本が死ぬとき

黒ヶ崎

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本が死ぬとき

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本に呼ばれたことはあるだろうか? 
別に本に
「ねぇねぇ~今何時?季節は?雨降ってる?」と言われたことはないであろう…
では質問を変えよう
【本に惹かれた】ことはあるだろうか?
タイトルが気になったでもいい…表紙の絵に惹かれたでもなんでもいい…
本に人間が惹かれたと同時に本も手に取られた人間に惹かれるのだ。
その惹かれた本はみじかにあるだろうか?
捨ててはいないだろうか?
何処にあるか忘れてはないだろうか?
適当に置いてないだろうか?
本にも感情はあるのだ。
人間が涙する時本も涙をする。
人間が腹立たしいと思えばその本も腹立たしい気持ちになる。
人間と本は同じような感情を持っている。
本は語り手。人間に訴えかけているのだ。
自分に秘められた話を
読み手である【貴方】に
本が読まれている時本は自分が生きていると感じる。
本は死ぬ事は無い。
違う人に自分に秘められた話を語る。
本は永久を生きる語り手である。


そんな語り手である本が死ぬときは
語れなくなるほどに破られるか
読めないほど黒焦げにされるか
語れなくなるほどに濡れるか
そして
人間に捨てられるかのどれかなのだ。
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