN

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本編5章

キリヤとの2人での生活がはじまった。


キリヤと一緒に訪れたのは森の中だった。
森の奥深くにあるキリヤの家所有の別荘があるらしい、ただ、今はそこは使われてないらしくキリヤが1人で手入れをしたとか。

俺を迎えに行く前に俺を汚いところに連れて行くわけにいかないと数日間かけて綺麗に片付けて人が住めるまでにしたらしい。

キリヤが子供ということもあってか、今回の生活はかなり新しかった。

今までは誰かに拉致られたりしてま生活に不自由なんてものはなかった、前回のカナタとの生活だってカナタの肉を食べさせられたこと以外は生活は快適だったし。

だから、自分達で狩りをして木を伐採したり、まきを割ったりという生活は俺にとっては新鮮だった。

自分の目に映るもの全てがキラキラと輝いてるようで久しぶりに生きてるって感じがした。
本当に自由になったようなそんな気分に自然と俺の笑顔は増えて、キリヤはそんな俺を見て一緒に喜んでくれた。

別荘もそこまで大きくないのが俺は気に入っていた、今まではこう居心地があまりよくなかったしな、無駄に広すぎて。

今回のは一般家庭と変わらない、そんな大きさだ。
自宅はでかい屋敷だけど、正直今でもあそこでの生活は俺にとっては慣れないものだ。

転生前の俺は別に貴族とか金持ちとかそっちの類じゃなかったんだから当然といえば当然なんだけど。

ただ、最近前世の記憶らしい記憶がボヤけてるんだよな、何回もループしてる影響なのか、忘れかけてるのか、わからないけど。

自分がどんな奴だったとか、そこらへんも曖昧になってきてる。

今の生活が楽しければ楽しいほど、この先何が起こるのか不安になってしまう自分が嫌だ。
不幸とか、悪いことが起きることになれてきてしまってる。

ソファに腰おろして、キリヤの横に座ってもたれかかればキリヤが俺の方を見た。

「どうしたんだ?」

「うーん、なんかさ、こうしてると俺今の生活のがあってるし、幸せだなって思うんだけど、幸せだと感じる度にでかい代償を支払うことになるんじゃないかって不安になるんだ」

「…………そうか、ユーリは覚えてるのか?前回のこと…」

「…………覚えてるよ、それより前のことも」

「……そうか、覚えてるのか、俺は2人が死んだ後見つけたんだ、2人の死体を見つけた時に吐き気に襲われた、2人の両手両足がなくて目を交換してるそんな異常な姿に……」

「うん、ごめんね」

「ユーリが謝ることじゃない」

やっぱり、俺の予想はあってたらしい。
俺達2人を見つけたのはキリヤだった、あんな姿を見たら気持ち悪くなるのも人として普通な事だと思うから俺は何も言えない。

これでわかったことがある、もしかしたら、前回深く関わったり、印象に残るようなことがその人にとって起きれば次回に記憶を繰越すのかもしれない。

キリヤが記憶があったのは前回が酷い状態を見て記憶にこびりついたから、カナタのときはカナタの前に俺が飛び降りてきたから、その俺の事を食べたらしいけど。

シエルのことはよくわからんけど、シエルはなんで記憶があったのか、そもそも、発言的にシエルはもっと記憶がある感じだったし。

考えることに疲れて瞼をゆっくりとおろして、目を閉じると穏やかで静かな時間が流れる。
キリヤの隣は居心地がよくてクセになってしまいそうだ。





キリヤとの生活は自分的には快適だった。
多少の不便があっても、貴族社会からも脱してるから下手に自分に媚び売ってくる人間の目を気にしたり、宰相の息子として頑張らなくていいのは本当の意味で自由だ。

一緒に食べれる魔物狩りをした時も興奮した、キリヤは前回の記憶があるから狩りにも慣れてるようだ。

騎士団ならそれくらい普通なんだとか、王宮騎士とはいえ、王都周辺の魔物が凶暴化したりすればそれをどうにかするのは騎士団の務めなんだとか。

そうなると原因を突き止めるまでは戻らないこともあるから、野営するのも当たり前だし、持ってる食材が足りなくなれば魔物を狩って肉をゲットしたり、湖に住む魚類の魔物からもゲットしたりしてるとか言ってた。

王宮騎士団だからって常に美味しいものを食べてるわけじゃないんだなと思ったけど、魔物肉って意外と美味かったのもここに来て初めて知った。

家で出されるものは動物の肉や魚だったし、あとは前回無理矢理食べさせられた人肉の味くらいしか俺は知らなかったけど、魔物肉は魔物の種類から味が違う。

牛に近いもの、鳥に近いもの、豚に近いものもあるが家畜と違うのは歯ごたえが全然違うのは驚いた。
これぞ野生の肉?って感じだけど、俺はわりと好みだったりする、肉を食ってるって感じがするから。

元々転生前が庶民だからか、貴族飯っての?ああいうの合わなかったんだよな。
不味くはないけど、物足りないっつうか。

俺が求めてたのはこういう食事だよ!って夢中になって食べてたら、キリヤが驚いて苦笑してたな。
貴族には合わないかもって心配してたから当然といえば当然の反応だけど、ごめんな、キリヤ、俺は貧乏舌なんだ。

