桃井家のフシギな物語

佐々蔵翔人

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挫折と新たな道

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恵は高校に入学する
高校は水泳部で名を馳せている私立カトレア学院高校に入学する。恵は公立中学ながら1年生から活躍を見せ特待生で入学したかと思われたが一般入学だった。
特待生以外の水泳部員は過去の実績に加え、新入生入部記録会で一定記録を出さないとまず入部すら許されないとこれまで以上に厳しい状況にたたされることになった。
過去の実績は申し分のない恵は新入生入部記録会でも一定記録を超え、恵は水泳部に入部することが決まった。
新入部員は特待生、一般入部含めて50人近くいて1ヶ月後には半分、3年生になる頃には数人が残るぐらいカレトア学院の水泳部は厳しかった。恵は高校でも成績を残して個人だけでなくリレーにも出場したいと強い思いでいた。

一世風靡
小学校、中学校で活躍した恵はカトレア学院でも名が知られており新入生"桃井恵"を一目見に行こうと上級生や同級生が恵のクラスに集まることもあった。
当の本人である恵は自分を見に来たと思わずにいたがクラスメイトからはよくこのクラスに色んな人が来るのは恵を見に来てるんだよと言われ、来た人には会釈をして握手をする様になった。もしお願いされれば写真撮影も快く引き受けた。
恵はこんなにも多くの人が名前を知っているんだ、嬉しい反面、期待に応えなければとより一層感じるようになった。

特待生の凄さ
特待生一覧に見に覚えのある名前があった。その名は東雲海凪と書かれており、久しぶりの再会に喜んだ。海凪も恵の顔を見て抱き合った。
海凪はめぐもカトレアに来たんだ~!
また一緒に泳げるね。恵は海凪に尋ねた。海凪さんは特待生で入っているから中学校みたいに第一線で活躍しているんですか?
海凪は中学校の時は負ける気なんてしなかったけど、ここでは補欠に入ることも大変で、メドレーや個人自由形で出たのも1回しかないんだよと恵に告げた。
全国から集まるからある程度覚悟しつつ入部したもののいきなり洗礼を浴びた。
大宮南部中学のエースとして君臨していた海凪さんでも苦戦するってカトレアの水泳部って凄いんだ、まずメドレーメンバーに入らないとこの先勝ち上がれないと改めて感じた。

今以上に人一倍
海凪の話を聞いた恵は中学の時に通っていた市民プールで徹底的に泳いで特待生や他の部員にも負けまいと人一倍泳いだ。その時間は市民プールが開く時間から閉まる時間まで泳ぎ続けた。
それが1週間、1ヶ月と続きそれでもまだ泳ぎ足りないと感じた恵は部活終わりにも市民プールで泳ぐことにした。
そして閉まる時間が迫ってきてプールから上がり更衣室に向かう途中、恵は意識を失い気づいたら病室で横になり点滴を受けていた。
病室にはパパ、ママ、莉子の他に水泳部の監督や海凪、同級生の部員が集まっていた。恵は申し訳ことをしたなと痛感した。
恵は監督と部員に心配かけてすみませんでした。監督はメンバーに選ばれる為に努力することは大事だけどムリをしたらダメだよ。
海凪は中学から頑張ってることは誰よりも知ってるよ、早く戻ってまた一緒に泳ごうね。
そして先生から疲れで意識を失っただけですと告られ、恵は考えた。原因は負けん気で泳ぎ続けたことが仇(あだ)となった。
医者からは水泳を続けてもいいがムリをすると
泳げなくなる可能性もあると告げられた。
様々な状況からカムバックしてきた恵にとっては治してまた泳ぐことだけを考えていた。

