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第三章 嘘の幸せと真実の絶望と
48 梓の謎04
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しかし一人の女性として好きとか感情じゃなく守りたいって感情の方が優先だろうか。
仮に曜子に好きな人や彼氏が出来たら応援するが、駄目な男に引っかかってないか心配はしてしまう。
愛情よりも親心の方が強くなってしまう感じか。
……けど、時折見せる曜子の笑顔や真剣な時に見せる顔が可愛いって思っている自分がいるのも事実なんだよな。一緒に居て楽というか気を使わないし元々賢い娘《こ》だから話のテンポやリズムも合うし。
けど、それは曜子の個性であって俺だけじゃなく誰にでも良い子って思われるってことなのだろうか。こういうのを競争率が高いって言うのかな?いや、わからなくなってきた。これじゃまるで俺が曜子を好きな感じじゃないか。
「煮え切らないのね」
「そ、そうですかね」
心の中を見透かされたようで慌てた。しかし実際自分が高校生の時は高校生同士が付き合っても何も変と思わなかったが、大学生や社会人が女子高生に”好き”とか”付き合いたい”とか女子高生に恋愛感情を持ち独占するのには抵抗があるな。
曜子との年の差的には俺と梓さん位の差なのだが、相手が学生ってなるとむやみやたらに手出しはしてはいけない責任感みたいなものがあるな。まぁ高校生の時も女子と付き合うなんてチャンスは無かったんだがな。
「好きでも彼女でもないのにコスプレには拒否権を主張する親心」
「えぇ」
「家庭教師という近い立場に居ればその男が良く見えてくるもんだぞ。家庭教師が終われば曜子ちゃんも悪い夢から醒めるんだ。射止めるなら彼女の感覚が麻痺してる家庭教師してるうちだぞ」
「詐欺みたいなもんじゃないですか!それってフェアじゃない!」
所長は俺の横に座って肩を抱きかかえて
「ウタル、早めに女を知って大人になれよ」
「わ、わかってますよ!」
俺は残りの紅茶を一気に飲んで恥じらいと現状を誤魔化した。
「所長だって彼女居ないんですか?休みだってのに仕事ばかりじゃないですか」
「俺の恋人は仕事みたいなもんだよ。寂しくなったら梓ちゃんが慰めてくれるしな」
「ウタル、アンタそれを信じてたら地獄まで突き落すわよ」
「何故に俺が!?わかってます!所長の冗談です!わかってます」
二人の相性は悪くないと思っているのだが、梓さんの拒否の仕方からして仕事以上の関係はこの二人にはないのかな?それとも表向きに感情を押し殺しているのかもしれないが俺が立ち入れる事ではないので考えるのをやめることにした。
俺は自分でも気づいてない心の中を二人の大人に見透かされていたことに、この時は気付く筈も無かった。
仮に曜子に好きな人や彼氏が出来たら応援するが、駄目な男に引っかかってないか心配はしてしまう。
愛情よりも親心の方が強くなってしまう感じか。
……けど、時折見せる曜子の笑顔や真剣な時に見せる顔が可愛いって思っている自分がいるのも事実なんだよな。一緒に居て楽というか気を使わないし元々賢い娘《こ》だから話のテンポやリズムも合うし。
けど、それは曜子の個性であって俺だけじゃなく誰にでも良い子って思われるってことなのだろうか。こういうのを競争率が高いって言うのかな?いや、わからなくなってきた。これじゃまるで俺が曜子を好きな感じじゃないか。
「煮え切らないのね」
「そ、そうですかね」
心の中を見透かされたようで慌てた。しかし実際自分が高校生の時は高校生同士が付き合っても何も変と思わなかったが、大学生や社会人が女子高生に”好き”とか”付き合いたい”とか女子高生に恋愛感情を持ち独占するのには抵抗があるな。
曜子との年の差的には俺と梓さん位の差なのだが、相手が学生ってなるとむやみやたらに手出しはしてはいけない責任感みたいなものがあるな。まぁ高校生の時も女子と付き合うなんてチャンスは無かったんだがな。
「好きでも彼女でもないのにコスプレには拒否権を主張する親心」
「えぇ」
「家庭教師という近い立場に居ればその男が良く見えてくるもんだぞ。家庭教師が終われば曜子ちゃんも悪い夢から醒めるんだ。射止めるなら彼女の感覚が麻痺してる家庭教師してるうちだぞ」
「詐欺みたいなもんじゃないですか!それってフェアじゃない!」
所長は俺の横に座って肩を抱きかかえて
「ウタル、早めに女を知って大人になれよ」
「わ、わかってますよ!」
俺は残りの紅茶を一気に飲んで恥じらいと現状を誤魔化した。
「所長だって彼女居ないんですか?休みだってのに仕事ばかりじゃないですか」
「俺の恋人は仕事みたいなもんだよ。寂しくなったら梓ちゃんが慰めてくれるしな」
「ウタル、アンタそれを信じてたら地獄まで突き落すわよ」
「何故に俺が!?わかってます!所長の冗談です!わかってます」
二人の相性は悪くないと思っているのだが、梓さんの拒否の仕方からして仕事以上の関係はこの二人にはないのかな?それとも表向きに感情を押し殺しているのかもしれないが俺が立ち入れる事ではないので考えるのをやめることにした。
俺は自分でも気づいてない心の中を二人の大人に見透かされていたことに、この時は気付く筈も無かった。
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