『小説カフェやすらぎ2030』

ミユー

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第1章 ホッピーとルン

ホッピーとルン⑽

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その日から、マスターとわたしはカフェに訪れる作家さんやお客さんに、チワワのホッピーのガールフレンドにむいていそうなメス犬を飼っていないか、そういう犬を飼っている人を知らないか訊いてまわった。

数日たつと、作家さんやお客さんがメス犬を連れて店に来るようになった。

作家のマリリンさんは実家で飼っているポメラニアンのニコルを連れてきた。
わたしはニコルを一目見て、感激して声を出した。
「こんなにかわいい子なら、きっとホッピー、気にいるわよ! ホッピー!」
猫のルンとアンディーがじゃれているところから遠く離れたところで、壁を背にして横たわっているホッピーはわたしの声を聞き、のんびりと立ち上がった。そして、スタスタと歩き、マリリンさんの足先に立っているニコルの前で立ち止まった。

マリリンさんとカウンターのなかにいるマスターとわたしは期待して、息をとめて、二匹を見守った。
けれど、わたし達の期待むなしく、ホッピーとニコルはお互いのにおいをかいだあとすぐに、ホッピーはつまらなさそうな顔で元にいた場所に歩いて戻り、ニコルは後ろ足で立って、マリリンさんに抱っこをせがみ、マリリンさんの腕のなかで、なにごともなかったような顔をした。

「もしかしたら、ホッピーとニコルは相性があんまり、よくないのかもしれないな」
マスターが残念そうに言い、マリリンさんとわたしは顔を合わせ、眉尻を下げて微笑みあった。
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