退院そして……
恵は退院してまた泳ぐことになったが、泳いでみると今までに記録したことのない程の記録で大スランプに陥っている。
海凪に相談するとしばらく休むように言われ休むことにした。
そして1ヶ月ぶりに泳いでみると記録は小学生の記録にも到底及ぶほどのものではなかった。
小学生、中学生でずっと水泳に捧げてきた恵は初めて水泳を続けるか辞めるかとの岐路に立たされることになった。
恵は誰かに相談して水泳を辞めるかそれとも誰にも相談せずに水泳を辞めるのか。水泳を続けることよりも辞めたいと思う気持ちの方が強かった。
家族にも同級生、先輩に迷惑はかけられないと自分のことよりも他人のことを考える恵はそれすらどうするか悩んでいた。

違和感
恵は退院してから数週間が経ち再びプールに戻ることが出来た。病み上がりで記録が出ないのは仕方ないと思っていたが今までに感じたことがない違和感を覚えた。
退院してすぐに泳いだ時は過去ワーストの記録だがプールに戻ってきたことに喜びがあった。しかしこの日は泳いでも何も感じない。
前に莉子は電光掲示板の記録を気にせず泳ぐ事に集中しているって言ってたけど私には莉子のマネなんて出来ない。記録に一喜一憂するしそれ以前にこんな状況で果たして水泳が出来るのか。それとも水泳を辞めて他の事をするのか。よし一旦プールから上がろう。
プールに上がり制服に着替えショッピングモールに向かった。アテもなく洋服屋を見て周り普段は食べないファストフードでハンバーガーとポテトのセットを頼み悩み打ちひしがれていた。恵はせっかく来たんだし他にも見てから帰ろうと歩いていると本屋で恋愛小説や自己啓発の本を読んでいて1冊の本に目が止まった。
「悩みは次に繋がる道標」
恵はタイトルに興味が湧いて中身を読まずに買うことを即決した。この本で何か変われるかも知れない、読んで感動したら莉子にも読ませてあげよう。そう考えたら少し気持ちが晴れたような気がした。

気分転換
恵は今までに感じたことのない不安を感じていた。誰かと遊びに行きたいなと考えた。
莉子、今週末って時間ある?
莉子は試合ないから自主練しようかなって思ってるよ。お姉ちゃん浮かない表情してどうしたの?恵は莉子とどこ行きたいなって思って。莉子がよければどこか出かけない?
莉子はいいよ一緒に出かけよう。出かけるの土曜日でもいいかな?恵は莉子が土曜日がいいなら土曜日出かけよう。
莉子はいつも元気で笑顔が絶えないお姉ちゃんが浮かない表情に心配をしていた。
2人は学校の制服を着て家を出た。駅近くにあるアミューズメント施設でボーリングやカラオケを楽しんでいると恵はプリクラあるよ、莉子一緒に撮ろうよ。
莉子はプリクラか、私プリクラ始めてだなと写真を撮り加工していた。お姉ちゃん目がぱっちりでかわいい。恵はちょっとこんなに細工しすぎだよ。莉子もかわいいよ。
恵は莉子にカフェ行こうよと誘った。莉子は沢山動いたしちょっと休もうよとカフェに入った。
莉子は抹茶ラテ、恵はカフェオレを注文した。
お姉ちゃんどうしたの?最近浮かない表情してること多いけど何かあった?
恵は小さい時から水泳に一筋でやってきて高校入って周りの子たちに負けないようにと思って練習が終わっても自主練してもタイムか伸びなくてさ。終(しま)いにはプールで倒れて病院に運ばれて監督や部員の子たち、何よりもママやパパそして莉子に迷惑かけちゃって私何してるんだろうね……。この先どうなるのか心配だな。
莉子はお姉ちゃんが弱音を吐くの始めて見たかも。恵はつい、ダメなお姉ちゃんでゴメンねと弱音を吐いた。
莉子はそんなことないよ。何かあったら私に話して。愚痴でも文句でも何でも聞くよ。その話を聞いて恵は優しい妹を持って幸せだなと泣き出した。
莉子はちょっとお姉ちゃん泣かないでよ。私もお姉ちゃんに頼ることあるからお姉ちゃんも私にもっと頼って欲しいなと恵に笑顔を見せた。
恵は莉子に話してなんだかスッキリした。会計を済ませてお店を出た。