今思い出すだけでもあの顔はマヌケで可愛かった、うん、俺達子供だからキリヤが可愛いのは当たり前なのかもだけど、やっぱキリヤも可愛い顔してるよな。

思い出してくふくふ笑ってるとミルクを入れてきたキリヤが隣に腰をおろして、マグカップを1つ俺に差し出してきた。
それを受け取ってキリヤをじっと見つめる。

「上機嫌だけど、なにかいいことあったのか?」

「ううん、キリヤ可愛かったなって思い出してた、俺がほら魔物肉をうまいうまいって食ってる時驚いてたじゃん」

「貴族には合わないかとおもったからな、俺達王宮騎士団も貴族出身が多いが、騎士団にいるとああいったものを食べるのは日常的に多いから一般的な貴族とは違うのは自覚してるつもりだ」

「なるほど、俺も普通の貴族とは違うってことで、高いものはさ、美味しいのは美味しいんだけど、なんか物足りないんだよね、柔らかすぎるっていうか、魔物肉のが肉ー!って感じがして好き」

「ふっ、ユーリは意外と食いしん坊なんだな、可愛い」

「なっ、食いしん坊で悪かったね、家だとあんな風に丸かじりとかできないしさ、珍しいのもあって食べるのが楽しい」

魔物肉を丸かじりした時の感動はキリヤにはわからないのかな。
王宮騎士団で国王に使えるのが当たり前のように育った一族でもあるし、普通の貴族とはやっぱりどこか違うのか。

「ユーリが魔物肉を好んでくれたのは嬉しい、ここにだと不自由もあるだろうしな、食い物くらいは満足いくものを食べさせてやりたい」

「ふふっ、俺今の生活わりと気に入ってるよ、宰相の息子だからって貴族が顔出すようなパーティにはよく招かれるし、俺にまで媚びへつらう大人たち、俺と将来あわよくば婚姻できないかと寄ってくる令嬢たちにうんざりしてたから」

「そうか……」

目を見開いて少しだけ動揺したのにすぐにいつもと同じ雰囲気で穏やかで優しい眼差しで俺を見てくるキリヤは大人だなと思った。
深くは聞いてこない、そういうのが本当に心地いいんだ。
キリヤはヤンデレルートではないのかな、俺だけ連れてきただけで誰も殺さなかったし。





キリヤとの生活はいたって順調だし、いうことなし!なんだけど、最近気になることが増えた。

キリヤは元々自分が俺を誘拐したというのがバレるわけにいかないから、たびたび王都に戻ってる。
そこまでは別に問題ない、不満もないしな。

ただ、問題はキリヤって騎士が本業だから魔法が得意というわけではないし、リバーやカナタみたいに魔力が特別高い設定もない。

だからか、結界は家周辺のみのはずなんだ、はずなのにおかしいんだよな。

結界の中にいるときは俺に対する認識阻害?っていうのかな、そういうのがかかってるから俺のことを気にすることがなくなる。
でもさ、結界の外で行動したら当然その時は俺の事を思い出すんだよ。

それなのにここに来てから1ヶ月あまり俺を探しに誰か来た様子がなかった。

最近は結界の外の様子がたまにおかしいのが気にはなるが。

魔物の食い荒らされたような痕跡とか、魔物を嬲り殺したような痕跡をたまに見つける。
たぶん、何かいるんだと思う、それがはたして人間なのか、それとももっと強い魔物なのかまではわからない。

確かめたい気持ちはあるけど、俺まだ6歳の子供なんだよな。
こんな小さい体じゃ無理だわってわけで最近は結界の中にずっといる状態だ。
外に出たくてもキリヤが一緒じゃないと出れない、キリヤが外出してる時に外に出てなんかあったらやばいし。

1人で家の中で待ってるとめちゃめちゃ暇だ、やることないし、やれることもないし、体が小さいのもあって記憶があってもやれることが少ないんだよな。
魔物狩りはさ、ナイフ片手に弱っちい奴なら1人でも余裕で倒せる。

体の使い方は体が自然と覚えてるし、問題は体の小ささだ。
キリヤが帰ってくる前に美味しい食事をと思っても、高さが合わなくて料理は全くできない。
一応貴族の息子ではあるが、前世の記憶もあるから料理はできないことはない。

1度料理しようとして椅子使ったり駆使したけど、結果、厨房をめちゃめちゃにして小さい体にも引っ張られてキリヤが帰ってきた時は大号泣したっていうなんとも苦い思い出となった。

あれ以来料理をしようとはしていない、もう少し背が高ければ問題なくできるのに小柄な体が憎い。

そうなると本当にやることはなくて、掃除も掃除道具の大きさが合わなくて無理、魔法でできることやナイフでできることならできるんだけど料理や洗濯に掃除はそれではやれない。

現状俺は完全にキリヤのお荷物状態だ、キリヤがいなければ生きていくなんて無理だ。
それが怖い、ゾッとして背筋が震える、だってそうだろう?キリヤが万が一にも戻って来れなかったら?
毎日キリヤはここに帰ってくる、だけど、騎士団にいるかぎり絶対に命が無事である保証はない。

ゲームの中と同じシナリオで進むならキリヤは騎士団長になるし、死ぬことはありえないけど、ありえないことが起きてることを考えるとキリヤが毎日必ず帰って来れるとは言いきれないんだよな。



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