パーティーを追放された俺は、俺だけが使える最強の闇魔法に目覚めて、Sランク冒険者になったのだが。魔物討伐より俺の仲間の方が問題だった

榊凛紅

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第1章 Sランク冒険者

003 勧誘

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 中世のヨーロッパの様な町にあるギルドの中。
 俺は、ギルドのドアの前でおどろいていた。

(い、今なんて‥‥‥?
 パ、パーティーに入んないかって聞いてこなかったか!?!?) 

 あまりの出来事に、固まる俺。
 俺は、Sランク冒険者からの急なパーティー申請しんせいおどろきをかくせなかった。

 だが、おどろきをかくせなかったのは俺だけではない。
 ギルドにいる全員が、とんでもないさけび声とともにおどろいた。

「「えええええええええ!?!?!?!?!」」
「うっそーん」
「マジか‥‥‥」
「はぁ!?」
「ありえねぇー」

「神様のいたずらが、神様に拾われた!?!?」

「なんで最弱のアイツが、シュトラール様に声かけられてるんだよ!!」

 ギルド中に、不満の声と俺に対する嫉妬しっとの声が飛びった。
 そんな中、1人の男がシュトラール様の前に立った。
 トテーボだ。

「シュトラール様! こいつは最弱の冒険者なんだぜ?
 そんな雑魚ざこより、俺様の方が数100倍強いぜ!
 勧誘かんゆうなら、俺様にするべきじゃねーか? ケハハハハ」

 トテーボは、自信満々にそう言った。
 だが、トテーボもただのEランク冒険者。
 シュトラール様の目にとどまるわけがなかったのだ。

「君は、いらないよぉー! 弱そうだしぃー!
 僕は、強い人しか勧誘かんゆうしないって決めてるからさぁー! ごめんねぇー!」

 その言葉に、たましいけたように固まるトテーボ。
 断られない、と思っていなかったのだろうか?
 顔が、唖然あぜんとしている。
 
 トテーボと話し終わったシュトラール様は、また俺の方を見てきた。
 俺は別に断った訳でもなく、おどろきがかくせず固まっていた。
 だが、そんな俺を見たシュトラール様の表情はくもった。
 そして、ちょっと残念そうに聞いてきた。

「もしかしてさぁ、もうどこかのパーティーに入ってるぅー??
 レオッチ強そうだもん‥‥‥入ってるよねぇ‥‥‥?」

「いえ……。たった今追放されたばかりで……」

 そう言うと、シュトラール様の表情はまた、ぱあっと明るくなりにっこり微笑ほほえんでいた。
 シュトラール様の感情は全て表情に出るため、すごくわかりやすい。
 そして、そんな笑顔のシュトラール様は機嫌きげんのいい声で俺に話しかけてきた。
 
「じゃあさぁー! じゃあさぁー! 僕のパーティーにおいでよぉー!
 結構強いからさぁー。レオッチも気に入ると思うんだぁー!」

 俺は、その言葉におどろいた。
 そして、俺はなやんだ。
 何もできない俺が、実力がない俺がSランクに入ってもいいのだろうか?
 パーティーの迷惑めいわくにならないだろうか?

 気持ちではうれしくても、頭の中で自分にストップをかけた。
 
「シュトラール様。おさそいはうれしいんですが……」

 そう言って、俺は断ろうとした。
 だが、それをさっしたのかシュトラール様は微笑ほほえみながら俺の言葉さえぎってきた。
 
「ほんとぉ? うれしいなら良かったぁ! じゃあ決まりだねぇ!」

 シュトラール様は俺の手をブンブン振りながら、よろしくぅーとうれしそう。
 
 こうして俺は訳も分からずに、EランクからSランクパーティーに大出世したのだった。

 そして、俺は早速。
 シュトラール様に連れられ、新メンバー加入の手続きをした。
 だが、問題が発生。

「レオン。いやレオン様!! 自分、ミーゴっす!」

「ホアですわ!!」

「カーバです!!!」

 ギルドにいた野次馬やじうまどもが、俺に名前を教えてきたのだ。
 見事な手のひら返しだ。
 さっきまでは、さんざん追放された俺を笑っていたくせに。
 俺がSランクパーティーに入ったとたん、この変わり様。
 俺は、少し人がこわくなった。

 そんな中。
 トテーボは納得できなさそうな顔をして俺をにらみつけている。
 顔も、しかめっ面でかなり不機嫌ふきげんそうだ。
 彼からしたら、この状きょうは面白くないだろう。
 
 そんなトテーボ見た俺は、急いでギルドを出ようとした。
 何かされるのではと、こわくなったのだ。
 それに気付いたトテーボは、大きな声で俺を止めた。

「レオン! オメェ俺様からげる気か?」

 その瞬間、冒険者が静かになりトテーボを見た。

「あいつまだ自分の状況分かってないのかよ‥‥‥」

 と、言わんばかりの視線をトテーボに送る。
 だが、トテーボは気にせずにもう一度さけんできた。

「レオン! オメェ俺様から逃げる気かって聞いてんだよ!!!!」

 その怒鳴どなり声を聞いて、とびらの前まで行った俺の足はピタリと止まる。
 パーティーにいた時からのくせで、咄嗟とっさに止まってしまったのだ。
 そして、トテーボの方を向いた。

「俺様と決闘けっとうしろ!
 明日、この街の闘技場とうぎじょうに来い!
 げたらどうなるかわかってんだろうなぁ?」

 トテーボはそう言うと、俺にぶつかりながら外へ出て行ったのだった――
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