莉子の試合
恵は莉子が大会に出ると分かったので応援に行こうと思った。応援に行き、席に座ると1人の男の子がいた。
男の子はもしかして桃井恵さんですか?
恵は誰だろう……という顔でそうですとか細い声で言った。
そして男の子は莉子さんと同じクラスメイトの徳本賢太郎(とくもとけんたろう)です。
莉子さんから今日試合出ると聞きました。恵は莉子のこと応援してくれてありがとう。
徳本君は水泳をよく見に来るの? 
賢太郎はテレビでも見るし、現地に足を運ぶこともあります。
昔、恵さんの試合も現地で見ていました 。恵はあの試合見に来てくれたんだ、ありがとう。
今日は注目している選手とかいたりするの?
賢太郎はそりゃもちろん莉子さんですよ。記録以上にあのダイナミックな泳ぎは誰にも出来ませんよ。
恵はへぇ~、徳本君って莉子のことよく見てるね。もしかして莉子のこと好きなの?
賢太郎はい、いや莉子さんの泳ぎはすごいって思っているだけでそれ以上の感情はないです。
恵は賢太郎にもうすぐ莉子の試合始まるよ。
恵と賢太郎は莉子に声が枯れるまで応援し、莉子は個人自由形1位になり恵と賢太郎はハイタッチして喜んだ。
賢太郎は顔を赤くし、恵さんよければ連絡先を教えて貰えませんか?
勇気を振り絞り聞くと恵はニコッと笑顔でいいよと答え連絡先を交換した。そして恵は家に帰り、莉子と同じクラスの賢太郎が来てたよと伝えた。
莉子は徳本君見に来てくれたんだ。恵は莉子が泳いでる時にめっちゃ応援したよ。
莉子は徳本君、お姉ちゃんのあの試合にも来たって言ってたよ。恵はたまたま隣の席に賢太郎君いてその話聞いたよ。もしかしたら徳本くん莉子のこと好きなのかもよ。莉子は2人で見てたんだ。
ってそんなとこあるかな?恵はたまたま隣の席で、莉子が1位になった時に2人でハイタッチして、徳本君から連絡先教えて欲しいって言われたから渡した。
莉子は何必死に泳いでる時にイチャイチャしてるの、さっき私に徳本君好きなのかもとか言ってたけどさ徳本君が好きなのはホントはお姉ちゃんかもよ。
恵はコラ、お姉ちゃんを揶揄(からか)うのはやめなよ。そして姉妹2人で賢太郎がどっちのことが好きなのかを話していた。

