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初回特典みたいな馴れ合い

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 シャワーを浴びてヒゲを全て剃りさっぱりとしたシュウジの全裸を女神が見た。
「きれいになったようだな」
「こういう場合ってバスタオルやら服なんかを用意してくれているものでは」
「ばすたおる? ああ。ぬれた身体を拭きとるためのアイテムか。そのうち勝手に乾くだろう」
「風邪をひいたらどうするんだ」
「不死身だから問題ないはずだが。ま、へそを曲げられても面倒か」
 特殊な能力によるものか、どこかから取りだしたバスタオルを女神がシュウジに渡す。ぬれた身体を拭きとりながら彼が自分のいる場所を確認する。
 シュウジが身体を洗う前までは正方形の真っ白な部屋だったのに今は長方形になっていた。
「部屋のかたちが変わったのが気になるのか?」
「一応な。それといつになったら力をくれるんだ」
「心配しなくても約束はきちんと守ってやる。その前に腹を満たそう、わたしもペコペコだ」
 ゴウン……という音とともに長方形だった部屋が揺れ動く。ほんの一瞬、液体のようにねじ曲がったかと思えば。
 いつの間にか、女神とシュウジは向かい合わせに高級そうな椅子に座っている。
 天井にはシャンデリアのようなものがあり、黒く長いテーブルの上にさまざまな料理が並んでいた。においがシュウジを刺激したらしく腹の音が大きく響く。
「食事の前に服もくれないか、女神さま」
「裸のほうが汚れないであろう」
「そこまで食いかたは醜くない。安心してくれ」
 とシュウジが口にすると着流しのような服を身にまとわさせられた。そんな彼の姿を見てなのか女神が満足そうな顔つきで見ている。
「子どもじゃないんだ。さっきみたいに渡してくれれば自分で着られる」
「そう嫌がるな。あれこれと甲斐甲斐しくするのは飼い主の責任だ」
「食事をするのに両手はつかっていいんだよな?」
「もちろんだ。ペットとはいえお兄さんを人間だと認めているよ」



 腹がふくれたようで食べるのをやめて、シュウジが高級そうな椅子にもたれかかりつつシャンデリアを見上げた。
「酒は飲めるか?」
「なん百年と禁酒していたんだが。女神さまのサシ飲みを断るのも失礼だろうから遠慮なくいただく」
「えらく喋りかたがかわってきたな」
 サシ飲みをしやすいようにと女神が考えたようでまた部屋のインテリアが変化をしていく。
 先ほどまでのような落ち着いた雰囲気とは違い、エロティックな色合いのものに。真っ赤でやわらかなソファーに女神とシュウジが並んで座っていた。
 ホステスのような青を基調としたキャバドレスに女神が着替えているが不満そうな様子。
「胸の露出はいいが、着流しのお兄さん相手なら」
「ミコトノシュウジだ」
「んー、なんだなんだ。ご主人さまに名前で呼んでもらいたいのか」
「別に。お兄さんって呼ばれるほどの年齢でもないしな……好きなようにしてくれ」
 ガラスのテーブルの上に並ぶワイン瓶をつかみ、シュウジがすぐに飲み干す。空になったそれを彼が床に転がしている。
「行儀が悪いな。ちゃんとグラスにそそいでから」
「じゃあ、女神さまがお酌してくれよ」
 シュウジが女神の乳房をわしづかみにした。
「久しぶりの女体の感触はどうだ。最高か?」
「もう少しういういしい反応をしてくれればもっと最高なんですがね」
「こういう女を泣かせるのが面白いのであろう」
「まあな。それで女神さまの名前は?」
「わたしをベッドで満足させられたら教えてやる。そのほうが興奮も」
 女神がシュウジに唇を奪われた。が、全く表情を変えることなく彼女は受け入れる。
「ベッドを用意してやろうか?」
「このソファーで充分……満足させてやれるよ」
「ほほう。それは楽しみだな」
 身につけているキャバドレスをムリヤリにはだけさせるシュウジの姿を女神がにやにやと見ていた。



「んっ……なかなか、やるな」
 ソファーの背もたれに手をつき尻をさしだす女神の背後からシュウジが男性器をねじこむ。彼が腰を振るたびにはじけるような音がした。
「このまま出してもいいのか?」
「人間のかよわい精子では受胎できん」
 女神の返事とともにシュウジは女性器の中にねじこんだまま勢いよく射精する。
「満足したか?」
「まだだ」
「そうこないと。もっとわたしも楽しませてくれ」
 しなびた男性器が少しずつかたくなりはじめる。女性器からそれを引きぬき女神のやわらかな身体をシュウジが正面から抱きしめた。
 お互いに目を合わせて濃厚なキスをくり返す。
「やんっ」
 慣れた手つきで乳房をもてあそびシュウジが女神のピンクの乳首にやさしく吸いつく。お返しか彼女も男性器を両手で握りしめる。
「わたしは対面座位が好みだぞ」
「おれは正常位と騎乗位」
「やっぱりベッドを用意してやろうか?」
「それよりも足をひろげてもらえません」
「ふふっ、わかった」
 女神をソファーの背もたれの上に座らせるようにしながら彼女の右足だけをもちあげ、下から男性器を挿入していく。
「んうぅ」
 苦しそうに呼吸する女神を見てかシュウジが頬にキスをしたり頭を軽くなでた。
「あっ……やぁっ」
 ずぶずぶと男性器が奥深くへと入っていくほどに女神が色めいた声をだす。身体を安定させるためか彼女がシュウジに力いっぱい抱きつく。
 駅弁スタイルを楽しみつつ移動をしてシュウジはソファーに座る。女性器の中でかきまわされる男性器と連動するように女神が乳房を揺らした。
 シュウジがピンクの乳首を指先でいじっていると女神が身体全体を震わせる。男性器から白い液体をしぼりとれたのを認識したからか彼女がにやつく。
「まあまあ、だなぁ」
「もっと楽しませてあげますよ。女神さま」
 乳房に顔をうずめながらシュウジはくぐもった声でそう言っていた。
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