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第8話
しおりを挟む──さて。
それからの、2人ですが。
まずは婚約者として、シンデレラの存在が公表されました。
あの舞踏会で王子様が見染めた、というのが2人の馴れ初めとして、町中では毎日のように人々が噂をしています。
国王夫妻も、シンデレラの正体も含めて、あたたかく迎えてくれました。
王妃様に至っては「私、娘と着飾ったりお茶をしたりするのが長年の夢でしたの!」と喜色満面で叫ぶ有り様です。
そしてシンデレラの生家……継母達については、そのまま特に何もありませんでした。
彼女達も、シンデレラが仕返しをしてくるのではと怯えていましたが、正直シンデレラはそれどころではありませんでした。
王妃教育の日々が始まったからです。
何せ彼は生粋の貴族ではありません。礼儀作法から言葉遣いから、多少心得てはいたものの、未来の王妃としては不足もあります。更に国内、国外でのイベントや慣習について、ありとあらゆる知識を詰め込む必要がありました。
すぐさま結婚、といかなかったのは、こういう理由もあったのです。
毎日が目まぐるしい日々でしたが、その中でも彼らはゆっくりと仲を深めていきました。
誰の目から見ても、仲睦まじい、お似合いの2人でした。
とても幸せそうに。
穏やかに、淡く微笑む美男美女。
見目麗しい彼らを、周囲の誰もが祝福しました。
波瀾万丈の人生を歩んできた2人でしたが、こうしてめでたくも、幸さちを手にすることが出来たのです。
めでたし、めでたし──……。
クロ「──ちょ、俺は!?」
おしまい☆
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クロ……ファイトー……( ̄▽ ̄;)