誘い
そして莉子が個人自由形で1位になった試合から2週間後、莉子はまた試合に出ることが決まった。恵はいつものように1人で見に行こうとしていた。
携帯が鳴り、宛先を見ると賢太郎から明日、もしよければ莉子さんの試合を一緒に観戦しませんか?と誘われた。
恵はメールを打っていると莉子が恵の携帯を覗き込み、莉子は明日徳本君と見に来るの?恵は莉子には関係ないでしょと遇った。
駅で集合し、2人は会場へ向かう道中会話をしていた。
賢太郎は突然のお誘いすみません、この前の莉子さん凄かったですね。この前の試合後に莉子からイチャイチャするなって怒られたよ。
莉子が徳本君はお姉ちゃんのこと好きなんじゃないかと揶揄(からか)ってきて大変だったよ~。莉子には困ったもんだね。
賢太郎は僕のせいで恵さんに迷惑かけてすみませんでした。
恵は別に徳本君が気にすることないんだよ。
賢太郎は恵さんと莉子さんってホント仲がいいんですね。
恵は姉妹だけどお互いがお互いのこと好きみたいな感じだからね。たまに姉妹じゃなかったらどうだったのかって思う時もあるよ。2人は他愛もない話をしていたら会場に着いた。
そして2人は莉子の登場を待っていると莉子が登場し、大声で声援を送った。
莉子は他を寄せつけない泳ぎで個人自由形で1位なりいつも全力で泳ぎ、見るものを魅了していた。2人で感動したなと話していた。
観戦を終えて恵は帰ろうとしていたら賢太郎は恵を呼び止めた。
賢太郎は恵さんこの後お時間ありますか?恵は特に予定はないけど……。何かあった?
賢太郎はこの後カフェに行きませんか?
恵はん~……そうだね、時間あるし特にすることもないからカフェ行こうかな。
賢太郎はやった~、ありがとうございます。絶対に断られると思っていた賢太郎は恵に突然誘いを受けてくれたことが嬉しくてガッツポーズをした。それを見た恵は賢太郎を愛おしく思った。
2人はカフェで珈琲を飲みながらお互いに最近何が流行っているのかを話し合っていた。そして賢太郎は恵に相談を持ちかけた。
賢太郎は恵さんってどういう人が好きですか?恵はえっ、どんな人か~……。難しい質問だね、私のことを1番に考えてくれる人かな。
賢太郎は思わず恵さんの周りには沢山いそうですね。恵はそんなことないよ~。そういう徳本君はどうなの?
賢太郎は僕ですか?一緒に居て気を遣わない人がいいなと思います。恵は徳本君の周りにはそういう人いる?賢太郎はいます。
僕が好きなのは恵さんです。恵は思わず、恵さんって人が好きなんだ、恵さんってもしかして私?
賢太郎はそうです。恵さん僕に好かれたら迷惑ですか?
恵は徳本君は私じゃなくて莉子のことが好きだと思ってたからちょっとビックリした。
じゃあお互い莉子の耳に入ったらめんどくさいから2人だけの秘密にしようねと耳打ちした。
賢太郎は恵さん、ちょっと恥ずかしいじゃないですか……。恵は交際するんだからその恵さん呼びはダメ。
じゃあ今からはめぐって呼んでね。賢太郎はめぐ、分かったよ。こうして「めぐ」、「賢君」と呼び合い交際が始まった。そして2人はそれぞれの家に帰った。

