【1分読書】改造データ(MOD)はまるで魔術のように!!

もちだんご39

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異変④

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そして今に至る。
このゲームの世界に閉じ込められ続けたら、リアルの方で、食料も水分も取れずに餓死してしまうんじゃないか?ふとそんな考えが森の中で1人へたり込む俺の頭によぎる。

水を飲まずにいると3日間が生存限界で、水分以外の食料を食わずにいると、1ヶ月もかからないいうちに死ぬ可能性が高いという事をどこかで聞いたことがある。

VRゲーム中はリアルでは体を動かせない。
だから長時間ゲームをする時は、小豆にゲームを終了して水分補給をすることが最近のVRゲーム界隈では当たり前になっている。
それもゲームのログアウトボタンがあって初めて出来ることなのだが。本当にまずい。
こんなのが原因で死にたくない。

俺はこのままじゃ冷静な判断もできやしないと考えて深呼吸をして自分を落ち着かせようとする。数回深呼吸をするとすこし落ち着いてきた。

だいぶ俺が落ち着きを取り戻りた頃後ろの方でガサガサという音がした。嫌な予感がして内心バクバクの状態で恐る恐る後ろを向く。

やはり嫌な予感は的中したようだ。そこには、茂みをかき分けながら俺を獲物と定め1歩また1歩と俺との距離を着実にちじめている狼がいた。
狼と言っても俺よりも大きい2メートルくらいの大きさがあり顔には3本の傷が走っている。さっきまで戦っていたザコ敵と比べなくても分かる。
真っ向に勝負しても今の俺じゃ勝てない。
獰猛な目つきは確実に俺を捉えている。
そして生き物を殺すためだけにあると思わせるような、鋭く尖った歯は、俺の恐怖心をさらに煽る。あまりにも怖くて体が動いてくれない。

これは、ゲームに過ぎない。落ち着け俺。
いくら相手にリアルティがあってもこれはゲームなんだ。
こいつに殺されたとしてもアイテムをロストするだけ。
それに始めたばかりの俺は大したアイテムも持ってないからそこまで困ることは無い。落としたら時間を開けて拾いに来ればいい。
だから殺されても問題なーー
その瞬数メートル先にいた狼が大きく飛躍しながらその獰猛な歯を、俺の腕目掛けて押し付ける。。

「...ぃっつたぁぁぁぁあああああaaaaaaa!!!」

腕に噛み付いてきた狼を何とか剥がそうとパニック状態の俺は手に持っていた木剣を思いっきり狼の頭目掛けてぶつける。
その一撃は狼の顔にあたって不意打ちで驚いたのか、「ギャゥ」と呻き声をもらし噛み付いた俺の腕を離す。
しかしまだ俺を喰らう事を諦めていないのか腕を離して数俺から少し距離を離しただけ。
俺の腕からは赤い鮮血が舞き散ちり緑の草木に赤がとびひしている。
今の一撃では俺の腕は食いちぎられていない。

だが敵はまだ目の前にいる。
安心することは出来ない。
それに痛い?痛い!噛まれた腕を触ってみると熱い。濡れてる。しかもこの妙にリアルな感触。おかしい。

いくらこのゲームにリアリティがあっても、これほどに強烈な痛みが来る演出なんてない!

いくらVR技術が進歩していても、これほど現実に近い感触と痛たみを忠実に再現できる技術なんてない!

さっきザコ敵の攻撃が当たった時に痛みなんて感じなかった。HPが減るだけで体に傷がついた形跡もなかった。ザコ敵だから気づかない程度の痛みしか無かった?それとも痛みを感じさせる敵と感じさせない敵がいる?ザコ敵を倒した後に痛みを感じるようになった?

分からない。何も分からない。

でも今は、そんなことはどうでもいい。今俺が考えることはただ1つ。このピンチをどうやって乗り切るかだ。それに俺の本能が言っている。ここ《ゲーム》で死ねば本当にしぬ!!と。
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