『ハンカチの忘れもの』(「小説カフェやすらぎ」未来版）

⑵

ランチタイムにタクマさんがカフェを訪れた。
タクマさんはブログで小説を書いているサラリーマン。
ロボットメーカーで仕事をしていて、会社の休みの土曜日か日曜日にカフェに来る。

カウンター席に座っているタクマさんはランチを食べたあと、カフェオレを飲みながらマスターに言った。
「最近、ロボットの需要が高まって、会社の業績がいいんです」
「そうなんだ」                    
「ロボットの種類も多くなって、今度支社も増えるから、あわただしくて」
「ロボットをレンタルできるようになって、うちは助かってるよ」
「そうだとうれしいです」
「ロボットはまったくよくできてるよ」
マスターが感心して言った。
「いそがしいけど、ぼくも充実してます」
「よいことだね」
マスターは笑顔でこたえた。