ある夏の日
恵と賢太郎は2人で会うようになった。莉子の試合があれば観戦し、その後出かけた。試合のない日は映画を観たり、ショッピングに行く等他のカップルと何ら変わらない光景だった。
そして7月のある日、恵のクラスではある話題で盛り上がっていた。恵は気になりクラスメイトに聞いてみた。何の話で盛り上がってるのと聞いた。
そしてクラスメイトは今週末、隣町で夏祭りあるって話をしているところだよ。恵はその話を聞いてそう言えば夏祭りって今週なんだと思い出した。
クラスメイトは恵に誰かと行くのか聞かれ、恵はまだ決めてないよと答えた。
クラスメイトは友達と行く人もいれば1人で行く人等それぞれいた。夏祭りの話を聞いた恵は賢太郎と行こうとメールで誘った。
恵は賢君今週末、隣町で夏祭りあるんだけど行かない?
賢太郎は俺もちょうど今、めぐを誘おうと思ってた所だよ。
恵はえ?そうなの!?以心伝心だね。
賢太郎はじゃあ午後5時に駅で待ち合わせにしようとメールを送った。恵は分かった。賢君との夏祭り楽しみだな。
恵はこの前かわいいと思い、水色の浴衣を買ったはいいものの中々着る機会がなく夏祭りで着ていこうと思っていた。
当日恵は普段着られない浴衣に悪戦苦闘をしていると約束の時間が過ぎ、駅に着いたのは15分遅れていた。
恵は小走りで息をあげて賢君遅くなってゴメンね。
賢太郎は恵に水を渡し、全然大丈夫だよ。まだ電車来てないし。恵は賢君、お水ありがとう。
時計を見てもうすぐ電車の時間だよ。賢太郎は思わずあ、めぐ今日浴衣で来たんだね。恵は夏祭りだから気合い入れてきた。似合ってるかな?賢太郎は似合ってるよ。水色の浴衣かわいいね。
恵は賢君に喜んでもらえてよかった。賢太郎はめぐお願いがあるんだけど?
恵は思わずお願い?どうしたの?すかさず賢太郎は写真撮りたいんだけどいい?
恵は勿論だよ。向こう行っても撮ろうね。
賢太郎はあれ?めぐいつもと違うね。
恵はえ?いつもと違う感じにしたんだけど分かる?賢太郎はいつもと雰囲気違う。それにいつも髪結ばないのに今日は髪結んでるね。
恵はそうなの。今日はポニーテールにしてみた。莉子から聞いたよ。賢君ポニーテールが好きだって。
賢太郎はめぐ……可愛すぎるよ。恵は賢君ありがとう。
ホームに電車が来て2人は電車に乗り込んだ。賢太郎はすごい人だね。みんな同じ所行くのかな?恵はそうかもよ。 夏祭り楽しみだね。
賢太郎はやっぱり駅降りる人多いね。逸(はぐ)れないように手繋ごう恵はありがとう。 賢君優しいね。2人は会場に着き、賢太郎は何から見ようかなと眺めていた。恵はそうだね~……。あ、賢君金魚すくいやってもいい?
賢太郎はいいよ。 じゃあ300円ちょうどで。恵は金魚取るぞ~。 あっ、網が破れちゃった……。賢太郎は金魚すくいを見ていて恵にもう1回やる?
そうすると恵は他のところ行こう。再び出店を探していた。賢太郎は恵の浴衣を見てめぐ、袖が濡れてるからハンカチ使って拭いて。
恵はえ……ありがとう。 お礼に賢君何か欲しいものある?賢太郎はそうだな…。じゃあクレープ食べようかな。
恵はへ~、賢君かわいいもの食べるんだね。めぐが何か欲しいものって言うからさ……。恵はいいよ。じゃあ私も食べよう。2つで800円ちょうどで。
賢太郎はありがとう。 クレープ美味しいねと微笑んだ。
恵はホントだね。 「ピューン、ドン」何か向こうで微かに音が鳴った。賢太郎はホント?じゃあめぐ行ってみる?」
恵はうわ~、花火だ。綺麗だね。賢太郎は俺はめぐの方が綺麗だと思うよ。
恵はもう賢君ったら。賢太郎は恵の頬にチュッとキスをした。恵はなにいきなり?そんな不意にキスしないでよ。やり直し。
賢太郎は恵にやり直しって何かと聞いた。恵はもう1回キスして。
ちゃんと私の目を見て。賢太郎は分かったよ。 めぐこっち向いて。恵は賢太郎にどうしたの?賢太郎はチュッ。
恵は賢君ありがとう。そして賢太郎はせっかくだから花火をバックに写真撮ろうよ。恵はいいよ。 パシャッと写真を撮って2人は夏の思い出を写真に残して家に帰った。

決断
特待生で入った海凪と違い、一般入学の恵は部活を辞めても学校に居づらいと言うことはない。恵は水泳をしてない間、賢太郎といることに嬉しさもあって水泳以外にも楽しさを見出していた。
そして休みの日に恵は海凪に話がしたいと電話で公園に呼び出した。
恵は海凪さん急に呼び出してすみません。申し訳ないのですが私、水泳を辞めようと思います。中学の時みたいに結果を残せなくても楽しく泳ぐことが出来なくてこれなら水泳から身を引いた方がいいなと思いました。
海凪は寂しそうな表情でそっか~……。中学校の時に全国大会で優勝出来たのはめぐのおかげでしょ、私がここまで水泳を続けてこられたのはめぐが居たからだよ。めぐの人生なんだからめぐ自身で決めな。
それを聞いた恵は泣いてしまい、海凪は恵をギュッと抱きしめて頭を撫でた。海凪は恵が水泳を辞めることに戸惑いがあったもののそれ以上に自分を慕ってくれた恵に嬉しく思っていた。
恵は家に帰り晩御飯を食べている時にパパ、ママ、莉子の3人に改めて水泳を辞めることを伝えた。
パパとママはお疲れ様、これからどうするかはゆっくり考えなと言ってくれた。
莉子はお姉ちゃんが水泳を辞めるのは正直寂しいけど仕方ないね。私、お姉ちゃんの分まで水泳を頑張るねと言ってくれた。
恵は莉子ありがとう。でもオーバーワークしたら私のようになるからムリだけはしたらダメだよ。
恵はこの先どうなるのか分からずひとまず色んなことに興味を持って自分探しをする事に決めた。

