短編集【BLACK】

タピオカ

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夕方に現れる人攫い集団 2

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「…よし!ここなら見つからないかな、やっぱりアタシって天才ー♪」

 明るそうな女の子は、とても分かりにくい木の陰に隠れていた。
 絶対見つからないと自信満々な様子。

「やあ、こんにちは。とても可愛いお嬢さん」
「…あ、こんにちは!可愛いだなんてそんな~!」
(きゃー!イケメン!公園でこんな素敵なお兄ちゃんに会えるなんて、運命の出会いってやつかな!)

 礼儀正しそうでとても顔立ちの整った中学生ぐらいの少年が現れ、女の子に笑顔で声をかけた。
 そんなイケメンに声をかけられた事により女の子はノリノリだ。

「とても可愛いよ、僕の家でゲームでもしない?最近発売されたパンケモンとかトンちゃんのソフトもあるよ」

 少年は女の子に家でゲームをしようと誘った。それらのソフトは小学生の男女共に人気のキャラのゲームだ。

「そうなの?トンちゃん好きなんだー!お兄ちゃんと楽しくゲームしたいし喜んで行くよ!」

  この女の子も例外じゃなく少年が持ってるソフトの内、片方のキャラが好きだった。

「…あ、でもキミは公園で友達とあそんでるんじゃないかな?邪魔しちゃ悪いな…」
(ははっ、この子ちょろいな。家に来るってあっさり決めてるけどこれじゃ少し面白くないから、あえて遠慮するような事を言ってみようか)

 女の子が家に行く事を簡単にOKしたので、少年はつまらなく思っていた。

「あ、そっかー!でも邪魔してるなんて事ないよ。じゃあみんなに帰るって伝えてくるからさ、ここで待ってて、お兄ちゃん!」

 みんなに伝えてくると言い女の子は走り出した。

「さあ、どんな表情で帰ってくるかな。楽しみだ」

 走り出した小さな後ろ姿を見つめ、少年は楽しみにしていた。



 子供っぽい男の子は公園にあるトイレの中に隠れていた。

「ここに隠れて鍵をかけていたら、僕が開けない限り誰も見つけれないもんね~、ここでのんびりしてよっと」

 とてもずるい方法を使い、男の子は最後まで見つからないようにしていた。


 ━━コンコン

 誰かがノックをしてきた。

(探しに来たかな?でも出なければ見つかったって事にならないもん)

 ノックの音にもびびらずに余裕な気持ちでいた。


 ━━ドンドン!ドドドドドドドドドドドドドドドドド!

 音がとてつもなく強くなった。そして、

 ━━━━━━ドガッシャーン!!!

「ひょわあぁぁぁぁ!!」

 ドアは勢いよく破壊された。予想外の事に男の子はとてつもなく驚いていた。
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