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本編5章
嫌な予感ほど当たるものだ。
外の嫌な痕跡も気になっていたけど、キリヤが昨日帰ってこなかった。
キリヤが作ってくれた料理はもう食べきってないし、キリヤがどうしてるのか、途中何かあったのか、なにもかもわからない。
もしかしたら、と頭の中では悪いことばかりが浮かんでは消える。
だって、外には謎の痕跡があるんだ、魔物を食い荒らしたような嬲り殺したような痕跡が。
それをやった犯人が人間なのか、魔物なのかは分からないが帰ってくる途中、キリヤが襲われたんだとしたら?
キリヤとの連絡手段はない、外に出て様子見たくてもあの痕跡がある以上、外に出るのは愚か者の判断だと思う。
食材は充分にある、キリヤの帰りを信じて俺は自分で料理をするしかない。
家周辺までは結界がはられてるのだから、ナイフとあとは魔法でどうにかできる。
家の中でやれば家事を起こすが外なら問題ない、備蓄してるまきを使って外で焚き火を作って、そこで肉を丸焼きにでもすればいいか。
普通に料理するのは無理でも、これなら俺でもできる。
高さが合わなくてワタワタしてるうちに色々とひっくり返して大惨事になっただけだからな。
調味料だけは椅子を使ってどうにか取って、あとは冷蔵庫から肉や野菜を取り出して外に持っていく。
鍋も取ってくるかと家の中に戻って鍋を椅子に登って取ってから外に出て、ふと気づいた。
キリヤはそういえばまだ無事だ、結界が仕事してる。
封印と結界は違うものだ、封印は術者が死んでも条件を満たさなければ解かれることはない。
結界は術者が死ねば解かれてしまう、つまり、結界があるうちはキリヤが生きてる証拠になる。
「よかった、キリヤはまだ無事だ」
ぽつりと俺は呟いた。
本当に心配だったんだ、キリヤが万が一にも魔物やられたんじゃないかって。
安心したら涙がポタポタと溢れて落ちて、地面に吸い込まれていく。
6歳に感情が引っ張られるから、ちょっとしたことでも涙が止まらなくなる。
グイッと袖で涙を拭いて、キリヤが戻るまで生き延びなければならない。
頑張らないと、泣いてる場合じゃないんだと頬をパシンと叩いて気合を入れた。
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