海凪からの誘い
もしもしめぐ、今ちょっと時間ある?恵はあります、海凪さんどうされましたか?
海凪は今から家に来てもらってもいい?恵は分かりました、着替えてから行くので1時間前後に海凪さんの家に行きますね。
恵は制服に着替えて海凪の家に向かい、呼び鈴を鳴らした。海凪は扉を開けるとめぐ制服で着たんだ、家に上がって。
翔子はめぐさんお久しぶりです。恵はしょーちゃん久しぶり。元気そうだね。
海凪は恵をリビングに案内をした。めぐ座って。何か食べたいものある?恵は食べたいものですか?じゃあパンケーキお願いします。
海凪は台所に向かいパンケーキを作り始めた。
しばらくすると翔子がリビングにやって来た。ところでめぐさんはどうして遊びに来てくれたんですか?恵は海凪さんに来て欲しいって言われたから今日は来たよ。
海凪はパンケーキ出来た。翔子ちょっとこっち来て一口食べてみて。翔子はパンケーキを食べて美味しいよ。
めぐ、シロップやクリームはお好みでどうぞ。
恵はありがとうございます。パンケーキの写真を撮った。そうだ海凪さん、しょーちゃんよかったら3人で写真撮ろうよ。東雲姉妹はいいよじゃあ3人で写真撮ろうかと携帯で写真を撮った。
恵はパンケーキを食べ終えて海凪さん、今日呼んでもらった理由とかあるんですか?海凪はこの前の事があったから何かしてあげたいなって思ってさ。恵はまだ引きずっている所はありますが少しは癒えました。しょーちゃん、莉子と仲良くしてあげてね。
翔子は莉子とはプール内ではライバルでも一旦離れればいつも喋っています。

制服デート
恵は全てを水泳に捧げてきたのに病院に運ばれてからテレビ中継でやっている水泳の試合も見るのを避けるようになった。何か他に興味持てるもの何かないかな。
賢太郎から電話がかかってきた。めぐ、明日学校帰りにデートしない?制服デートしてみたくてさ。恵は高校生の特権ともいえる制服デート、気分が晴れるのかな。分かった、午後4時に駅で待ち合わせしようと電話を切った。
授業後、先に恵が駅で待っていた。10分後、健太郎がやって来て遅くなってゴメンね。浮かない表情してるけど何かあった?手を差し出してとりあえず公園に行こうかと移動した。
恵をベンチに座るように伝え、自販機で天然水を買って1つを恵に渡した。恵はありがとう、何か気を遣わせちゃってゴメンね。
賢太郎は何かあった?何でも聞くよ。
恵は虚無感というか何に対してもやる気になれなくて。賢太郎は思い当たるフシはある?
前に部活後に市民プールで閉館時間までずっと泳いでてそれが原因で倒れちゃって。戻ってきて感覚を取り戻そうとして泳いだけどタイムも出ずに水泳を辞めたんだ。
賢太郎はそっか、思い出させちゃってゴメンね。恵はそれ以降何をしたらいいのか分からなくて……。賢太郎は色んなことに興味持って見たらどうかな?そうすれば新たな世界が見えてくるかもよ。
恵はそうだね、賢君の趣味って何?
賢太郎はスポーツ観戦、写真、食べ歩きかな。他にもあるけど……これはね。
恵は変わった虫が好きとか1日中アニメを観るとかそういうのでもいい。隠さず教えて。
賢太郎は実は地下アイドルにハマってるんだ。恵はアイドルか、考えたこともなかったな。賢君がハマってる地下アイドルってライブとかやってないの?
賢太郎は携帯で調べた。駅近くの広場で野外ライブが行われるが行われるけど一緒に行く?恵はもちろん、早く移動するよ。
2人は駅に戻り広場でライブが始まるのを待った。恵は賢君に推しの子とかいるの?
健太郎は出てくるメンバー見てみな。みんなかわいいメンバーばかりだかさ。
そしてライブが始まりメンバーが15人出てきて恵はみんなスタイルよくてかわいい。それも衣装がかわいいと見蕩(みと)れていた。
2時間のライブが終わった。恵はアイドルのファンとなっていて健太郎にまたライブ一緒に見に行こうねと誘った。
こんな衣装を着て歌って踊れたら楽しいだろうなと思っていた。

1枚のポスター
最寄駅で1枚のポスターを見つけた。アイドルグループ始動「マカロンレインボー」と書かれていた。恵はそこまで気にはしていなかったがポスターを写真で撮影し、家に帰るとリビングに莉子がテレビを観ていると歌番組でアイドルが出演していた。
莉子はこの衣装かわいい~。恵は莉子にどうしたの?
莉子はかわいい衣装に身を纏(まと)い、歌って踊っている姿がテレビ番組で映っていた。
それを観た恵はテレビを観て歌のメロディーも衣装、ダンスもかわいく何よりも華奢で顔が小さく女の子でもかわいいって言ってしまうほどだった。
そして莉子はお姉ちゃんスタイルいいしかわいいからアイドルになったら?恵は莉子ったら何言ってるの?冗談でも嬉しいよ。
母は駅で「マカロンレインボー」のポスター写真を撮影し、恵にメールで添付した。
恵は母にこの写真私も前に駅で撮影したよと笑いながら答えた。
そして父からメールで出張から帰ってくると言うことで駅で降り、恵の父は恵に「かわいいポスターあるから送るね!」と言って送られてきた。
恵のメールを開くと「マカロンレインボーの募集の写真が添付されていた」家族総出で恵をアイドルになるべきだと思っていた。

賢太郎からの連絡
2人が交際してから半年、恵は賢太郎に近くの公園に来て欲しいとメールが届いた。
恵は賢君どうしたの?
賢太郎は駅でマカロンレインボーのポスターを見かけたんだけど、めぐはオーディション受けるの?恵は家族は受けた方がいいとは言うんだけどね。賢太郎はめぐはどうしたいの?
恵はあのかわいい衣装で歌って踊るのは憧れるよ。賢太郎はめぐだったらかわいいし、スタイルもいいからアイドルになれるよ。
恵はん~……。悩んでるんだよね。
賢太郎は悩んでるんだったらやるだけやってみたら?受けないことにはその先もないよ。
それを聞いた恵は賢君がそこまて言うなら受けてみようかな。賢太郎はツラい決断をした。
めぐ……話を聞いて欲しい。交際は今日までで明日からは友達に戻ろう。
それを聞いた恵はえ……どうして?賢太郎はだってアイドルで交際してたら問題になるよ。それはお互いにとってよくないでしょ。恵はもしかして賢君は私のこと嫌いになった?
賢太郎はそんなことないよ。めぐのことを嫌いになる訳がないよ。
恵はじゃあ賢君は私の気持ちを汲んで話を切り出したの?
賢太郎はうん、そうだよ。俺はいつでも恵の味方だよ。
恵はじゃあもしアイドルになったら応援してくれる?賢太郎は勿論だよ。どこにいても応援するよ。
恵は賢君、じゃあ最後に惜別のキスをして欲しい。賢太郎はチュッ。これで終わりだね。
恵は寂しいけど私、頑張るね。
こうして恵と賢太郎は笑顔で交際を終えた。
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